Googleはなぜ売れないスマートフォンを売り続けるのか
Google社がNexus5Xと6Pの端末の発売を開始しました。これはGoogle社独自の端末であり、最新のAndroidであるmarshmallow(マシュマロ)が搭載されているとのこと。
コストパフォーマンスも高く、価格もそれ相応です。製造元は中国のメーカーであるファーウェイ、近年ではかなりチカラをつけてきており、2010年時点で売上高は2兆円を超え、2014年時点で家庭用ゲーム機への参入も宣言しています。
さて、そんなNexus端末ですが、「売れているのか?」というと、恐らく大して売れていません。ライバル(?)のAppleが販売するiPhoneと比較をすれば、ゴミのようなものでしょう。
しかも、Android端末が他にないのか、といえばむしろAndroid端末は全スマートフォンの8割を占め、圧倒的にiPhoneよりも多数の端末に入っています。
単純に考えれば、Googleにはわざわざ自社からスマートフォンの端末を販売する理由はないように見えます。ではなぜ、Googleは自社からわざわざ端末を販売するのでしょう。これにはいくつかの理由が考えられます。
1.新Androidの実験として
常にNexusには最新のOSが入ります。Geekやイノベーターは、そのようなものを絶対に試したい、という方々ですから、わざわざGoogleの端末を使うのであれば、かなり使い込んでくれるでしょう。
そう言った方々からのレビューや、評価を集めることはGoogleにとって他社のスマートフォンに最新のAndroidOSを搭載する前の良いテストマーケティングになるわけです。
事実、こちらの記事では、「開発者向けのアプリ開発プラットフォームとして」と、エンジニアリング担当の副社長が述べています。
NexusデバイスはOSの開発向けの端末の位置づけ。他メーカーと競合してシェアを奪うつもりはない-Androidエンジニアリング担当副社長のHiroshi Lockheimer氏が語る
2.端末メーカーを通じて、その国の市場を知るため
今回、わざわざセキュリティに不安のある中国メーカーにNexusの製造を依頼した理由として、「中国市場におけるGoogleの商売を再起動したい」との狙いがあるとウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。
少ないと言っても、月に100万台というペースで出荷される端末の製造を請け負うことは、非常に大きなメリットがあります。Googleの狙いは、端末のメーカー、少なくない影響力を持つメーカーと通じることです。
3.Googleは、単体で利益を出すことにこだわらない
Googleは、その商売単体だけで利益を出すことにこだわりません。Youtubeにように、最初は赤字を垂れ流すということを躊躇せず、新しい使い方を模索します。
そのような意味では安定した広告という中核事業があるため、端末が利益をだす必要はない、逆に言えば、スマートフォンの壮大な実験場として使うこともできます。
これは失敗できないAppleに比べると、新規事業の試行という意味では大きなアドバンテージを得られるでしょう。
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