IoT機器にも悪質ウイルス広まる。狙われたのはスマートテレビ
インターネットに接続された機器にはウイルス感染の危険がつきものです。あらゆる身近なものがインターネットにつながるIoTが進む中、パソコンや携帯端末以外のネット接続機器でもウイルス感染被害が報告されるようになりました。標的にされたのはスマートテレビです。パソコンと異なり、状況によっては感染するとメーカーへ修理に出さなくてはならない面倒な事態を引き起こしています。
スマートテレビで脅迫型のウイルス感染被害広まる
インターネットに接続して機能性を高めている家電製品として知られるのがテレビです。ブラウザを使ってのウェブサイト閲覧や動画配信サービスを通じて映画鑑賞を楽しむことができるほか、専用のアプリを使ってさまざまなサービスを利用できます。こうしたテレビをスマートテレビと呼んでいます。
最近、スマートテレビに感染するウイルスが報告され、突然テレビが見られなくなる被害が起きています。被害をもたらしているウイルスはランサムウェアと呼ばれる悪意のあるソフトウェア(マルウェア)の一種です。感染すると突然テレビ画面に脅迫文が表示され、復旧してほしければ金銭を支払うよう求めてきます。電源を切って再びつけても警告はずっと表示されたままで対処のしようがありません。やむなく指示に従うと、ウイルス解除の方法を提示されるか、復旧作業を遠隔で行われることで再びテレビが見られるようになり、不本意な取引が成立します。
セキュリティ対策ソフトを開発・販売しているトレンドマイクロによれば、2016年にスマートテレビへの感染を狙った新種のウイルスは国内で320件を検出したと発表しています。あわせて、ウイルスに感染しても言われままに金銭を支払わないよう呼びかけています。
パソコンのように自分で駆除できない場合も
スマートテレビにウイルスが感染してしまったときは、駆除をしない限りテレビを見ることはできません。ここで問題となるのが、パソコンのセキュリティ対策ソフトのように、自動的に駆除することがきない点です。そればかりか最悪の場合、メーカーへ修理に出さなければならない事態も起こりうるのです。
万が一、ウイルスが感染してしまったときの対処として最も有効なのが、スマートテレビのリモコンを使ってメニューを選択し、設定を出荷時の状態に戻すことです。この操作でダウンロードしたスマートテレビ用のアプリが削除されてしまいますが、同時にウイルスも消去できます。
ところが、スマートテレビに感染するウイルスの中には、メニュー操作用のリモコンすら使えなくなる厄介なものも報告されています。その場合、自力では初期状態に戻す手段がないためメーカーに修理に出さなくてはなりません。頻繁にウイルスに感染して、修理に出す繰り返しが続けば、せっかくのスマートテレビも使う気が失せてしまうでしょう。
パソコンの場合、ウイルスが感染してもセキュリティ対策ソフトを起動すれば容易に駆除できます。また、駆除が困難でも最終手段としてハードディスクを初期化すれば復旧できます。スマートテレビなど、最近のIoT機器の場合、専用のセキュリティ対策ソフトの開発は進んでいません。そのため、ウイルスに感染してしまうと駆除が面倒な状況です。
ファームウェアの自動更新をする設定は忘れずに
スマートテレビへのウイルス感染は、他のIoT機器でも起こることは十分考えられます。しかし、IoT機器ごとのセキュリティ対策が追いついていないのが現状です。
現時点で取り得る対策としては、ファームウェアを自動的に更新できるように設定しておくのが有効です。スマートテレビなどのIoT機器には、メーカーのサーバーから自動的にファームウェアをダウンロードして更新する機能がついています。メニューの設定を確認して、自動更新を許可するようにしておけば、万一ウイルスを取り込んでも感染を防止できる確率は高まるでしょう。
IoT機器にもウイルス感染の脅威が高まり、パソコン同様のセキュリティ対策もしていかなければなりません。IoT機器を開発するメーカーはもちろん、セキュリティ対策ソフトを開発する企業も、利用者が安心して使えるためのウイルス防止策を提供していくことが求められます。
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