Google MUMとは|Googleの検索アルゴリズムを紹介
Google検索は日々の生活の中に馴染んでいる方が多いでしょう。
天気を調べたり、レシピを調べたり、商品の口コミについて調べたりなど、1日に何度も利用している方が多いのではないでしょうか。
検索の仕方は、キーワードを入力するほか、音声で話しかけたり、画像を撮影したりなど、多岐にわたります。
そんなGoogle検索は、日々アップデートがされているのはご存知でしょうか。
今回は、Googleの検索エンジンの新しいアルゴリズムである「MUM」を紹介します。
結論からいえば、「MUM」はこれまでの検索体験よりもはるかに便利なものになるといえます。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①MUMの概要
②MUMの特徴
③MUMでできること
概要からできることまで整理したので、MUMの基礎知識としてお読みいただけると幸いです。
GoogleのMUMとは*1~*5
まずは、MUMの概要を3点紹介します。
MUMはMultitask Unified Modelの略
BERTよりも1,000倍強力
記事執筆時(2021/07/26)でコロナワクチンの検索結果に導入されている
Multitask Unified Modelの略称
MUMは、Multitask Unified Modelの略称です。
Googleの新しい検索エンジンのアルゴリズムで、現在テスト段階にあります。
検索エンジンのアルゴリズムは、Google検索で何か言葉を検索した際に使われるものです。
そのため、アルゴリズムが変わると検索結果も異なるものになります。
サイト運営者はもちろんのこと、普段からGoogle検索を使う人にとっては大きな変化が訪れるといってよいでしょう。
BERTの1,000倍も強力なアルゴリズム
Googleは、MUMはBERTよりも1,000倍強力なアルゴリズムだといいます。
BERTはMUMより前に開発されたアルゴリズムで、検索されることばを文章として理解することが可能となりました。
「OK,Google」でおなじみのGoogleアシスタントがより使いやすくなったり、話すように検索ができるようになったのが特徴です。
そのBERTよりも1,000倍強力であると考えると、MUMのすごさがわかるでしょう。
なお、BERTについて詳しい情報を知りたい方は、以下の記事をお読みください。
▶︎Google BERTアップデートの内容とは?検索で変わるのはどんなこと?
すでにコロナワクチンについての検索結果に導入済
MUMは現在テスト段階にありますが、すでに一部検索結果に導入されています。
導入されているのは、コロナワクチンについての検索結果です。
Googleによると、コロナワクチンを表す言葉は、世界で800種類以上あるそうです。
たとえば、新型ウイルスワクチン・mrnaワクチン・AZD1222などの呼び方があり、それぞれの言葉をワクチン関する言葉だと認識できないと、正しい情報が提供できなくなってしまいます。
そこで、Googleはコロナワクチンの検索結果にMUMをテスト導入しました。
MUMが開発される前の場合、正しい言葉を探し検索エンジンに認識させるのには、数週間程度かかっていたそうです。
一方、MUMの場合は他言語に対応しているため、数秒で800種類以上の言葉を認識できました。
テスト段階とはいえ、MUMのすごさがわかる例だといえるでしょう。
現在コロナワクチンについて検索を行うと、画像のような結果が表示されます。
MUMを使った検索結果を見たい場合には、ぜひ試してみてください。
MUMの特徴*1~*5
続いて、MUMの特徴を3つ紹介します。
75言語の検索結果から最適なものを表示
複雑な検索内容でも適切な検索結果を表示
画像もより正確に把握し、将来的には音声・動画も認識できるように
75言語の検索結果から最適なものを表示
MUMでは、日本語以外の言語の検索結果についても同時に検索できるようになります。
たとえば、富士山を検索した場合、画像のようにさまざまな言語の中から一番最適なものが検索結果として返されるよう進化しました。
そのため、今まで日本では情報の出にくい検索キーワードも、さまざまな言語を検索することになるため、情報量が多くなるといえるでしょう。
より適切な検索結果が出やすくなります。
複雑な検索内容でも適切な検索結果を表示
MUMではBERT以上に複雑な検索内容でも適切な結果を表示することが可能です。
BERTで進化した会話形式での認識も含め、言語や画像と関連づけながら検索されることになります。
画像もより正確に把握し、将来的には音声・動画も認識できるように
MUMでは画像検索も進化します。
画像と検索キーワードの関連性を調べ、検索結果として表示するようになる予定です。
将来的には、画像だけにとどまらず、音声や動画も認識できるようになります。
そのため、MUMでは言語・画像・音声・動画を縦横無尽に検索し、最適な結果を表示することが可能になるのです。
MUMでできること*1~*5
最後に、MUMでできることを、具体例を交えながら紹介します。
会話調の検索も理解し、適切な答えを返すことが可能
BERTでも会話のように話すだけで適切な検索結果を表示することが可能でした。
MUMではさらに75以上の言語も検索対象になることは前述の通りです。
具体的には、以下のような検索が可能となります。
“I’ve hiked Mt. Admas and I now want to hike Mt. Fuji next fall, what should I do differently to prepare?” 「私は以前アダムス山に登ったことがあるんだけど、次の秋に富士山に登ってみたいと思っているんだ。以前の登山と違ってどんな準備をしたらいいのかな?」 |
このような検索に対して、複数言語を検索し、登山の時期や注意すべきことについて検索結果を返すようになります。
この例は英語による検索のため、富士山(日本語)のにかかわるサイトを検索しています。
逆に日本語で別の会話形式で検索をすると、英語やフランス語など、さまざまな言語の中から最適な結果を選んでくれるでしょう。
言葉と画像を組み合わせた検索が可能
続いては、画像と検索キーワードを組み合わせた検索方法です。
上の画像のように、登山靴を撮影しながら、「これは富士山をのぼるのに使える?」と検索すると、画像と検索キーワードを組み合わせた検索結果が表示されるようになります。
そのため、これまでの音声検索とも画像検索とも違う方法で検索が可能です。
今回紹介したMUMは、まだコロナワクチンでのみテストされています。
そのため、記事内で紹介したような検索はまだできません。
しかし、Googleから公式でアナウンスがあったため、数年以内に実装される可能性が高いでしょう。
もしMUMが普及したら、Google検索はより適切な検索結果を母語で確認できるようになるはずです。
そうなると、検索がより便利で有意義なものになるでしょう。
今後のGoogle検索の進化が楽しみです。
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*3 Search How MUM improved Google Searches for vaccine information By Pandu Nayak Jun 29, 2021
*4 最新技術 MUM で新型コロナワクチンに関する検索の精度を向上
*5 Search, explore and shop the world’s information, powered by AI AI advancements push the boundaries of