Androidアプリも使えるようになった日本未発売のPixelbookはノートPCの新しい形
米国で発売されるや多くの評論家が「新しいコンピューターの世界」と高評価を与えたのがPixelbookです。Googleが開発したノートPC、Chromebookの上位機種で、これまでのPCメーカーの概念を超えました。それは、PCから生まれたノートPCではなく、スマートフォンから生まれた画期的なノートPCなのです。
今やコンピューターと言えばスマホ
現代人にとって、もはやコンピューターと言えば、手の平にのるスマートフォンといっても過言ではありません。常に持ち歩き、文章を作ってメールし、写真撮影してインスタグラムなどのSNSで発進する。検索や目的地までのルートを探すこともできます。
若者にとって、スマホを携行していてもPCは持っていない人が多くなりました。パーソナルコンピューターの概念が大きく変わってきているのです。
Pixelbookが概念を変えた
そこでGoogleが登場させたのがPixelbookです。タブレットや高性能ノートPC並みに快適に動き、ペンやキーボードも使えるようなタブレットのような使い方も可能。これが1000ドル(10万円以上)の価格で購入できて、薄く軽くiPadより少し大きいだけ。
さらに今や膨大な数のAndroidアプリを使えるようになっているのです。意外なことに、コンピューターでinstagramを初めて使えるようになったのが、Pixelbookなのです。
先駆けはChromebook
Googleが2011年5月に発表したのが「Google Chrome OS」を搭載するノートPC、Chromebookでした。Chromeブラウザだけが動くノートPCです。スイッチを入れてから起動するまでの時間はわずか6~15秒と短いのは、PC内のハードディスクは16GBや32GBと小さいからです。
それは、ダウンロードやUSBフラッシュメモリから移したファイルは基本的にクラウドであるGoogleドライブに移動させ、写真や動画などはGoogleフォトに保存することができるからです。Chromebookを購入すれば、100GBが2年間無償で利用できるサービスがついています。
こうすることで、Chromebookが盗まれたり、壊されたりしても、新しいPCでGoogleドライブにアクセスすれば、すべてデータが復元できるのです。
Chromebookは日本でも購入可能
Chromebookはアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランドなど11か国で販売されています。日本でも2014年11月から法人ユーザーと教育関係機関向けに発売が開始され、個人向けも2014年11月より発売されました。
ちょうどWindows7のサポートが切れたのをきっかけに、大手企業がChromebookを導入しています。このChromebookのハイスペック版がPixelbookなのです。
Pixelbook当初の課題も徐々に解消
まさに画期的な発想で生まれたPixelbookですが、まだ課題もあります。AndroidアプリがノートPCで使えるのも大きな特徴ですが、アプリを起動させるとディスプレイに対して10%程度の大きさでしかありません。
その小さな画面でアプリを動かすことはできますが、大きく表示しようとするとアプリが対応していないため、フリーズしてしまいます。また、バックグラウンドで多数のアプリが動いていると、バッテリーの持続時間が短くなることが分かっています。
Googleは現在、多くのAndroidアプリメーカーと折衝し、これらの課題を解消してきています。特に、アプリ画面が小さく表示される問題はすでに解消しており、画面の表示も単に大きくした、だけではなくPixelbook向けアプリとしての表現が完成しています。
ハイスペックのハードウェア
Pixelbookはインテルの第7世代プロセッサー、Kaby Lakeを搭載。メモリーは8GBか16GBで容量も128GBあります。厚さは約1㎝で、重さは1㎏と軽量。デザインはシルバーとホワイトのツートンカラーで、グレーのキーボードと相まって、センスを感じさせます。
ChromeOSを動かしているので、静かで熱も持たないので、プロセッサーの冷却機構がいらないほどです。
ディスプレイを回転させると、タブレットとして使えます。まさに、モバイル世代のニーズにあったのがPixelbookなのです。
パソコンメーカーではなく、ネット上で巨大企業となったGoogleしかできなかった発想がPixelbookと言えるでしょう。まだ、課題が多少ありますが今後秀逸なスマホの発展型ノートPCとなるのが期待されます。そのライバルはAppleのiPad Proになりそうです。GoogleとAppleという巨大企業同士が未来のパーソナルコンピューターのあり方の綱引きを演じているのです。
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