バックオフィス業務アプリケーションのクラウド化が止まらない
会社において、人事、経理、法務といった部門は企業の活動が大きくなるにつれて情報の管理や入力などの手間のかかる作業がどうしても増えてきます。
これらの、バックオフィスと呼ばれる業務は、営業活動と違って利益を生まない活動のため、間接費と呼ばれ、企業にとっては、削減したいけどおろそかにできない重要な活動となってしまっています。
また、起業したての経営者にとってバックオフィス業務はある程度、会社の規模が大
きくなるまでは、経営者自身で行わなければならないことも多くあるのが現状です。
主なバックオフィス業務のクラウドサービス
もし、バックオフィス業務をなくすことができれば、その分を利益を生む活動に費やすことができるので、企業の生産性はあがります。
そんな要望から、バックオフィス業務のクラウド化が進んでいます。
では、おもなバックオフィス業務のクラウドサービスを見ていきます
freee(フリー)、MFクラウドなど全自動会計くらうど
会計処理は、企業を運営していく上で欠かせない業務のひとつです。
しかし、会計処理を行うために、専用ソフトを購入する必要や、入力に簿記の知識が問われるなど、それなりにハードルが高いものでした。
freeeやMFクラウドなどの会計クラウドサービスは、オンラインバンクやクレジットカードやPaypalのデータを取り込んで、仕訳処理を行う連携が強力で、企業の入金出金がこれらのオンラインサービスで完結するものが多いのであれば、入力の手間や仕分け知識なしで会計処理が完了できてしまいます。
勤怠管理システムは、百花繚乱
企業が大きくなり、人を雇うようになると困るもののひとつが勤怠管理です。
勤怠管理をなんとなくやっていると、賃金の支払いを正しく行うことができなくなる恐れがあります。
そこで、それを解決するクラウドサービスがあるわけですが、このサービスは多くの場合、一人当たり月額200円から300円でシステムを利用することが可能です。これらのサービスのなかには、勤怠の打刻機能に加えて勤怠連絡用のSNSが利用できたり、シフトの管理を行う、従業員のタイムマネジメントを行う機能がついたサービスまであります。
勤怠管理に関しては、本当にたくさんのサービスがリリースされているので、どれを使うか悩むほどです。
労務管理、給与計算もクラウドサービスで
従業員を雇う際に面倒なのが、勤怠管理に加えて労務管理です。
従業員の入社、退社における社会保険の手続きは面倒な書類作成が必要であったり、役所に出向く必要がありました。
そんな手間も、SmartHRというクラウドサービスで解決することが可能です。
面倒な書類作成が自動化できるだけでなく、役所に行かなくても手続きまでオンラインで自動で行ってしまいます。
同じように、給与計算も多くのクラウドサービスが利用可能です。
例えば、フリーウェイ給与計算なら5名までの給与計算は無料となっていますので、スタートアップからしばらくは無料で利用することができそうです。
起業向け、オールインワンサービス
BizerやGozalといったサービスは、バックオフィスの特定の業務ではなく、会社の設立から運用までのほとんどすべてについてクラウドサービスに任せてしまおうというコンセプトのサービスです。
行政機関に提出する書類の自動作成や、行政書士、弁理士、司法書士などの専門家にオンラインで相談でき、タスク管理まで行ってくれます。
面倒な手続き業務はクラウドサービスに任せて、営業活動に専念できるのは起業家にとってとても強力な助けになるのではないでしょうか。
バックオフィス業務クラウドサービス利用の注意点
これらのバックオフィス業務に関するクラウドサービスを利用すれば、かなりの手間と労力を省くことができるはずです。
しかし、注意しなければならない点があります。
それはクラウドサービスに預けたデータの問題です。一見、便利で安価なサービスでも、クラウドサービス側の障害でデータが喪失してしまうことも十分考えられます。
また、企業から集めたデータが2次利用され、なんらかのプロモーション活動に使われたり、人事系サービスの場合には従業員の個人情報の情報漏洩ということも考えられます。
バックオフィス業務のクラウドサービスを利用するときには、サービスの運営業者がしっかりしているかどうかよく確認する必要がありそうです。とにかくたくさんのサービスがありますので、よく試して最適なサービスを見つけましょう。