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ビットコインが貨幣に。新たな展開を見せる最近の仮想通貨の動向

ビットコインは、インターネット上で売買取引をするのに用いられる仮想通貨として広く知られています。日本でビットコインが知られるようになったのは、2014年に世界最大とも言われたビットコイン取引所のMt. Goxが経営破たんした事件がきっかけだったでしょう。この事件がもとでビットコインは裏の側面ばかりが取り沙汰され、あまりよいイメージがありませんでした。しかし最近になって、ビットコインに代表される仮想通貨は貨幣としての法整備が整い、新たな局面を迎えようとしています。

ビットコインは脚光を浴びるもMt. Goxの経営破たんでイメージダウン

ビットコインは、インターネット上で商品の売買取引などに利用できる仮想通貨のひとつです。利用するにはビットコインを扱っている取引所に口座開設をして、現金をビットコインに両替します。硬貨や紙幣と異なり、ビットコインはデジタルデータとして扱われるので、独自の硬貨や紙幣は存在しません。取引はスマートフォンやパソコンを介してデータを授受するのが一般的です。

日本でビットコインが注目されるようになったのは2014年。ビットコインの取引所を営むMt. Gox社がサイバー攻撃を受け、顧客から預かった114億円分のビットコインがすべて消失し、経営破たんするという前代未聞の事件がきっかけでした。報道では、ビットコインは一般通貨と同じ扱いをされないリスクの高い「モノ」であることや、麻薬取引の通貨として使われている実態など、ビットコインが持つ負の側面が大きく取りあげられました。それに加えて、Mt. Goxの経営者がシステムを不正に操作して、口座データを書き換えていたことも明るみになりました。経営者はその後、私電磁気録不正作出・同供用の容疑で逮捕されています。

結局、ビットコインは新しい通貨の形態として画期的な要素をもっているものの。悪いイメージが植え付けられてしまったのです。

仮想通貨を貨幣と認める改正法案の成立が転換点に

Mt. Goxの経営破たん後も、ビットコインは日本で衰退することなく流通していました。しかし、自己責任がともなう危険性の高いモノのまま利用されていました、今後は、仮想通貨の健全な流通と利用者の資産保護の必要性が高まってきました。

こうした状況から、金融庁は仮想通貨を貨幣と認定するための法整備に乗り出しました。2016年5月、仮想通貨を法定通貨と交換できる財産的価値のあるものとみなし、取引所を登録制にすることを盛り込んだ資金決済法などの改正案が参議院で可決・成立しました。

Mt. Goxの事件から4年の歳月を経て、ビットコインをはじめとする仮想通貨は、日本円と同じお金と同じ値打ちをもった財産の仲間入りを果たしたのです。

金融業界がビットコイン参入や独自の仮想通貨発行に着手

仮想通貨をめぐる法改正にあわせ、金融業界も新規事業としてビットコインへの参入や、独自の仮想通貨発行を打ち立てようとしています。

2016年7月に、三菱UFJフィナンシャルグループは、ビットコインなど仮想通貨の管理や決済サービスを手がけているコインベース社に出資すると発表しました。これにより、同グループはビットコイン参入の第一歩を踏み出すとともに、コインベース社は11億円の資金を受けるとのことです。

また、三菱東京UFJ銀行は独自の仮想通貨として「MUFGコイン」の準備を進めています。2017年秋の発行を目指し、行内通貨として実証実験をしているとのことです。実現すれば大手行では世界初の一般向け仮想通貨の発行となります。

同行はさらに、日立製作所と共同で新たな金融システムの開発も進めています。狙いは、仮想通貨技術を用いた電子小切手の決済で、2018年には実現したいとしています。

金融業界はマイナス金利の影響で業績が伸び悩んでいます。打開策として着目しているのが、IT技術を利用した新しい禁輸サービスであるフィンテックです。将来、ビットコインを含む仮想通貨がフィンテックの一環として大きな役割を担うことも考えられるでしょう。これまで日本では悪いイメージが強かったビットコインも、今後は健全かつよいイメージをもって金融の表舞台に姿を見せるかもしれません。

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