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ユーザビリティーテストを実施するときのポイントとは?

システムやアプリの「使いやすさ」を追究するのであれば、実際にユーザーに使ってもらって評価する「ユーザビリティーテスト」を実施するとよいでしょう。

システム開発者やWebデザイナーは、基本的に作る側の視点から機能やインターフェースを考えがちです。「このサービスはこうあるべきだ」というプロのこだわりがあります。

スティーブ・ジョブズがリサーチを無視して自分のビジョンを製品化したように、強烈な思いがヒット商品を生む場合もあります。しかし、ジョブズという天才だから実現したことであり、一般的にはユーザビリティーテストは必要です。

Webリサーチでは不十分

ところで、「設計の前にWebリサーチで簡単なアンケートを行ってはどうか?」と考えることがあるかもしれません。Webサイトのリニューアルなどの場合、利用者の声を聞きたい要望も多いのではないでしょうか。

しかし、このときの事前アンケートの結果をユーザビリティーテストと混同しないようにすべきです。

調査結果は製品開発の参考になり、ペルソナ(対象となる理想の人物像)の設計に役立ちます。とはいえ、定量調査は選択肢にない項目に本音が隠されていることがあります。定性的な自由回答を設けたとしても、文章を書くことは調査対象者には大きなハードルです。設問によってバイアス(偏り)がかかることも考えられます。

Webリサーチは安価かつ短期間で実施することが可能で便利です。WebサービスのUI改善を目的として利用するような場合は、A/Bテストにより2つのデザイン案の印象などを調査すると、参考資料としての有効性があります。

ユーザビリティーを測定する専門的なアンケート調査もあります。この調査では評価因子が定められ、実施するには専門の会社に依頼が必要です。

ユーザーのリクルーティングが重要

グループインタビューやデプスインタビューにも言えることですが、まず目的を整理し、適切なテスト対象者をリクルーティングすることが重要です。そして、「何をさせるのか」という具体的なタスク(課題)を整理しておきます。

当然のことですが、BtoBの業務システムとBtoCのスマートフォンのアプリでは利用者がまったく異なります。

BtoCの場合、女性向けサイトであれば女性を、シニアを対象としたサービスであればシニアをテストに召集します。モニターのデータベースを保有している企業にテスト対象者を抽出してもらうこともあります。このときは適切な条件を指示することが大切です。

エキスパート(専門家)にテストを依頼して知見を得ることもあります。ユーザビリティーを重視する開発会社では、一連のインタビューや分析を担当する専任のエンジニアをプロジェクト要員として配備しています。

最も簡単な方法は、社内のアルバイトや社員にテストをお願いすることです。社内向けのシステムの場合は実際の社員に使ってもらって、どの操作に負荷がかかるかなど調べてもよいでしょう。

テストの実施方法

ユーザビリティーテストを行う場合、対象者が集中できる場所で行うことが重要です。マジックミラーで対象者の行動を観察できるような専用の施設もありますが、社内の会議室でも可能です。

テスト中は、操作画面とユーザーの表情や指の動きなどを録画します。スマートフォンのユーザビリティーのテストでは、小型カメラを取り付けて記録します。ユーザーの応答する声も分析の鍵になることがあります。

スタッフは、記録担当とインタビュー担当の2人が必要です。インタビュー担当はテスト対象者の隣りに座り、タスクを指示します。記録担当は、ついたてなどにより隔てた場所で、テストの支障にならないように記録を行います。

インタビュー担当は、タスクの実行に合わせて質問をしますが、誘導的な質問にならないように注意することが大切です。たとえばユーザーの手が止まったとき「操作が難しかったですか?」ではなく「いま手を止めたのはなぜですか?」のように質問します。

テストの分析と評価

テスト結果の分析と評価は、記録をもとに課題点を抽出することが目的です。

設計段階で具体的ではなかった場合、分析や評価の報告書のアウトプットも曖昧になります。分析の指標を確立しておき、ある程度、数値化すると開発や改善のポイントが明確になります。

ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンス、インフォメーション・アーキテクチャなどの分野に注力している会社には、さまざまなノウハウが蓄積されています。社内でもテストは可能ですが、外部からのアドバイスは意義があります。

 

 

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