AppleとFacebookのCEOがもめた!会社と人となりを比較
AppleのCEOティムクック氏とFacebookのCEOがお互いの企業活動についてお互いを批判し合う舌戦を繰り広げたというニュースが流れました。
もちろん、面と向かって口論したわけではなくお互いにメディアを通して相手の企業について辛辣な意見を言い合ったというのが実際ですが、直接の競争相手でもないAppleとFacebookがお互いを批判しあったのはどういうことなのでしょうか。
発端はFacebookの個人情報流出問題
「世界で最も重大なデータ漏えいに関する事件のひとつ」と称されるFacebookの個人情報漏洩問題が、この一件の始まりです。
この事件についておさらいすると、イギリスの選挙コンサルタント企業がFacbookに公開した占いのアプリを通じて取得した8700万人の個人情報を不正に利用していたことをコンサルタント企業の元従業員が告発したことによって明るみに晒されました。
Facebook社は、このコンサルタント企業に対してアプリと取得した個人情報の削除を求めましたが、コンサルタント企業が不正に得た個人情報をきちんと削除したかどうかの確認が曖昧であったことに対して批判が集まっています。
ティムクックの発言とAppleの姿勢
この事件に関して、アメリカのニュース専門チャンネルMSNBCのインタビュー内でティムクックが発言した内容が、Facebookを批判していると話題になりました。
「一番良い規制の方法と考えるのは、自分たちのルールによる自主規制だと思います。が、今回の問題については、他(政府)からの規制を受けることも仕方ないかもしれない」
「もし、顧客の情報を商品として扱っていたらならAppleは大儲けできるでしょう。しかし、我々はそれをすることを選択しない」
というように、Facebookを遠回しに批判しているとも聞こえる発言をしています。
実際にAppleはFBI(中央連邦捜査局)からiPhoneのロックを解除するように依頼されても断ったことは有名ですし、iOS11.3からは個人情報を使用する可能性がある場合にそれをお知らせする機能などが追加されています。
Facebookのザッカーバーグの反論
それに対してFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏がティム・クック氏の発言に対して反論しました。
「無料でサービスを提供している会社がユーザーのことを大切に思っていないという意見は、浅はかで全く真実に即していない」
「世界中の人を結びつけるサービスをつくろうとすれば、現実には対価を払えない人もたくさん出てくる。そうである以上、広告に支えられたモデルが唯一の合理的なモデルだ」
また、「サービスの価格を上げることに熱心な企業が、ユーザーをより大切にしていると納得させられるようなことは馬鹿げた意見だ」とも発言しています。
この争いには勝者はいない
今回のFacebookの個人情報流出の問題に関しては、あきらかにFacebook側に問題があったことは否定できない事実です。
しかし、そこから派生したCEO二人による舌戦はお互いのビジネスを否定し合うというあまり美しくないものだったと言えるでしょう。
製品を売ることで利益を得ているAppleと、無料でサービスを提供して広告で事業を運営しているFacebookとでは個人情報の取り扱い方は大きく変わるでしょう。
2社の二人の代表の意見はそれぞれにもっともだと思います。しかし、この二人の意見はどこまでいっても平行線を辿る運命にありそうです。
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