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iPad Proが営業のスタイルを変える

日本で9月20日にリリースされたiOS11は、iPad Proの操作性を格段に向上させました。Dockのデザインが刷新され、Dockを表示しているときにSlide Over対応のアプリを上の画面にドラッグすると、ミニウィンドウで別のアプリを使えます。このマルチタスク機能によって、Webサイトを閲覧しながらメールを読むなど作業の同時進行が可能になりました。

しかし、便利な機能が搭載されても、使いこなせなければ意味がありません。

インターネット業界やIT業界には、開発者やクリエイターにかかわらず、ツールを自在に使いこなすデキる営業がたくさんいます。しかし、新機能は熟知していても、営業術と組み合わせて効果的に使っているでしょうか。

「どうですか、このプレゼン資料!かっこいいでしょ?」と自慢げにKeynoteやPowerPointで作ったグラフやチャートをiPad Proで見せても、「だから何?」とお客様は冷たい視線を心の中で送っていることがあります。

「技術知識×営業知識」があってこそ、営業の真価を発揮できるもの。そこで、営業ノウハウを踏まえた上で、iPad proを活用した営業スタイルを解説します。

 

 

商談前にお客様について調べておくことは「礼儀」

 

「ところで、御社の社員数はどれぐらいですか?」と訪問先で質問をする営業がいます。従業員数がコーポレートサイトの企業概要に掲載されている場合、「この営業マンは、われわれのホームページも見ないで商談に来たのか」と、担当者は内心あきれているものです。

訪問する前にお客様のWebサイトをチェックすることは、企業訪問の基本的な「礼儀」。製品やサービスの特長、企業規模や沿革などの概要、社長の言葉や経営理念などには必ず目を通すようにします。

iPad Proがあれば、昼食時や電車の移動時間に、訪問先の企業のWebサイトをチェックできます。スマートフォンでもチェックは可能ですが、10.5インチもしくは12.9インチのRetinaディスプレイによる広い画面で確認できることは、大きなメリットです。ノートパソコンの場合、開いて画面を見なければなりませんが、iPad Proなら鞄から取り出して電車の中で立ったままでも使えます。

Safariには「共有メニュー」から「PDFを作成」するボタンがあるので、必要なコンテンツをPDF化して、大事な部分に丸を付けたり、あるいはApple Pencilで手書きメモを書き込んだりすることも可能です。

 

 

「お客様を遮断しない」タブレット

 

名刺交換を終えて着席したところで、おもむろに鞄からノートパソコンを取り出して、がばっと画面を開き、いきなりキーボードで何か打ち始める。そんな営業マンもよく見かけます。IT業界では一般化しているのかもしれませんが、もしお客様と対面で座っている場合、ノートパソコンの画面は「遮蔽物」です。

心理学的には、お客様と適切な近い距離の方が、信頼関係(ラポール)を築くことができるといわれます。たとえば腕組みをするお客様は、営業マンに警戒心を抱いているか、提案の内容に批判的な傾向があります。この場合、腕によって相手を遮断し、自分を防衛しています。

ノートパソコンの画面を開くことは、無意識のうちにお客様との間に壁を作ります。したがって信頼関係の構築が難しくなります。しかし、iPad Proであれば机の上に置くことができるため、ノートパソコンのように「遮蔽物」になりません。

さらに、これも心理学的な効果ですが、占有空間が広い方が相手に対して優位に立てます。12.9インチのiPad Proはタブレットの中でも画面が広く、さらに手帳や会社案内やカタログなどを机の上に広げると机の上の面積は最大化され、商談で有利に立てます。

 

 

質問しながら、お客様と共創するプレゼンを

 

プレゼンテーションは、アメリカから輸入された技術です。しかし、一方的に売り込む印象が強く、売り込めば売り込むほど相手の警戒心は強まります。ちょうど寓話の「北風と太陽」と同じです。営業が積極的になればなるほど、お客様は心を閉ざしてしまいます。

そんなときは、お客様もプレゼンに参加していただきましょう。

営業はまず「売り込まない」姿勢を心掛けます。「GoodNotes4」や「Notability」などの手書きアプリを白紙のまま広げて、「お客様が、いま関心があること、困ったことがあればお聞かせいただきますか?」と質問します。ヒアリングした内容をホワイトボードのようにiPad Proに書き込んでいきます。必要に応じて関連サイトや資料をSplit Viewで分割した画面に表示します。

一方的なプレゼンを聞かされるより、お客様は話をしたいと考えています。営業マンは質問と書き込みでお客様の問題意識を「見える化」して、その上で自社のプレゼンをします。お客様は気持ちの暖機運転ができているので、スムーズにソリューションの提案に頷いていただけるようになります。

iPad Proの機能やメリットを理解した上で営業ノウハウを活用すれば、営業として成長ができるのではないでしょうか。頑張ってくださいね、営業のみなさん。

 

 

 

 
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