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ファーウェイがARナビゲーションを開発!AR技術のしくみについて

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
①ファーウェイが発表したARナビゲーションシステムの概要
②Googleも提供しているARナビゲーションについて
③IT業界にも影響を与える米中問題について
スマートフォンの地図アプリでナビをしている時、アプリを見ながらウロウロしてしまいませんか?そんな時ARナビゲーションシステムがあれば、直感的に行き先がわかります。

格安スマートフォンで人気のファーウェイが、2019年秋にARナビゲーションシステムをリリースすると発表しました。Googleの後追いともいえる機能ですが、ファーウェイも独自の技術で進化しているのです。

ファーウェイが独自ARナビを開発

2019年10月にナビゲーションシステムをリリース

2019年8月、ファーウェイは独自のマッピングサービスを発表する予定であると発表しました。
参照:CHINADAILY「ファーウェイは10月にマッピングサービスを発表する予定です」
http://www.chinadaily.com.cn/a/201908/13/WS5d5214b9a310cf3e35565685.html

マッピングサービスとは、目的地がどこにあるか地図上で確認できる技術。情報が見える化されたり現在地からの距離がわかったりと、スマートフォンユーザーには欠かせない技術ですよね。

そしてファーウェイの最新マッピングサービスは、AR(拡張現実)にも対応しているというのです。

ファーウェイのAR技術はGoogleマップに対抗か

マッピングサービス+AR技術といえば、Googleが提供しているARフレームワーク「ARCore」があります。

そしてGoogleマップと組み合わせた「Live View」というサービスでは、スマホのカメラを通してみると、ARで行くべき道を教えてくれるのです。Live Viewリリース当初はGoogleのスマートフォンPixel向けの機能でしたが、iPhoneやAndroidにも対応しました。(ARに対応しているスマートフォンが対象です。)

今回発表されたファーウェイのナビゲーションシステムは、ARナビゲーション機能もあります。このARナビゲーションについては、Googleに対抗していると見ていいでしょう。

ファーウェイのマッピングサービスは「Map Kit」というツールで提供されているのですが、一般向けではなく技術者向けです。ファーウェイのMap Kitはすでに150の国と地域をカバーしているというので、Googleには及ばないものの広範囲をカバーしていると言えます。

GoogleのARナビゲーションシステムについて

2019年に入ってから、GoogleはLive ViewというARナビゲーション機能を発表しています。Google Map画面内で歩く方向を教えてくれる技術で、行き先がわからないユーザーにとっては大変便利な機能です。

ARといえば、日本では“ポケGO”ことポケモンGOで一気に知名度が上がりました。スマートフォンのカメラを通すとまさにそこにポケモンがいるかのように見えるAR技術は、多くのファンを作っています。

GoogleのARナビゲーションシステムも、ポケモンGOのキャラクターのように、カメラを通した現実の中で進むべき方向を示してくれるのです。

ARナビゲーションが実装されたGoogle Mapは、もはや人に聞くよりわかりやすい機能といえます。

ARナビゲーションのしくみについて

そもそもARとは

まずはARの基本情報についておさらいしましょう。ARとはAugmented Realityの略で、「拡張現実」という意味です。

ARはカメラを通して現実世界とデジタル情報を組み合わせることで、現実の世界を拡張して見せられる技術。一時期流行ったカメラアプリ「SNOW」は、AR技術を使った動物風の自撮りで人気になりましたよね。

つまりARナビゲーションとは、デジタル情報を取り入れてナビをしてくれる技術です。今までのナビアプリなら、平面の地図上に表示された経路を進むしかありませんでした。

どっちに進めばいいか分からないときはスマートフォン持ってグルグル回ってみたりとりあえず進んでみたり、方向感覚がわからないとなかなかスムーズには行けません。

しかしARナビゲーションなら、カメラを通して「あの角を左に曲がる」「この道をまっすぐ進む」と進路が直感的にわかります。

ARナビゲーションなら、スマートフォンを持ってウロウロとさまようこともなくなるでしょう。

ARには2種類ある

ARにも種類があり、以下の2つに分けられます。

・ロケーションベース型
GPSなど位置情報を基に自分の位置を把握できるのが、ロケーションベース型の特徴です。磁気センサーを使って方向まで把握でき、ナビアプリでよく使われています。GPSに依存しているため、屋内などでは位置情報に誤差が出やすいという注意点もあります。

・ビジョンベース型
空間や画像といった情報を基にデジタル情報を表示させるのが、ビジョンベース型の特徴です。マーカーという正方形の情報を読み取る「マーカー型」と、山や海といった風景に情報をプラスする「マーカーレス型」に分かれています。ロケーションベースよりは専門情報が必要で、開発の難易度は高いといわれています。

ロケーションベース型とビジョンベース型は、組み合わせて使えます。これらの技術を使って、ARナビゲーションなど新しいサービスが生み出されているわけですね。

ゲーム以外にも進出しているAR技術

ARを使ったサービスは、ARナビゲーションやゲームだけではありません。

たとえば海外用の携帯電話などを販売しているテレコムスクエアでは、観光サービスでAR技術を使っています。「PinnAR」(ピナー)というアプリを使えば、目的のお店までの方向や距離を教えてくれます。台湾向けの観光アプリとして、公式動画も配信されていますよ。

YouTube:「PinnAR 京都 15sec 1:1」
https://www.youtube.com/watch?v=z5SeHx-4TGw
Androidのダウンロードはこちら:
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.telecomsquare.app.pinnar&hl=ja
iOSのダウンロードはこちら
https://apps.apple.com/jp/app/pinnar/id1195001150

家具のIKEAではAR技術を使って、自分の部屋の中にお目当ての家具を置いたイメージを見える化できます。いちいち長さを測る必要がなく、より現実感を帯びたイメージ画像が見れるのは嬉しいですよね。

公式の動画があるので、興味がある方はぜひご覧ください。
YouTube:「Say Hej to IKEA Place」
https://www.youtube.com/watch?v=UudV1VdFtuQ
公式サイト:
https://m.ikea.com/jp/ja/pages/campaigns2018/ikeaplace/

ARとVRって何が違うの?

ARと似た言葉で、「VR」もあります。どちらもよく聞く言葉ですが、何が違うかわかりにくいものです。

VRは仮想現実という意味で、コンピュータで仮想の世界を作ることをいいます。プレイステーションをはじめ、VRを使ったゲームもリリースされていますね。VRは仮想なので、現実世界の情報を使うことがありません。100%仮想で作った空間を楽しむ技術です。

一方でARは現実を拡張する目的で使うため、現実世界の情報も使います。カメラを通した現実の映像やGPSなどが、現実世界の情報となります。

だから、ナビゲーションシステムで必要となるのはARの技術なのです。

ファーウェイが独自のAR技術を開発したいきさつ

中国は国の方針上Googleを使うことができず、検索ブラウザもコミュニケーションツールも、中国独自のものが発達しています。
ファーウェイといえば、2018年に“ファーウェイ事件”が起こりニュースでも取り上げられました。ファーウェイは すでに日本でも格安スマートフォンメーカーとして知名度が上がっていたので、ニュースで驚いた人も多いのではないでしょうか。
しかし日本ではファーウェイのスマートフォンを購入できますし、Googleサービスの制限もありません。日本の市場にはあまり影響がないでしょう。
ファーウェイのARナビゲーションが日本にも対応すれば、また新しいサービスとして利用できます。
ファーウェイがどのようなサービスを日本に提供してくれるのか、楽しみですね。

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