Android PayがGoogle Payになって、できるようになったこと。まだできないこと
2015年9月にサービスがスタートし、日本では2016年12月から使えるようになった、Googleが提供するモバイル決済サービスAndroid Pay。それがGoogleウォレットと統一され、Google Payへとサービス名を変更したのが2018年2月21日のこと。それから1年が経過して、Google Payの便利さとともに、これからに期待することもわかってきました。
そこで今回は、Android PayがGoogle Payになって、できるようになったことと、まだできないことをまとめてみました。
この記事でわかることは、以下の3つです。
・Google Payで使える電子マネーとクレジット
・Google Payの今一歩な点
・Google Pay対応が期待されるスマートウォッチ紹介
スマホアプリで決済ができるGoogle Pay
Google Payとは、Androidのスマートフォンで使える決済アプリで、電子マネーや一部クレジットカードでの決済ができます。電子マネーは、nanacoやSuicaといった日常生活の中で使う機会の多い電子マネーが複数登録でき、今までバラバラにカードを持っていたのをアプリ一つにまとめることができます。また、Tポイントなどポイントプログラムへの参加も可能で、ポイントカードもまとめることができるのです。
こうしたアプリでの決済は、アプリをインストールしたデバイスをお店側のリーダーにかざして決済する「NFC(Near Field Communication)」と呼ばれる方式で行われます。そして日本においては電子マネーの決済にNFCの一つである「Felica」という規格を採用しています。
アメリカやスペインなど海外ではGoogle Payアプリとスマートウォッチでも決済することが可能な国もありますが、2019年5月現在日本ではFelica対応のおサイフケータイ機能を持つスマートフォンでのみGoogle Payを使うことができます。
Suica、楽天Edy、nanaco、WAON、QUICPayも使える
Google Payのサービススタート時には、利用できる電子マネーは、楽天Edyとnanacoの2種類だけでした。後にSuicaとWAONも利用できるようになってさらにQUICPayにも対応し、国内の主要な電子マネーサービスが利用できるようになりました。
Google Payは、利用時にお店側へ電子マネーの種類を伝えるだけで使用できます。
今までばらばらにカードを持っていた電子マネー、そしておサイフケータイ利用者の場合は別々のアプリで管理していた電子マネーが、Google Payで一つのアプリの中にまとめてしまうことができます。
国内で電子マネーを利用できるのは、おサイフケータイに対応しているAndroidスマートフォン(Android Lollipop(5.0)以降)です。なおQUICPay を利用する場合は、おサイフケータイのバージョン 6.1.5 以降となります。
Apple Payであれば、iPhoneではもちろんApple watchでも電子マネー機能が使えます。Google Payでは2019年5月現在スマートウォッチでの支払いに対応していないので少し不便な感じもします。
また、モバイルSuicaで利用できる特急券やグリーン券の購入などはGoogle Pay上からは行えません(購入したチケットの確認だけは可能)。そのために特急券やグリーン券の利用があるなら、Google PayだけでなくモバイルSuicaアプリもインストールしておく必要があります。
ただし、「タッチでGo!新幹線」という東北・上越・北陸新幹線の一部区間の自由席に適用されるサービスでは、Google Payでの使用が可能です。
クレジットカードはKyash、JACCS、JCB、LINE Pay、ゆめカード
現在、Google Payには直接クレジットカードを登録することはできません。そのため、クレジットカードで支払いたいといった場合には、いったんクレジットカードから電子マネーにチャージするか、QUICPayを利用します。
QUICPayで利用できるクレジットカードは、プリペイドVISAアプリ「Kyash(キャッシュ)」、JACCS、JCB、LINE Pay、you meのゆめカードです。
Kyashは手数料無料で個人間送金ができるので、飲み会などで集金や精算といった、いわゆる「割り勘アプリ」として活用できます。LINE Payが同様のサービスで先行していますが、利用するには本人確認として身分証のアップロードか銀行口座の登録が必要となります。それにひきかえKyashはSMS認証のみで使えるので、Google Payが対応することでより一層の普及が期待されます。
また、KyashやLINE Payのようなアプリ先行型のクレジットカードでなく従来から持っている人が多いJACCSやJCBが使えるのも便利です。
対応ポイントプログラムはTポイントとdポイントだけ
対応しているポイントプログラムについては、Tポイントとdocomoのdポイントの2種類です。Tポイントとdポイントはそれぞれ、コンビニやレストラン、ガソリンスタンド、ドラッグストアなどの日常で使うお店をはじめ、家電にファッション、ガスなどのライフラインでの支払いなどさまざまな提携先でポイントをためることができます。とはいえ、ポイントプログラムはこれ以外にも無数にありますので、他たくさんのポイントカードをGoogle Payにまとめられると便利だと考えてしまいます。
Androidスマートウォッチ対応への期待
前述のように、日本ではGoogle Payはスマートフォンのみで使用可能という状況です。しかし、スマートウォッチへの対応がなされればもっと便利になることは必須です。ただ手を近づけるだけでよいので、昨今の大型スマートフォンより断然扱いやすいはずです。
例えばこんなシーンでもスマートウォッチは活躍します。
・朝の混んでいる改札口で・・・
通勤・通学客で混みあっている駅では、改札を通過するときにポケットからスマートフォンを出し入れするのに失敗してあわててしまうこともあります。しかし、スマートウォッチならばそんなことを気にする必要はないのです。ただし、左腕につけているスマートウォッチを右側のリーダー部分にタッチするために、少し体をひねる必要はあります。
・旅行や買い物で・・・
旅行に行ったときやたくさんの買い物をしたときなど、荷物が多くて両手がふさがっているとスマートフォンを取り出すのが大変です。スマートウォッチなら両手で荷物を持っていても使えるというのもメリットです。
すでにアメリカやカナダなどではGoogle Payは「Wear OS」というAndroidベースのスマートウォッチ用OSに対応しており、スマートウォッチでの決済ができるようです。日本でも対応予定とされているので、Google Payを便利に使うために今のうちからGoogle Pay対応予定のスマートウォッチを調査しておきたいところです。
対応予定のスマートウォッチ紹介
・Fossil スポーツスマートウォッチ
シンプルでさまざまなカラーバリエーションから選べる円形のスマートウォッチ。スポーツ向けでGoogle Fitとの連携で、運動記録や心拍数などを記録し管理できる。Google Payも実装予定とのこと。
「Fossil スポーツスマートウォッチ」
・LG LG Watch Sport
スポーツタイプのメンズ向けスマートウォッチ。無線充電機能あり。Google FitやGoogle MusicなどGoogle連携機能多数。Google Payには海外ではすでに対応済み。
「LG Watch Sport Unlocked GSM (Silver/Titan) 日本語対応」
・DIESEL DIESEL ON Full Guard 2.5
こちらもスポーツタイプのスマートウォッチ。DIESELは世界で人気のファッションブランドであり、時計として高いファッション性も持っている。Google Payには海外ではすでに対応済み。
「Diesel On TOUCHSCREEN – Full Guard 2.5」
まだどれも未対応であり確実とはいえないながらも、上記のスマートウォッチはGoogle Pay実装または実装予定とアナウンスされており国内でのGoogle Pay解禁の際にはいち早く対応してくれることが期待できます。
機種変更時の手間軽減が課題
使用時にはとても便利なGoogle Payですが、Google Payを使い続けていく上で大きな課題になりそうなことが、機種変更時のデータ移行です。機種変更するときにはGoogle Payアプリ上で一括移行することはできず、電子マネーそれぞれで移行作業が必要になるからです。
旧機種で使っていたApple IDで新機種にログインするだけで移行できるApple Payと比べた場合、より大きな手間を感じます。この手間をどう軽減していくのかが、今後Google Payに課せられた使命といえるのではないでしょうか。
[2019年5月28日アップデート]
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