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Unreal engineをビジネス利用して成功した事例4つ

Unreal Engineはゲームエンジンとしてゲーム開発の用途で生み出されましたが、ゲーム以外のビジネス用途でも広く利用されています。どのような事例があるのかご紹介します。

この記事でわかること
・Unreal Engineをゲーム以外でも活用するメリット
・ビジネス用途での使用例

Unreal Engineをゲーム以外でも活用するメリット

Unreal Engineは特に映像表現の分野で活用することに大きなメリットがあります。ゲームならではの特色が開発の負担を軽減するのです。

レンダリング時間の短縮と作業の反復性を高める

ゲーム以外の分野の映像制作の課題として、レンダリングにかかる膨大な時間があります。さらに制作は作業を順番に重ねていく、一方通行ともいえる方法で進んでいきます。

このやり方だと一回作ったものを修正する際に、前に遡ることが非常に困難です。重ねたものを剥がしていかないといけません。コストも時間もかかります。

コストも時間もかかるということは修正する機会が少なくなるということです。さらに、レンダリングにかかる膨大な時間によって試行錯誤の回数も減ります。修正したものをすぐに確認できそこからすぐに修正がかけられれば内容にこだわることもできますが、従来の方法では作業以外の時間がかかりすぎるためクオリティは二の次になりがちでした。*1

Unreal Engineを使用することでこの問題を解決することができます。

ゲームのインタラクティブ性を生かした開発が可能

ゲームはプレーヤーの入力に瞬時に反応し映像や音声を表現しなければなりません。また、一つの入力に対して様々なバリエーションの反応を用意することも必要です。ゲームの反応を見てプレーヤーがまた入力を行い、熱中度を高めていきます。プレーヤーからゲーム、ゲームからプレーヤーというインタラクティブな性質があるのです。*2

ゲーム以外の従来の映像表現だとインタラクティブ性はそれほど重視されてきませんでした。しかし、映像表現の進化や他デバイスへの対応が進み、リアルタイム入力に対応する必要性が増しています。

例えばVR映像の中で走らせるバーチャルな車は、日差しに対してリアルな反射を求められます。様々な環境下で走らせるバーチャルカーが常にリアリティのある反射をするためには、ゲームエンジンの持つインタラクティブ性は有効なのです。*3

ビジネス用途での使用例

Unreal Engineは実際にどのような開発現場で活用されているのでしょうか。ビジネス用途での使用例を見ていきます。

車のショールームに使用

Unreal Engineで制作した車の映像をショールームで展示します。Audiではバーチャルショールームとして、あたかも実際に目の前にあるかのような新車の映像を顧客が、あらゆる角度から確認することができます。

このリアルな映像を作るにあたっては光の反射が非常に重要な要素でしたが、Unreal Engineのテクノロジーによって高品質な反射の質感を表現することに成功しました。さらにこれまでは製品データに変更があり都度新たに光と反射の表現をやり直す必要がありましたが、Unreal Engineを活用することでそのフローは必要なくなりました。Unreal Engineのインタラクティブな特徴が生かされたと言えます。*4

自動走行車の開発に使用

無人で運行が可能な自動走行車の開発にもUnreal Engineが活用されています。もともとは実在する自動走行車を物理的なコースで走らせる方法でテストが行われていましたが、現在ではUnreal Engineを活用しバーチャルなコースで試走を繰り返す方が、効率的で安全であることがわかっています。

自動走行車はAIで学び、距離や環境に対して精度の高い動作が可能になります。Unreal Engineで膨大なバーチャルテストを行うことで蓄積できる学習量は激増します。

さらに、Unreal Engineでは現実の道路と同じ環境を再現することが可能です。季節天候によって生じる様々な変化にどう対応するかも学ぶことができます。現実の道路ではいつでも自由にテストするというわけにはいきません。*5

映画で背景を合成しながら俳優が演じる

映画製作の現場でもUnreal Engineは活用されています。CGやVRジャンルはもちろんですが、従来の実際俳優が演じる映像表現にもUnreal Engineはソリューションを提供します。

カメラ内VFXの機能を活用すると俳優が演じる背景をリアルタイムで別背景に差し替えて、演技を確認することが可能です。実際は俳優はグリーンのボードの前で演技をしているのに、カメラを通してみると夕日の丘で演技をしている、というわけです。

この技術によって俳優が必ずしも背景の現場に実際に行かなくても良くなり、コストの削減が可能になります。また、リアルタイムで演技と背景の組み合わせを確認できることにより、これまでは考えられなかった映像表現が生まれるかもしれません。俳優の演技をソフトで背景と合成してレンダリングして…という時間もかからないので、より高品質な作品を作ることに没頭できるでしょう。*6

NASAでも宇宙開発に使用

NASAではUnreal Engineを活用してVRの宇宙空間を作ることで宇宙飛行士の訓練に役立てています。実際に火星を想定した訓練で使用されたMars 2030 EditorはUnreal Engine内のツールとして配布が開始されています。火星を歩いたり火星探査車を操作したりできるこのツールは、宇宙開発事業に乗り出す企業にとっては大いに役立つソリューションです。*7

リアリティのある建築設計に

Unreal Engineを活用すれば、建築物の設計においてリアリティのあるデザインが可能になります。これまでのAR、VRを導入したデバイス上での設計やモデルルームの提供は開発において大変な時間と手間がかかりました。これは、レンダリングに時間がかかることと、多くの組織の人間が関わる建築プロジェクトにおいて閲覧や編集のプラットフォームを統一することが難しかったことが原因です。

UNreal Engineを活用することで、レンダリングの所要時間が短縮できクオリティを上げるための時間を増やすことができます。また、様々な形式のデータをUnreal Engineに簡単にインポートできるため、各所で製作されるデータ形式を統一する必要がありません。*8

新薬の開発に向けて分子を表現

Unreal Engineを使用すれば複雑な分子の動きも表現可能です。新薬を開発するにあたってはどのような分子が結合しているかをボールと棒を使用して表現することが一般的です。しかし、これだと分子がどのような動きをしているかはわかりません。現実には分子は蛋白質に結合するために複雑な動きをしているのです。

この分子の複雑なダンスをUnreal Engineを使用して再現することができます。新薬の開発や発見において新しいプロセスが生まれるのです。*9

まとめ

Unreal Engineはかなり汎用性の高い映像製作ツールとして、今後もあらゆる業界で活用されるでしょう。世の中にARやVRが広まってゆく過程で、Unreal Engineが実現する映像製作のスピード感や柔軟性、インタラクティブな特徴は大きな武器になります。

*1https://www.gamebusiness.jp/article/2017/07/19/13235.html
*2https://www.gamebusiness.jp/article/2017/07/19/13235.html
*3https://www.unrealengine.com/ja/spotlights/creating-a-digital-showroom-audi-and-mackevision-choose-ue4
*4https://www.unrealengine.com/ja/spotlights/creating-a-digital-showroom-audi-and-mackevision-choose-ue4
*5https://www.unrealengine.com/ja/blog/making-autonomous-vehicles-safer-before-they-hit-the-road
*6https://www.unrealengine.com/ja/spotlights/unreal-engine-in-camera-vfx-a-behind-the-scenes-look
*7https://www.unrealengine.com/ja/blog/nasa-is-using-unreal-engine-4-to-make-mars-a-virtual-reality?lang=ja
*8https://www.unrealengine.com/ja/industry/architecture
*9https://www.unrealengine.com/ja/spotlights/taking-pharmaceutical-discovery-to-the-next-level-in-unreal-engine

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