Webで使えるCADソフトの強みとは?製品事例もご紹介
CADソフトは長年建築業界で利用されているツールの一つですが、少しずつアップデートを繰り返しながら、その利便性も向上してきました。
そして最近注目を集めているのが、Webブラウザからでも利用できるCADソフトの登場です。
ソフトをPCにインストールせずとも、アカウントさえ持っていればどこからでも利用できるCADの登場は、従来の使用感とは大きく異なる使い方が期待できます。
今回はWebで使えるCADソフトの機能性や、有名なWeb CADソフトの事例について、ご紹介していきます。
目次:
①Web対応CADソフトとは
②CADのWeb対応で期待できるメリット
③Webで使える人気のCADソフト
Web対応CADソフトとは
Web対応のCADソフトは、その名の通りWebブラウザ上で動作する事ができ、ハードウェアのスペックを問わず扱う事ができます。
これまでのソフトはハードにソフトをインストールしなければなりませんでしたが、Web対応のソフトであれば、インターネット環境を用意するだけで利用が可能です。
Webブラウザから簡単操作
Webブラウザを用いて使うCADツールは、通常のソフトウェアに比べて機能性に劣り、使いにくいという印象を持たれてしまう事も多いものです。
しかし近年のWebアプリは大幅なアップデートを遂げ、通常のCADソフトと扱いやすさは変わらないレベルにまで性能が向上しています。
Webブラウザからツールを利用する事ができれば、CAD運用の可能性はますます広がります。
これまでは高額なツールを購入し、ハイスペックなPCでなければCADオペレーターになることはできないと考えられてきました。
しかしWeb活用の機会がアプリの進化で進めば、より多くの人がCAD設計を身近に利用できるようになるでしょう。
OSに依存しないパフォーマンス
Webブラウザからアプリを利用できるということは、OSにも依存せずCADを利用できるということです。
これまでCADソフトを利用する際、大きな障害となってきたのがOSとソフトの互換性です。
多くの会社ではWindowsをメインのPCとして採用しており、CADツールもWindows対応が一般的ですが、デザイン事務所などではMac PCの利用も増えてきています。
こういった環境の変化に対応し、CADソフトにもMac対応のツールは増えてきてはいるものの、いまだWindows専用という場合も散見されます。
また、WindowsとMacの両方に対応しているというソフトであっても、WindowsとMacでデータをやり取りした際、互換性のトラブルが発生する場合もあります。
こういった面倒を避ける事ができるのも、Webブラウザで動くCADアプリの特徴です。
環境面での問題を気にする事なく利用できるため、頼もしいハードとして最前線の現場でも活躍できるでしょう。
CADのWeb対応で期待できるメリット
それでは実際に、Webアプリで使えるCADツールの運用で、具体的にどのようなメリットが得られるのかを確認します。
簡素化された使用感で手軽なCAD運用も
Webブラウザで使えるCADツールは、インストール型のツールをそのまま再現というレベルにはまだ到達していませんが、基本的な機能は使用できるよう、設計されています。
例えば、オフィスで作成した図面を、打ち合わせ先の現場で修正したいとなった場合、WebのCADツールが役立ちます。
若干の手直しを加えるだけであれば、万全なCAD環境を用意するほどではないため、Webブラウザから手軽に修正対応ができます。
スマホやタブレットからのアクセスを実現
WebブラウザからCADツールを扱えるということは、PCに限らずスマホやタブレットからも利用ができるということです。パソコンで作った図面の持ち出しには、これまでは印刷をして紙で持ち歩いたり、ラップトップを持ち歩いたりして対応していたケースもありました。
しかしWebブラウザ対応CADツールであれば、制作した図面はブラウザから直接開き、タブレットなどで手軽に確認できるようになります。
スマホとはいえ、簡単な編集機能であればタッチ操作で行えてしまうのも魅力です。
低スペックでも運用可能
WebブラウザからCADツールを利用する場合、使用環境も問わないのが嬉しいところです。
通常のCADソフトは推奨利用環境が存在しており、大きなデータを扱うためには優れたGPUを搭載しているPCでなければなりません。
一方、Webで使えるCADツールは、クラウド経由でツールを利用できるので、PCのスペックにパフォーマンスは依存しません。
これまでオフィスのPCのスペックが低く、CADツールの導入が遅れていたという企業でも、気軽に利用できるツールとなっています。
テレワーク環境を整備
インターネット環境さえ整っていれば利用できるというWebのCADツールは、テレワークを促進する上でも有効です。
上述の通り、CADオペレーションには相応のスペックを持つPCと、ソフトのインストールが必要となります。
そのため、これだけ整った環境をリモートワークの現場に持ち込むことは難しく、相応の費用がかかってしまいます。
一方、WebでCADツールが使えるとなれば、このような問題も解決します。
自宅にインターネット回線を引き、ラップトップを用意するだけで作業環境が整うので、迅速にリモートワークへ移行する事も可能でしょう。
BCP対策にも
いつも使用しているオフィスが、自然災害などの影響により、立ち入る事ができなくなってしまう可能性は常にあります。
日本は地震や津波といった災害が多い国であるため、このような事態に面した場合でも、事業を継続できる環境を整備しなければなりません。
いわゆるBCP対策と呼ばれる施策ですが、WebブラウザでCADツールを利用できれば、災害時にオフィスが使えなくとも事業の継続が可能です。
Webで使える人気のCADソフト
最後に、現在注目を集めている人気のCADソフトについても、ご紹介しておきます。
webcad
Webブラウザで使えるCADツールとして最も人気なのが、webcadです。
一軒家の3D製図に特化したwebツールで、家の間取りをwebブラウザだけで簡単に3Dで構築してしまう事ができます。
制作した図面は、最短0.2秒で3Dにモデリングする事ができ、そのパフォーマンスについても文句なしのレベルです。
3Dで作った家は内部も自由に歩いてみて回る事ができ、臨場感のある体験が可能です。
VRにも対応しているため、バーチャル内見にも応用できるでしょう。
公式サイト:https://www.webcad.jp/index.html
AutoCAD Webアプリ
AutoCADは世界で最もポピュラーなCADソフトの一種ですが、その一環としてWebアプリの利用サービスも始まっています。
AutoCADならではの機能性の高さをWebブラウザでも体験でき、ソフトウェア版ほどではないものの、基本的な利用環境は整備されています。
使い慣れたAutoCADの使用感を、インターネットに接続するだけで体験できる利便性は、可能性を感じさせるサービスです。
また、オプションサービスとしてスマホやタブレットからの利用も可能なサービスも提供されており、併用でさらなる利便性を実現します。
おわりに
CADソフトは高スペックなPCでなければ利用できないとされてきましたが、今やWebブラウザからでも利用できるほど、身近な技術となりました。
通常のCADソフトと合わせて使う事で、より業務の幅を広げる事ができるでしょう。
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