BIM普及で需要が高まる職業、BIMオペレーターとは

2021.03.29

世界的に設計は2次元のものから3次元のBIMへと変わりつつあります。日本でも大手企業を中心に導入されつつありますが、海外と比べて普及は遅れています。しかし国土交通省がi-Constructionという政策を発表したように今後日本でも普及していくことが予想されます。その影響で需要が高まると予想されるのがBIMオペレーターです。今回はBIMオペレーターとは何かご紹介します。

BIMオペレーターとは

BIMオペレーターとはBIMソフトを使用し3Dモデルを作成する職業です。現在はAutoCADやJW_CADなど2次元ソフトを利用している企業が多いため需要が低いです。しかし設計フローとして設計者が設計をし、作図自体はCADオペレーターが行う場合があります。BIMオペレーターはCADオペレーターのBIM版と言えるでしょう。現在2次元CADを扱うCADオペレーターの企業がBIMを導入した場合そのままBIMオペレーターになる場合もあるかと思います。

CADオペレーターと違う点は未経験者が多いという点です。(注1)今までは設計者もCADを使えましたが作業自体はオペレーターに任せるという状態でした。BIMを使える人材が少ない状況でBIMを扱えるBIMオペレーターは重要な存在となるでしょう。

BIMオペレーターに必要な能力

CADオペレーターと似ているBIMオペレーターですが、どんな能力が必要かまとめたいと思います。(注1)(注2)

・PCスキル
BIMソフトを使用するためパソコンの操作が必要です。ソフトの導入やライセンス関係などBIMの操作以外でも必要となる知識は多いです。CADの場合は周りに知識のある人が多いです。しかし新規でBIMを導入した企業などは自分で学んでいく必要があります。セミナーや教材の利用もおすすめです。

・ルーティンワークが苦にならない
設計の場合は周りとコミュニケーションを取り、プランを考えることが多いです。一概には言えませんが、CADオペレーターやBIMオペレーターは同じ作業の繰り返しとなる場合も多いです。デスクワークよりも動き回る仕事が好きな方にはつらいでしょう。後ほど記述しますが、いかに効率的な作業となるか自動化が注目されていますので、そういった技術に興味のある方は向いているかもしれません。

・コミュニケーション能力
デスクワークの作業とは言うものの、不明点などは責任者や設計者に確認を取る必要があります。またBIMソフトは複数人が同時に作業をすることができます。対象となる大規模建築なら尚更です。不明点は即座に質問して解決するという姿勢が必要です。

・自動化
先ほど少し記載しましたが、今後の設計では自動化のスキルが重要です。設計者としても重要ですが、モデルを作成するオペレーターとして作業をいかに効率的に行うかはさらに重視されるでしょう。RevitにはDynamoというプログラミングができない人でも使いやすいプログラミングツールがあり、BIMを最大限に活用するために習得が必要です。

・プログラミング
上記で述べた自動化などBIMを生かすためにはプログラミングスキルも重要となっていきます。Dynamoはプログラミングができない人でも扱いやすいですが、そこを入口としてさらに応用的な内容のためにプログラミングの学習も重要です。

まとめ

今回は今後活躍が期待されるBIMオペレーターについてまとめました。必要となるスキルは今までCADオペレーターにも求められていたものに加えて自動化やプログラミングスキルなど多いですが、BIM普及のために期待される職業です。世界的にBIM化が進むなか、日本の建設業界がBIM化するためには、BIMオペレーターは重要となるでしょう。