AppleマップとGoogleマップはどう違う?2つのアプリを徹底比較!!
皆さんは普段、マップアプリは何を使っていますか?
iPhone利用者ならAppleの「マップ」が標準ですので、そのまま使っているという方が多いかも知れません。
一方、パソコンやアンドロイド端末であれば、「Googleマップ」を使う場合が多いのではないでしょうか。
今回の記事では、最近になって特徴に違いが出てきた2つのマップアプリについて、比較していきましょう。
この記事でわかること
・使いやすくなってきたAppleの「マップ」の特徴について
・「Googleマップ」の正確さ
・Appleの「マップ」と「Googleマップ」の違いについて
アップデートを繰り返し、使いやすくなってきたAppleの「マップ」
Googleマップは、2005年にサービスを開始しました。
世界全体をカバーした詳細な地図サービス、しかも無料で使えるという便利さから、あっという間に利用者が拡大し、地図サービスの分野では事実上のキラーコンテンツとなりました。
それに比べ、Appleがマップをローンチしたのは7年遅れの2012年からです。
当初は正確性に問題が多く、とてもGoogleマップに対抗できるものではありませんでした。
どちらのサービスも、当初はライセンスで提供されたデータを元に、マップを作成していました。
その後、自ら詳細なデータを収集するようになってからは正確さが向上し、現在では世界中の人が日常的に利用するサービスにまで進化しました。
Googleが地図データを収集するために、世界中を走らせている「Googleカー」を見かけたという方もいるのではないでしょうか。
世界中のありとあらゆる場所で、正確なGPSデータと画像を収集するという方法は、以前ではとても考えられませんでした。
「世界中の情報をデータ化する」という信念を持っているGoogleだからこそ、実現できたサービスと言えるでしょう。
Appleも2015年から、自社でのデータ収集を開始しています。
現時点でGoogleにはまだ及ばないものの、十分に実用性があり通常の使用であれば、ほぼ問題がないぐらいの精度になっています。
以前からiPhoneユーザーである私も、出始めのAppleマップは全く使い物にならなかったのでGoogleマップを愛用していました。
しかし、最近ではAppleのマップをデフォルトで使用しています。
バージョンアップを繰り返したことで信頼性が格段に向上し、経路探索など通常の利用であればGoogleマップと遜色ないレベルに進化しています。*注1
Appleマップについては、居住地によって正確性に差が出てくることもあるようです。
やはりGoogleマップと比べると、これまでに積み重ねてきたデータ量の差が出ているように思います。
しかし、ある程度の都市や観光地など、多くの人が利用するような場所に関しては、Appleのマップも十分な精度になっています。
時々「あれ?」と感じることがあったとしても、十分に活用できる水準だと考えてよいでしょう。
2019年に大幅なアップデートを発表したApple
GoogleもAppleも、マップの元になるのは「ライセンスされたデータ」「ユーザーから提供されたデータ」「自社で収集したデータ」の3種類です。
この中でも正確性について重要なのは、自社で収集したデータです。
WWDC19の基調講演でAppleは、「高精細360度カメラ・レーダー・地形を計測するセンサーなど最新機器を搭載した自動車や航空機で地図データを収集している」と発表しました。
まずは米国内で逐次データを更新するようですが、次のターゲットはオリンピックが開催される予定であった日本になるとのことです。
実際、Appleのデータ収集用車両が、都心を運行しているという目撃情報もあるようです。*注2
さらに2020年1月にも、矢継ぎ早にいくつかのアップデートをアナウンスしています。
ナビゲーションの高速化・より詳細な道路情報の提供・Look AroundというGoogleのストリートビューのような機能の提供などです。
これらは一部地域ですでに利用できる状態ですが今回の発表では、今後全米へ展開するというものでした。
当然、ワールドワイド規模でも、順次アップデートされていくことが期待されます。
このことは、Appleによる独自の地図データ収集が、全米レベルをカバーしたということではないでしょうか。
個人ユースでの利便性を強化してきたAppleの戦略
お気に入りの場所を登録する機能は、地図アプリと連携することで利便性の向上に役立ちます。
職場や自宅など以外にも、よく利用するスポーツジムやレストランなどを登録することができます。
目的地検索だけが地図アプリの機能と思っている方は、「よく行く場所を登録」するということにイメージがわかないかもしれません。
地図アプリにお気に入りの場所と一緒に連絡先を登録しておくことによって、ナビと連動し、連絡先に通知するといった使い方ができます。
このような使い方をすることで、地図アプリと住所録を別々に手作業で起動する必要がなくなります。
お気に入りの場所をまとめて「コレクション」とし、リスト化する機能も便利です。
コレクションは、iOS端末上でスワイプ操作をするだけで、友人や家族と共有することができます。
位置情報をコピーし、メッセージなどに貼り付けて送信するやり方に比べて、ワンアクションで相手に知らせることができる点はとても便利です。
他にも、マップ上に表示される「天気アイコン」をタップすると、現地での天気予報が表示されるなど、細かな点で改善され、使い込むほど便利さを感じることができます。
路線検索についても、Appleのマップではバスの時刻表までカバーしていますので、周辺駅から遠く、バス利用が必須である地方在住者にとって、非常に嬉しい仕様になっています。これはGoogleでも対応できていない部分です。*注3
正確さでは一日の長がある「Googleマップ」
もちろん、これまでご紹介したAppleのマップと同様の機能がGoogleマップにも搭載されています。
リアルタイムで現在地を共有する機能や、自宅や職場など普段よく使う場所を登録する機能などは、むしろAppleの方が後追いになっています。
地図データの要となる、地図情報の正確性については、Googleマップの方に一日の長があるのは間違いありません。
もちろん、利用する場所によってもデータの充実具合は異なりますので、実際に使い比べてみるのが一番確実です。
実は、正確性で優位を築いていたはずのGoogleマップが、「劣化した」と言われた時期がありました。
これは、これまでの収集・判断の手法を見直し、ユーザーから提供されたデータを重視するような取り組みに変更したことが理由のようです。
しかし現在は、正確性を担保するために、提供された情報をAIを活用して精査するなど、先進的な取り組みへと進化しています。
世界でも有数のAI開発と利用を進めているGoogleが、マップにもその技術を投入することで、本格的に地図分野を牽引するような新しいチャレンジを続けていることがわかります。
AI導入当初は、以前と比べて劣化したと言われていたGoogleマップですが、あっという間に以前の水準はクリアし、現在ではそのような評価はほとんど耳にしなくなりました。*
注4
Appleの「マップ」と「Googleマップ」の違いは?
GoogleマップにあってAppleのマップにないものと言えば、AR技術との連携ができることや、ユーザー独自の地図を複数作成できることぐらいでしょうか。
それ以外の機能は、名称や多少の違いはあるものの、ほぼ共通していると言えます。
もともとパソコンでの利用から始まり、携帯端末アプリへと進化してきたGoogleマップに比べて、後発のAppleマップはiPhoneでの利用を前提として作られました。
このような経緯から、操作感に若干の違いがあるように感じられることもありますが、それも使用する人によっては気にならない程度の差であると言えます。
しかし、機能面ではなく企業としての「Google」と「Apple」の違いから生じる、明確な差が一つだけあります。
それはプライバシーに対する姿勢の違いです。
Appleは、ユーザーの携帯端末が持つ位置情報と、地図データを紐付けることはしていません。
Appleでは個人のIDは匿名化されるため、個人の位置情報を保存・活用することはありません。
一方のGoogleは、以前から膨大な量の個人の位置データを収集し、保存していることが知られています。
これは自社の機器(iPhoneやiPad)やサービスを販売したいAppleと、広告事業が収益の柱であるGoogleの違いからくるものです。
Googleは最適な広告を表示するために、個人の趣味や嗜好や行動に興味があるのに比べ、Appleではそれらの情報に興味がありません。
このことによっても、個人のプライバシー保護については、Appleの方に優位性があります。
Appleもそこ事を意識するかのように、プライバシー保護を強調してアナウンスしてます。*注5
【まとめ】
地図サービスといえばGoogleマップと誰もが思い付くぐらい、一時期はディファクトスタンダードな存在でした。
しかし、世界で9億台を超えるiPhoneが稼働していることを考慮すると、Appleマップを日常的に利用しているユーザーも相当数いると考えられます。
実用上十分に正確で、他のアプリやサービスとの親和性も良く、プライバシー面でも安心と言えるのであれば、わざわざGoogleマップにリプレイスする必要もないでしょう。
今後はAndroidかiOS(iPhone)を使っているかで、マップアプリの住み分けが明確になってくるのかもしれません。
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■参考文献
注1
Wired 「アップルの地図アプリ「マップ」が、知られざる“進化”を遂げている」
https://wired.jp/2020/02/02/apple-maps-redesign/
注2
engadget 「東京五輪に向けてAppleが地図アプリを大幅アップデートへ(本田雅一) #WWDC19」
https://japanese.engadget.com/jp-2019-06-10-apple-wwdc19.html
注3
life hacker 「Google マップを超えた? 最新版「Appleマップ」はここまで進化した」
https://www.lifehacker.jp/2020/02/the-best-new-features-to-try-in-the-apple-maps-redesign.html
注4
東洋経済オンライン 「グーグルマップ「突然の劣化」はなぜ起こったか」
https://toyokeizai.net/articles/-/283815
注5
WIRED 「アップルの地図アプリ「マップ」が、知られざる“進化”を遂げている」
https://wired.jp/2020/02/02/apple-maps-redesign/