AutoCAD LTは無料で使える?AutoCADとの違いについてご紹介
CADソフトの導入を考える際、やはりネックとなるのがその費用です。一般的なCADソフトの多くはサブスクリプション制を採用していますが、年間のライセンス費用は数十万円にものぼるなど、決して安くないことがわかります。
ただ、中には比較的安価に利用が可能なサービスもあります。Autodeskが提供する「AutoCAD LT」は、リーズナブルな価格でCADソフトを利用できるだけでなく、無料で一時的に使うことも可能です。
今回はAutoCAD LTのコストパフォーマンスや、その活用方法についてご紹介します。
目次:
①AutoCADとは
②AutoCAD LTとは
③AutoCAD LTは無料で利用可能?
AutoCADとは
AutoCAD LTの完全版とも言えるAutoCADは、CADソフトの中でも最もポピュラーなツールの一つです。
AutoCADの機能
AutoCADの特徴を一言で表すなら、汎用性に優れるCADソフトと言えるでしょう。
2Dと3Dの両方のCAD作成に対応しており、モデルや図面への細かな編集機能、データ読み込み機能を持っています。
また、特定分野に特化したツールセットの提供まで、CADに求められる全ての機能が備わっていると言えるでしょう。
また、CADソフト本体に付随する周辺サービスも充実しています。
WebブラウザからAutoCADの基本機能を利用できる専用Webサービスや、スマホやタブレットで利用できるモバイルアプリまで、特定の環境に左右される心配もありません。
単にCADソフトとしての機能性に優れるだけでなく、どこででも使えるCADソフトとして活躍してくれることから、これひとつであらゆるシーンに対応できるのも魅力です。
AutoCADの価格
このような汎用性を備えるAutoCADであるため、価格は決して安価であるとは言えません。
2021年1月現在、AutoCADの価格は1年間当たり18万7,000円となっており、継続的な運用には相応の費用が発生することがわかります。
1ヶ月単位でのライセンス購入も可能ですが、こちらも2万7,500円と、決して安くないことがわかります。
気軽にお試しで導入するわけにはいかないのが、AutoCAD利用のデメリットと言えるでしょう。
AutoCAD LTとは
このようなAutoCADの高い利用料金の問題を回避するため、誕生したのがAutoCAD LTです。AutoCAD LTの特徴や、AutoCADとの違いについて、確認しておきましょう。
AutoCAD LTの概要
AutoCAD LTは、端的に言えばAutoCADの廉価版です。AutoCADほどの多彩な機能は搭載していない代わりに、最低限の機能をリーズナブルな価格で利用することができます。
CADソフトは機能が豊富なことに越したことはありませんが、一人で全ての機能を満遍なく使うというのは難しいものです。
そのため搭載機能の中には持て余してしまうものも多く、機能を使わない分だけ安く利用できないものか、というニーズに応えて生まれたのがAutoCAD LTというわけです。
2DCADに特化した機能を搭載
AutoCAD LTの最大の特徴は、2DCADに特化した機能を備えている点です。
AutoCADは2Dと3Dの両方に対応していますが、図面の作成に特化し、3Dモデリングの必要がない場合は、そこまで3DCADツール機能を使うこともありません。
ここで、AutoCAD LTは活躍してくれます。3Dツールの導入の必要性はないものの、ソフトの互換性や機能性の高さからAutoDesk商品を選びたい場合には、AutoCAD LTが有効です。
これがあればAutoCADの2D機能のみをリーズナブルに使えるので、図面作成に特化した業務の場合は十分に対応できるでしょう。
AutoCAD LTは無料で利用可能?
AutoCAD LTの機能性について歩い程度理解したところで、気になるのがソフトの価格です。AutoCADよりも価格は安いとは言え、継続的に利用するとなると、一般利用ではコストが重くのしかかります。
無料は体験期間中のみ
結論から言うと、AutoCAD LTは基本的に有料で、無料なのは最初の1ヶ月間のみです。AutoCAD LTの利用にあたっては30日間の無料体験期間が用意されており、購入手続きを進めなくともフリーでその可能性を体験できます。
そのため、30日間の体験期間の間にあらかたの操作性を覚え、今後も使い続けるかどうかの判断をしなければなりません。1ヶ月ではやや物足りないかもしれませんが、できるだけのことをこの期間のうちに行っておくのをおすすめします。
AutoCADとの機能の違いについて確認しておこう
無料体験期間中にチェックしておきたいのは、AutoCADとAutoCAD LTの機能の違いについてです。2DCADツールの利用だけであればLTでも問題ありませんが、普段から無意識にAutoCADを使っていると、意外な機能がLTでは制限されていると言う可能性もあります。
無料体験期間中は、製品版と同等にAutoCAD LTを使えます。この間に使い勝手を確認し、AutoCADを購入するか、AutoCAD LTを購入するかを決めておきましょう。
学生であれば継続的な無料利用が可能
ちなみに例外的にAutoCAD LTを無料で利用する方法としては、学生向けのプランを利用する方法が挙げられます。学生、あるいは教員であることをライセンスの提示によって証明することで、1年間の無償利用が可能です。
学生期間中は、ライセンスを更新することで無償利用の継続が行えます。学生は特に懐事情がシビアな年代でもあるため、このサービスをフル活用して賄いましょう。
また、学生向けのライセンスフリーサービスは、AutoCAD LT以外にも適用可能です。
本家AutoCADはもちろん、Fusion 360やRevitまで、数々のAutodesk製品を自由に使えます。
この期間の間にAutoCADを扱うのも良いですが、せっかくなので他の製品も色々と試してみることをおすすめします。
AutoCADよりも安価なLT
また、AutoCAD LTの価格についてですが、こちら1年間のライセンス契約で5万7,970円となっています。
AutoCAD本体が20万円近い料金であったことを踏まえると、非常にリーズナブルな価格設定と言えるでしょう。
また、月額での利用料金も8,800円からと、CADソフトとしてはリーズナブルなレベルにまで割引されています。
無料期間が終わり、本格的な継続運用を考えている場合でも、この価格であれば賄うことができそうです。
おわりに
AutoCAD LTは、AutoCADの廉価版とは言え、2DCADツール機能に特化していると考えれば、AutoCADと遜色ないパフォーマンスを発揮します。
価格も本家に比べて安いのですが、最初の30日間は無償体験期間であったり、学生向けの利用は1年間無料であったりなど、お得に使うためのサービスも豊富です。
自分に合った条件を探し、積極的に活用してみましょう。
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