1. TOP
  2. ブログ
  3. 電話もクラウドサービスで Google Voiceの活用例

電話もクラウドサービスで Google Voiceの活用例

紙の書類はペーパーレスのファイル共有サービスに、郵便やFAXはWebメールに、エンタープライズシステムもクラウド化……
と一般企業では当たり前となったクラウドサービスの波に、今まで一つだけ遅れていたものがあります。
それは電話です。
携帯電話が普及してからというもの、いつでもどこでも電話が使えますが、あくまでも端末と番号がひもづいているため他の端末からは同じ番号を使うことができませんでした。
それを可能にするサービスが「Google Voice」です。
アメリカで10年ほど前から始まったサービスで、徐々に利用できる地域が増えてきています。
今回はGoogleの提供するこの電話サービスについて紹介します。

目次
・Googleの電話サービス「Google Voice」とは?
・Google Voiceの主な機能
・Google Voice活用例

Googleの電話サービス「Google Voice」とは?

「あ、仕事用の携帯忘れてきちゃった」と真っ青になった経験、ビジネスマンなら誰でも一度くらいはあるのでは?
携帯電話はどこへでも持っていくことができますが、逆に言えばそれを持っていないと電話を使うことができません。
Webメールのように、「どの端末からでも同じように使える」というわけではありませんでした。
「Google Voice」はそれを可能にした電話サービスです。

Google Voiceは、2020年8月現在、アメリカ国内の個人・企業と、以下の国のG Suite利用者が対象の機能です。
【デンマーク、フランス、アイルランド、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国】(*1)
残念ながら日本は入っていません。
日本では、Google Voiceからの電話を受けることは可能です。

Google Voiceは、同じ番号をスマートフォン、パソコン、固定電話のいずれでも利用できるようになります。
パソコンではvoice.google.com のサイトから、スマートフォン等モバイル端末ではGoogle Voice アプリから使うことができ、通話の発着信、テキストメッセージ送受信やボイスメール等ができます。
(ただしアメリカ国内のみに限られる機能あり。)

Google Voiceの特徴は、ただ電話をクラウド化しただけではありません。
通話の発着信の他にも、電話をさらに便利に使うための機能が備わっています。
どういう機能があるのかまとめて紹介します。

Google Voiceの主な機能

1つの番号でどこでも通話を受けられる・かけられる

Google Voiceでは、スマートフォン、パソコン、固定電話のいずれでも利用できる電話番号を 1つ取得できます。
この番号にかかってきた電話は、設定した端末またはアプリに転送され、どこの端末からでも受けることができます。
ただし固定電話への転送は利用できるプランに制限があり、また最大6件(*2)までとなります。
通話を発信するときも、この番号を使ってかけることができ、さらに同番号の端末同士やGoogle Voiceの番号同士で通話転送を行うことができます。

なお、既存の電話番号をGoogle Voiceに移行することも可能です。
フリーダイヤルやノマド番号でない、Google Voice対象地域かつ対象アカウントの電話番号が移行可能です。

低価格な通話料金

Google Voiceでは通話料金が安いのもメリットです。
アメリカ国内への通話であれば無料でかけることができます。
アメリカ―カナダ間の通話も無料です。
国・地域別の1分当たりの通話料はWebサイト上で公開されており、国際通話でも0.01USドル~と割安になっています。(地域によります。)(*3)

テキストメッセージ、ボイスメッセージの利用

Google Voiceではアメリカ国内においてSMS、ボイスメールのやりとりもできます。
SMSの送受信は無料で行えます。
また、Google Meetの会議の内容もGoogle Voice上で受け取ることができます。

Googleのいろいろな機能との連携ができる

さらには、Google Meetの会議にGoogle Voiceのユーザーを直接招待することができます。
会議を開催している中でGoogle Voiceの番号に電話をかけ、招待されたユーザーが電話に応答すれば会議にすぐ接続することができます。
また、ブラウザのGmail画面内にGoogle Voiceのコールボタンがついていてそこからすぐに電話をかけることができたり、Googleカレンダーの予定をGoogle Voiceで受け取ることができるなど、Googleのさまざまなアプリとシームレスな連携ができます。

Googleが提供するモバイル回線サービスGoogle Fiとも併用できます。
Google Fiの電話番号とGoogle Voiceの電話番号を使い分けられ、転送設定により1か所で両方の番号を使用できるようになります。

ボイスメッセージをテキスト変換

ボイスメールがあったけど、電車の中や周りを気にしてすぐに聞くことができない、なんていうケースもありますよね。
Google Voiceでは、Google謹製AIがボイスメッセージをテキストメッセージに変換してくれます。
Google Voice上で読むことができるほか、メールに転送することができます。

迷惑電話はブロック

Google VoiceにおいてAIはテキスト変換だけでなく迷惑電話やスパム電話を自動的に除外してくれもします。
除外機能は手動設定も可能です。
受信したくない番号を設定してブロックする機能もあります。

Google Voiceの活用例

ユーザー目線での事例

まずはGoogle Voiceを実際に使ってみたユーザーの事例を紹介します。
利便性という点で、1つの電話番号を使い回せるということがとても良いというレビューがあります。(*4)
出張先でスマートフォンが壊れてしまったというシチュエーションでも、市販の端末ですぐに代わりを用意することができたといいます。

また、通話転送設定が自由にできることから、自分のライフスタイルに合わせて鳴らす端末を変えたることが可能です。
まらオフィスでとった電話を携帯電話に転送しそのまま話しながら出かけたりといった、従来の電話よりもっと自由に行動できるようになっている例が見られます。

企業の事例

世界各国のコンシューマーデータを収集・分析するマーケティングリサーチ企業Nielsenでは、G Suiteを導入してコスト削減を行った例があります。

Nielsen社は、100か国以上で事業展開を行っており、国をまたがっての従業員同士のコラボレーションが必要でした。
いつでもどのデバイスからでも働けるようにクラウドファーストの戦略を取り、G Suiteを導入したといいます。
その結果、ITにおけるサポートコストを削減し、インフラの移動コストを20%削減しています。(*5)
Google Voiceは外回りの従業員にとっても、またチームメンバー同士の電話ツールとして評判が良かったことが、同社のCIO、Kimberly Ansett氏の声としてGoogle VoiceのWebサイト上でも紹介されています。

在米で、かつ多くの国にまたがってコミュニケーションをとることが必須である事業において、コスト面、G Suiteの他ツールとの連携ができるというメリットが生かされているようです。

大学での事例

ポートランド州立大学では、G Suite for Education版を採用しており、Google Voiceを教員と大学職員に対して適用しています。
従来の電話の代替というだけでなく、テキストメッセージ・テキスト画像を使って学生からの課題を受け取る方法の一つとして使ったり、ボイスメールのテキスト変換機能をリスニング/スピーキングの授業で利用したりという活用ができるといいます。
また興味深いことに、同大学の技術・経営分野の学生プロジェクトにおいてVoIPサービスの選定のための検証と意思決定プロジェクト「Voice over Internet Protocol (VoIP) Best Service Provider Decision Making with Using Hierarchical Decision Model (HDM)」(*6)が行われており、Google Voiceがベストである、という結論が出ています。

電話機能だけでなく、教員と学生のコミュニケーション手段の向上や教育の現場を助けるツールとしても使うことができます。

まとめ

Google Voiceはクラウドベースの電話サービスで、共通の電話番号を多数の端末で使うことができます。
事例を見てみると、Google Voiceには電話・テキストメッセージ機能に加えAIによるテキスト変換機能やG Suiteの機能連携があるため、ただの『携帯電話の代替品』にとどまらないということがわかりました。
コミュニケーションの効率を上げたり既存のコストを削減したりすることができるGoogle Voice。日本でもサービス提供される日は来るのでしょうか。

記事内の情報は、すべて2020年8月21日時点のものです。

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

デジタルツインと i-Constructionについての ホワイトペーパー配布中!

❶デジタルツインの定義
❷デジタルツインが建設業界にもたらすもの
❸i-Constructionの概要
❹i-Constructionのトップランナー施策

CONTACT

株式会社キャパでは、IoTの開発・改善について ご相談を承っています。

営業時間:月~金 9:30~18:00 
定休日:土日・祝


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

参考リンク
(1) G Suite 管理者ヘルプ Voice の一般的な要件 https://support.google.com/a/answer/9206529
(2) Voice スタートガイド 1. Voice の設定
https://support.google.com/a/users/answer/9310194#1.1
(3)Google Voiceの通話料金 https://voice.google.com/u/0/rates
(4) @IT Google Voiceはやっぱりすごかった
https://www.atmarkit.co.jp/news/analysis/201109/20/gvoice.html
(5) G Suite – CUSTOMER STORY https://gsuite.google.com/customers/nielsen.html
(6)Portland State University  PDXScholar
https://pdxscholar.library.pdx.edu/etm_studentprojects/1940/

▽Googleについてはこちらもチェック
Googleが開発したVR描画アプリ「Tilt Brush」で新感覚イラストレーション!
https://stg.capa.co.jp/archives/32361
GooglePixel4はなぜ自社開発?スマホ参入の目的とは
https://stg.capa.co.jp/archives/32611
GoogleがFitbitを買収?Apple Watchに対抗できるか
https://stg.capa.co.jp/archives/32642

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP