米国でスタートした「Facebook News」で何ができる?
この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
①Facebook Newsとは?
②Facebook Newsを使うメリット
③Facebook Newsの懸念事項
世界中で月間24億5千万人ものアクティブユーザーがいるFacebook。(2019年9月末時点, *1)日本でのユーザーも多く、SNSを語る上では欠かせない存在です。友人の近況を知るために使ったり、自分の近況を知らせるために便利なツールとして広く普及しています。
さまざまな機能を追加しながら日々変化し、多くのユーザーを獲得してきたFacebookですが、2019年10月に「Facebook News」という機能をアメリカでリリースしました。現時点ではアメリカ20万ユーザーのみが対象となっています。
2019年11月末時点で、他の国でのリリース予定はまだ発表されていないこの機能。一体どんなことができるようになるのでしょうか?Facebook Newsの具体的な機能と利用するメリット、また懸念されていることなどをまとめてお伝えします。
Facebook Newsはアメリカでテスト導入された新機能
Facebook Newsは、Facebook内のジャーナリストが専門チームを組んでニュース記事を集め、それらを各ユーザーのFacebook上に表示させるという新機能です。導入されると専用のタブが現れ、友達の投稿などとは別にニュースを閲覧することができるようになります。基本的には無料で利用できる機能ですが、一部のニュースにおいては有料の場合もあります。
Facebookは2019年のはじめ、アメリカ国内の10万ユーザーを対象に「どんなトピックスにもっとも興味があるか」という調査を行なっています。その結果、エンターテインメント、健康、ビジネス、スポーツといったカテゴリのニュースの必要性が判明したとのことです。そのため、Facebook Newsではそれらのニュースをカテゴリ別に閲覧できる機能をつけています。
Facebookの公式サイトでは、実際に使っている様子のデモ映像を見ることができます。カテゴリ別のニュースをチェックしたり、不要な記事を非表示にしている様子がわかります。Facebook Newsの主な特徴は、以下の通りです。(*2)
①今日のストーリー機能
ジャーナリストチームがピックアップしたその日のニュースを見ることができるので、ニュースを見る時間がなかった日でも、一日の話題に追いつくことができます。
②カスタマイズ機能
ニュースの閲覧履歴に基づいたニュースが流れるので、ユーザーにとって興味のありそうなことや新しいトピックスを発見できます。
③カテゴリ別ニュース機能
ビジネスやエンターテインメント、健康、スポーツ、科学など、カテゴリ別のニュースがまとめてあるため、それぞれの分野のニュースを深掘りできます。普段見ないようなニュースをチェックするときにも便利です。
④定期購読機能
ユーザーがFacebookアカウントで個別に定期購読しているニュースだけをチェックできるセクションが用意されています。他のニュースと分けて読むことができるのが便利な点です。
⑤管理機能
もし見たくない記事やトピックス、配信元などがあれば、それらを非表示にするという管理機能もついています。
AIではなく人が選ぶことでニュースの質を担保
このようにニュースを自動で流す機能と聞くと、AI(人工知能)が使われるイメージがあるかもしれません。しかしFacebook Newsでは、AIではなく実際に専任の人が記事を選別して流す仕組みとなっています。
これは、AIの機械学習に対して懐疑的で「質の高いニュース配信ができるのか?」と懸念している人々やニュース配信元に対する配慮のようです。Facebookはもともとフェイクニュースやデマを排除する取り組みを行なっていますので、今回の機能追加にあたっても慎重な姿勢を取っています。
そのため、Facebook Newsで配信されるニュースも、既存のガイドラインに従って第三者によるファクトチェックが行われ、虚偽のコンテンツやヘイトスピーチなど不適切であると評価されたものは配信することできないなど、質の担保に力を入れています。(*3)
一方で、ユーザーの閲覧履歴に基づいて記事をピックアップするカスタマイズ機能には、機械によるアルゴリズムが利用されます。Facebookとしては、機械と人による情報選別の両立させ、より良いサービスを提供したい考えがあるようです。
どこまで拡大するのか?Facebook Newsの今後
アメリカの20万人を対象にリリースされたFacebook Newsは、今後の展開が気になるところです。提携しているニュース配信元も、ABC NewsやThe New York Times、The Wall Street Journal、BuzzFeed、The Washington Postなど、アメリカの媒体が中心となっています。(*4)
ローカルニュースの配信も行なっていきたいとしているFacebookは、手始めにニューヨークやロサンゼルス、シカゴ、ダラス、フィラデルフィア、ヒューストン、ワシントンD.C.、マイアミ、アトランタ、ボストンといった大都市圏でローカルニュースのテスト配信を始めていくとのことです。
一部の配信元にはFacebookからの契約料の支払いがあるようですが、編集チームが記事を選別していることもあり、資金的な面でどこまで継続可能なのかが懸念されます。また、ニュース記事を各国・各地域ごとに配信する必要がありますので、2019年11月末時点で他のエリアへのリリース日時が発表されてないこともあり、どの国まで提供されることになるのかという点で不安が残ります。
まとめ
アメリカで提供が始まった「Facebook News」は、テスト導入とはいえ、ストーリー機能やカテゴリ別表示機能など、さまざまな工夫をこらしてリリースされたFacebookのニュース配信機能です。
ユーザーの閲覧履歴からニュースをカスタマイズする機能もありますが、基本的にはジャーナリストがチームを組んでニュースを届けるという、信頼性に重点を置いた仕組みになっており、配信されるニュースの質の向上が見込まれます。
ニュース配信元の提携先を増やしたりリリース地域を広げたりと、今後規模を拡大していくであろうFacebook News機能。日々のニュースを手軽にチェックしたい人にとって便利な機能になることでしょう。まだ日本での提供予定はありませんが、これからの展開に期待したいところです。
参考資料
*1 https://investor.fb.com/investor-news/press-release-details/2019/Facebook-Reports-Third-Quarter-2019-Results/default.aspx
*2 https://about.fb.com/news/2019/10/introducing-facebook-news/
*3 https://www.facebook.com/help/publisher/182222309230722
*4 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191028-00000029-zdn_n-sci
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