Appleのポッドキャストが一部有料化|無料版との違いや概要を紹介
Appleは、15年以上前からポッドキャストを提供しており、ポッドキャストサービスの老舗といえます。
そんなAppleのポッドキャストが一部有料化しました。
今回は、Appleのポッドキャストの概要や有料版と無料版の違いについて紹介します。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①Appleのポッドキャストとは
②サブスクの有料化(プレミアムポッドキャスト)の概要
③音声サービスの競争激化とAppleの立ち位置
Appleのポッドキャストとは*1
まずは、Appleのポッドキャストの概要を紹介します。
Appleが提供するポッドキャストサービス
Appleのポッドキャストは「Apple Podcast」というサービス名で提供されています。200万以上の番組を聴けるのが特徴です。
また、Apple製品のほか、Windowsなどでも再生可能です。
Windowsで使用する場合には、iTunesを利用することで再生できます。
無料で利用可能
そんなAppleポッドキャストは基本的に無料で利用できます。
一部広告が入りますが、200万以上の番組が無料で視聴可能です。
ポッドキャストの有料化の概要
ここでは、Appleが2021年4月21日に出したプレスリリースを参考に、ポッドキャストの一部有料化の概要を紹介します。
料金はクリエイターが自由に設定
出典:Apple
Apple Podcastの有料プランは、クリエイターごとに料金が変わってきます。
一律に月額料金を設定するのではなく、クリエイターが自由に価格を設定するのが特徴です。
有料プランを提供するかどうかは、クリエイターの意思によって変わります。
そのため、普段聴いているポッドキャストがある場合には、番組のページで有料プランを提供しているか確認するのがおすすめです。
たとえば、画像のように「無料エピソード」「無料トライアル」などのボタンがある場合には、ポッドキャストのサブスクができます。
広告なしで再生可能
Appleのポッドキャストで有料プランに入ると、広告なしでポッドキャストの再生が可能です。
そのため、好きな番組を広告なしで聴きたい場合には、有料プランに加入するとよいでしょう。
サブスク限定コンテンツや先取りコンテンツなどが聴ける
Apple Podcastの有料プランでは、メンバー限定のコンテンツが提供されたり、新しいエピソードを先取りして聴けます。
有料プランではクリエイターを支援できることはもちろん、視聴者としてもメリットがあるといえるでしょう。
対象は世界170以上の国と地域
Apple Podcastで一部有料化の対象となるのは、世界170以上の国や地域です。
日本も有料プランの提供が予定されています。
iOS 14.5にアップデートしておくとチャンネル機能が使える
出典:Apple
なお、ポッドキャストの有料プランに加入するためには、iPhoneではiOS 14.5以上にアップデートしておく必要があります。
アップデートをしておくことで、「チャンネル」という新たな検索方法が利用可能です。
チャンネルは、Appleによると「厳選された番組のグループ(引用元:*1)」のことを指します。
画像のようにいくつかの番組がチャンネルアートとともに表示されます。
そのため、好みの番組をより探しやすくなるといえるでしょう。
番組提供者は新しい分析機能が利用可能
出典:Apple
ここまで、視聴者の目線でポッドキャストを紹介してきました。
Appleのポッドキャストは、番組提供者に対しても新しい機能を追加しています。
たとえば、画像のような新しい分析機能の提供です。
画像を見ると、エピソードごとの視聴数を折れ線グラフで比較できるようになっています。
折れ線グラフでは、公開日からの経過日数で比較することが可能です。
そのため、エピソード公開後の初速やその後の伸びを比較し、番組作りに生かすことができるでしょう。
また、都市別の視聴者数も確認できるなど、分析機能がより進化し使いやすいようになりました。
Appleのサブスク一部有料化の理由を考察
では、なぜこのタイミングでAppleはポッドキャストの一部有料化をしたのでしょうか。
ここでは、その理由を2つに分けて考察していきます。
理由1:Appleのポッドキャストに視聴者・クリエイターを囲い込むため
理由2:他社との競争の中で利用者を増やしていく必要があるため
理由1:Appleのポッドキャストに視聴者・クリエイターを囲い込むため
1つ目の理由として、視聴者とクリエイターの囲い込みのためであると考えられます。
Appleは15年前からポッドキャストを提供している、ポッドキャストサービスの老舗のような存在です。
しかしながら、最近は競合サービスも増えてきている状況にあります。
そのため、有料プランを提供することでクリエイターを囲い込もうとしているといえるでしょう。
また、クリエイターを有料プランで囲い込むことで、視聴者もあわせて囲い込むことが可能です。
このように、クリエイター・視聴者ともにAppleのポッドキャストに囲い込みをしたいために、有料プランを提供し始めたといえるでしょう。
理由2:他社との競争の中で利用者を増やしていく必要があるため
出典:eMarketer
Appleのポッドキャストの一番のライバルは、Spotifyだといえるでしょう。
Spotifyというと音楽を聴くイメージが強いかもしれませんが、実はポッドキャストにも力をいれています。
画像は、eMarketerの調査結果です。
この調査では、アメリカ国内のSpotifyとAppleのポッドキャストの利用者を比較したものになっています。
画像を見てもわかる通り、2020年にはAppleのポッドキャストが優勢だったものの、2021年には視聴者がほぼ互角となり、2022年にはAppleがSpotifyに抜かれてしまうという予測がされています。
この調査結果からみても、視聴者の囲い込みと新規視聴者の獲得が必要になってくるでしょう。
そのため、Appleは有料プランを提供しているといえます。
◆まとめ*2
今回は、Appleのポッドキャストの一部有料化や、Appleが有料プランを提供する背景について紹介しました。
実はAppleの有料プランが発表された数日後に、Spotifyのポッドキャストでも有料プランが提供をスタートしています。
Spotifyの有料プランでは、クリエイターによりよい条件が提示されています。
それは、クリエイターが支払う手数料です。
Appleで15~30%の手数料が必要であるのと比較して、Spotifyでは手数料を課しません。
そのため、Spotifyのクリエイターは、有料サブスクで得た利益を100%自分のものにできるようになっています。
その上、Appleではクリエイターとして配信していくのに必要な有料プログラム「Apple Podcasters Program」があります。
Spotifyは、このような仕組みがないので、クリエイター視点ではSpotifyのほうがよりよいサービスであるといえるでしょう。
このように、AppleとSpotifyは、ポッドキャストのシェアを奪い合っています。
今後も競争が激化していく可能性が高いでしょう。
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◆参考URL
*1 Apple、Apple PodcastサブスクリプションでPodcast配信の次章を牽引
*2 Spotify Ushers In New Era of Podcast Monetization With New Tools for All Creators — Spotify