5分でわかるDevOps
近年バズワードにもなっている「DevOps」。わかったような、わからないような、もやっとしている人も多いかもしれません。このDevOpsがなぜ盛り上がっているのか、そして、DevOpsにより、組織がどう変革されるのか、みてみましょう。
DevOpsとは?
DevOps開発者であるDeveloperとシステム運用者であるOperaterをあわせた造語です。この言葉の概念生まれたのは2008年。Agile 2008 conferenceでベルギーのITコンサルタントであるPatrick Debois氏が行ったプレゼンテーションで初めて定義されました。
もともと開発者とシステム運用者は役割が分かれていませんでしたが、コンピュータの進化に伴い、専門分野が細分化されたため、インフラの運用のエンジニアと開発のエンジニアで職種が分かれるようになったのです。
しかし、職種が分かれ、部署が分かれると組織の壁で互いに反目する場面が出てくるようになります。その結果、開発してからリリースするまでの全体のパフォーマンスが落ちるようになりました。
そこで、異なる部署でも開発者と運用者がユーザーによいシステムを提供することを第一に考えて連携するDevOpsの考え方が誕生したのです。
DevOpsを加速させたもの
DevOpsが注目されるようになった背景をみてみましょう。
・インフラ構築がソフトウェアになった
Infrastructure as a Serviceが主流となり、APIやBotなどを使ってソフトウェアのデプロイを自動化するようになりました。運用担当者の仕事が開発者とシンクロするようになったのです。
・アジャイル開発が人気になった
開発からリリースまで、短期間に高頻度で繰り返し実施するアジャイル開発がブームとなったのも、DevOpsへの取り組みを後押ししました。
・デジタル企業が出現した
最近ではIT企業以外の企業がITを活用したビジネス戦略を進める時代になりました。今までベンダーにシステム構築をまかせきりだったユーザー企業がみずからITを戦略的に使いこなすようになったということです。デジタル企業のIT部門は営業部門などとの連携が必須です。そのため、DevOpsの考え方が注目されるようになりました。
DevOpsありがちな誤解
実はDevOpsの明確な定義はなく、いろいろと誤解が起きやすい状況ではあります。
・DevOps=ツール導入
DevOpsは「デプロイを自動化するツール」のイメージが強いため、ツール導入自体がDevOpsであるとみなされがちです。
・DevOps=アジャイル開発
DevOpsはアジャイル開発の中での必要なものとして語られることが多かったため、アジャイル開発そのものがDevOpsと思われがちですが、アジャイル開発のチームの在り方というところがDevOpsに関わってくる部分であって、そのものではありません。
組織はどう変わる?
部署の壁というのは開発と運用に限った話ではありません。営業とマーケティングというように部署間で連携して仕事を進めなくてはならないケースはたくさんあるのです。そのため、DevOpsの考え方はITの域を超えて注目されています。
DevOpsが組織の在り方を変えるヒントとなり今後の広がりが期待されます。