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日本でのApple Pay採用は、他の国のApple Payとは状況が全く違う。故にiPhone7は売れる

大方の予想通り、いや予想を大幅に超えて日本では大大大ヒットしているiPhone7です。

Apple Storeはじめ各大手携帯会社も軒並み3-4週間待ち、iPhone 7plus Jet Blackに関しては11月まで待たなければいけない状況です。(もともと在庫が少なかったというのもあるにしろ)

 

ここまでヒットした原因はいろいろありそうですが、まだそれを分析し言及するには早計だと思います。しかし、唯一言えることは、iPhone 7がもはやイノベーティブだから売れているというわけではない、ということです。

iPhoneと言えば、21世紀の人々の生活を変えたプロダクトとして名を馳せ、今のところ21世紀最高にイノベーティブな製品であると言っても言い過ぎではないと思います。

しかし、iPhone「7」がいかにイノベーティブではないかは、このブログでもお伝えした通りです。

 

「それ、すでに他のスマホにはあったけどね」それでも今回のiPhone7が買いである理由

 

さて、iPhoneの代名詞のように言われていた「イノベーション」をすでに失っているiPhoneが、今回なぜこんなにも日本で話題になったのか?

その原因の1つに、Apple Payがおサイフケータイ機能を伴って、日本で利用可能になったことが挙げられます。

日本では、iPhone以外のスマホではほとんどの機種でおサイフケータイ機能が搭載されており、それ自体は決して目新しいことではありません。iPhone以外のスマホがiPhoneに勝てる数少ないポイントだったわけで、今回ようやく追いついたと言えるわけです。

しかし、今回のiPhoneでおサイフケータイが利用可能になったことは「もはやライバルが完全になくなった」レベルの話で止まりません。

 

Apple Payとは、Appleの肝入りのプロジェクトの一つで、2014年にリリースされたiPhone6以降実装された、いわゆる電子マネーの一種です。あらかじめiPhoneでクレジットカードを登録しておけば、Apple Payの使える端末が設置されている店舗で使えるようになります。

Appleは各店舗に設置された端末でユーザーがApple Payを通して決済をすると、そのユーザーが登録しているクレジットカード会社から0.15%を徴収することで収益を得ます。

したがって、AppleはiPhoneとApple Pay端末を増やしそれを使ってもらえば使ってもらうほど、自動的に収益が入ってくる仕組みです。

 

しかし、利用できる国に制限があり、今までは日本では利用できませんでした。しかも、例え利用できる国であったとしても、そもそもApple Pay用の端末を設置していないと使うことができません。

ですので、実は先に鳴り物入りで始まったアメリカにしても、それほどインパクトはなかったのです。

 

しかし、今回のiPhone7で状況は一変しました。

今回のiPhone7の発表とともに、日本でApple Payが利用できるようになることがアナウンスされましたが、冒頭で話した通り、日本では同時におサイフケータイも利用できます。

Apple Payでおサイフケータイが使えるのは、当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、もともとApple Payに搭載されていたNFCと呼ばれる近距離接触通信は、TypeA/B方式と呼ばれるもので、日本の電子マネーに組み込まれているFeliCaとは方式の違うものだったのです。

Appleは今回、ほぼ日本でしか使われていないそのFeliCa方式を日本での開始と同時にApple Payにわざわざ組み込んだのです。

(Apple Special Event. 2016.09.07 より FeliCaに関しては1:30:57

 

それが意味するところは、想像以上にインパクト大だと思います。

その理由は、日本ではおサイフケータイが使える場所がとても幅広いからです。駅の改札で使うSuicaをはじめコンビニでの電子マネー決済(IDとQuic Payが利用可能)まで、ありとあらゆる場所で普及しているからです。

それは、他国のApple Payのように店側が端末をわざわざ設置しなくても、すでに端末が普及している日本では設置しなくてもいいということです。

だからこそ、日本人ユーザーの多くがApple Payで電子マネーが使えることに「ピン」と来たのです。「これは使えるぞ」と。

今回のiPhone 7は、アンドロイドケータイからの乗り換えだけでなく、例えば2世代前のiPhone5でも十分に満足していた既存のiPhoneユーザーにとっても、Apple Payはわかりやすい乗り換え理由となり、こぞって乗り換えようとしているのです。それが、今回のブームの一端を担っていることは否めません。

今回、日本でApple Payが思った以上に騒がれているのはそのためにです。逆にApple Pay導入が他の国でそれほど騒がれないのは、日本とは事情が異なるからです。

イノベーションのなくなったiPhone7ですが、イノベーティブな機能がなくても、おサイフケータイを採用した今回のように、まだまだシェアを伸ばせる余地があることを見せつけました。今後どこまで日本でシェアを伸ばすことができるか、とても興味深いです。

株式会社キャパでは、アプリの企画・開発についてご相談を承っています。Apple Pay対応のアプリ開発や既存アプリのApple Pay対応などお気軽にご相談ください。
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