ベゼルとは?ノッチとは?ベゼルレスのフルスクリーンスマホを比較
スマートフォンメーカー各社が新機種を発表しています。最新機種のデザインのカギを握るキーワードが「ベゼルレス」です。ベゼルレスにより、スマートフォン前面面積の大部分をスクリーンが占めるようになりました。
スマートフォンは、本体をいかに小さく軽くできるかという携帯性と、画面をいかに大きく綺麗にできるかという見やすさの両面を追究してきました。その進化の方向性として、一つの答えが「ベゼルレス」なのです。
ベゼルレスとは?
「ベゼル」とは、スマートフォンの枠を意味します。スマートフォンの骨格的な役割を果たし、液晶画面を保護しています。ベゼルの面積を少なくすることにより、画面の迫力が増し、より没入感を感じます。さらに利便性も向上し、見た目も良くなります。
スマートフォンは後側だけでなく、画面側にもスピーカーやカメラ、光センサー等の機能が必要です。これらを搭載するため、ディスプレイを大きくできず、スマートフォンメーカー各社は頭を悩ませてきました。そこで、一部スマートフォンメーカーはディスプレイに「ノッチ」と呼ばれる、画面への切れ込み部分を作りました。
ノッチをできるだけ小さくし、ベゼルを目立たないようにする、スマートフォンのデザインを「ベゼルレス」と呼びます。画面に切り込みを入れる、カメラを別の場所に移動させる、画面を湾曲させるなど、スマートフォンメーカーは様々な方法でベゼルレスを実現しています。メーカー各社最新のベゼルレススマートフォンを紹介し、その特徴を比較します。
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Apple
Appleは9月と10月に最新機種の「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」を販売しました。この中で、一番画面が大きく綺麗なのは「iPhone XS Max」です。今回はベゼルレスデザインの特集ということで、この「iPhone XS Max」に注目してみます。
「iPhone XS Max」
ディスプレイ:6.5インチ
ピクセル:2,688 x 1,242
解像度:458ppi
重量:208g
カメラ画素数:1,200万 x 2
端末価格:124,800円(64GB)
スマートフォンのデザインスタイルを牽引してきたAppleは、「iPhone XS Max」で正当進化というべき大きなディスプレイを搭載しました。「iPhone X」で行われたホームボタンの廃止を継続し、全面的にディスプレイが広がっています。カメラ、レシーバー、センサー等を搭載する場所には、画面に切れ込みが入る「ノッチ」を採用したデザインとなりました。
大きく綺麗な画面で、さらに没入感が増したデザインは、さすがAppleといった感じです。しかし、問題はスマートフォンの価格にあります。データ容量が一番小さい64GBでも12万4800円、一番大きな512GBでは16万4800円と、他スマートフォンメーカーに比べ、格段に高い値段です。
日本発売が10月26日の「iPhone XR」は、ディスプレイにLCDが採用されるなど画面のスペックを落としています。その分、価格は64GBで84,800円と比較的安くなっています。カラーバリエーションが豊富で性能も高いので、非常に人気が出ることが予想されます。ベゼルレスの行方を占う上でも、「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」のどれが一番売れるか注目です。
Samsung
スマートフォンに搭載するOSで、AppleのiOSに対抗するのが、GoogleのAndroidです。中でもSamsungは、世界のスマートフォン出荷台数で長年首位を維持しており、注目すべき存在と言えるでしょう。今回は、Samsungの「Galaxyシリーズ」最新作である「Galaxy Note9」を見ていきます。
「Galaxy Note9」
ディスプレイ:6.4インチ
ピクセル:2,960 x 1,440
解像度:514ppi
重量:201g
カメラ画素数:1,200万 x 2
端末価格:約11万円(128GB)
画面上部のカメラ、レシーバー、センサー等を搭載する場所は切れ込みがなく、ノッチの存在を否定するデザインです。代わりに、本体サイドを湾曲させ画面を大きくしており、より没入感を感じる工夫がされています。曲面ディスプレイの採用は、好みが分かれるところですが、慣れると本体サイドでスワイプしやすいなどのメリットがあります。
「Galaxy Noteシリーズ」の特徴は何といっても、「Sペン」と呼ばれるスタイラスペンが付属していることでしょう。Galaxy Noteを一時期使用していたのですが、この内蔵ペンは思った以上に便利です。しかも、「Galaxy Note9」からはBluetooth対応となり、カメラのシャッターや動画の再生停止といった、リモコン的な使い方も可能となりました。
個人的に「Galaxy Note9」の真骨頂はSペンにあると思っています。内蔵ペンが気に入っている方は、それだけで購入理由となり得ます。Androidを牽引する機種として、大いに注目される存在です。
HUAWEI
日本では存在感が薄いHUAWEIですが、世界では急速に販売台数を伸ばしています。2018年第2四半期のスマートフォンシェアでは、15.8%に達し、Appleを抜いて2位となりました。そんなHUAWEIの最新モデルが「HUAWEI Mate 20 Pro」です。日本での発売は未定ですが、海外では既に販売されています。
「HUAWEI Mate 20 Pro」
ディスプレイ:6.39インチ
ピクセル:3,120 x 1,440
解像度:538ppi
重量:189g
カメラ画素数:4,000万、2,000万、800万
端末価格:約13万6000円(128GB)
画面上部のカメラ、レシーバー、センサー等を搭載する場所には切れ込みを入れたノッチのデザインを採用しています。さらに、サイドを湾曲させ、画面の大きさと携帯性を両立しました。AppleとSamsung、両方の特徴を取り入れたような画面デザインです。
「HUAWEI Mateシリーズ」の特徴は何といってもカメラにあります。ライカと共同開発したトリプルカメラを搭載し、ズーム、超広角、マクロなど様々な撮影方法に対応しています。最高画素数は4,000万を誇り、スマートフォンとしては、最高のカメラと言えるでしょう。
また「HUAWEI SuperCharge」と呼ばれる40Wの高速充電に対応し、30分で70%を充電できます。バッテリーも4200mAhと大容量で、長時間の使用が可能です。本体はワイヤレス充電器としても利用でき、他のスマートフォン、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホン等に給電できるのも面白い特徴です。
Xiaomi
中国のスマートフォンメーカーが急速に業績を伸ばしています。HUAWEI、OPPO、Vivo、Xiaomiなどが躍進し、中国のみならずヨーロッパや新興国で存在感を増しています。今回は10月25日に発表されたXiaomiの最新機種「Mi Mix 3」に注目してみたいと思います。
「Mi Mix 3」
ディスプレイ:6.39インチ
ピクセル:2,340 x 1,080
解像度:403ppi
重量:218g
カメラ画素数:1,200万 x 2
端末価格:約5万4000円(128GB)
「Mi Mix 3」最大の特徴は、ネオジウム磁石を内蔵したスライド機構が採用された点です。カメラ、レシーバー、センサー等の機能は、本体をスライドすると現れる仕組みになっています。これにより、前面の画面占有率は93.4%となり、ほとんど完全とも言えるベゼルレスを実現しています。
また中国での販売価格は、メモリ6GB、データ容量128GBのモデルが約5万4000円と非常に安くなっています。他メーカー最新機種の半額近い値段で、高い性能を実現しています。安価で最新スペックのスマートフォンを手に入れたい人々にとっては、非常に魅力的な機種です。
日本での販売予定は未定で、サポート面において不安が残ります。ただ、日本のキャリアも徐々に中国製スマートフォンの販売を増やしています。世界市場で存在感を増す中国スマートフォンメーカーが、近い将来日本でも攻勢をしかけると予想されます。
まとめ
スマートフォン最新機種の大本命ともいうべき、Appleの「iPhone XS」「iPhone XS Max」「iPhone XR」が発売されました。ベゼルレスを重視する傾向は変わらず、フルスクリーンの画面を搭載した美しいデザインの機種となっています。
対するAndroidスマートフォンメーカーは、Sペンを内蔵した「Galaxy Note9」、Leicaのトリプルカメラを搭載した「HUAWEI Mate 20 Pro」、フルスペックで価格が安い「Mi Mix 3」など様々な特徴で対抗しています。
2019年には「フォルダブル」と呼ばれる折り畳み式のスマートフォンが発売されると予想されています。革新的な画面デザインで「ベゼルレス」を超える新たなスタンダードになる可能性があります。ますます進化するスマートフォンのスクリーンに、目が離せません。
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