Apple WatchがGoogle mapのサポート終了!その理由と今後の展開を考えてみた
時計感覚で使えるApple Watchは、今ではSerries4がリリースされています。そんな人気のApple Watchですが、ひっそりとGoogle mapのサポートを終了していました。
Google mapといえば3Dモードやストリートビューなど独自の機能があり、多くの人に使われるアプリ。そんな人気アプリのサポートを終了した理由は、Apple Watchの方向転換が垣間見えます。
Apple WatchがGoogle mapのサポートを終了した理由や、今後の展開について考えてみました。
▽そもそもApple Watchにアプリを入れる方法って?
Apple WatchがGoogle mapのサポートをひっそり終了!
いつの間にかApple Watchで使えなくなったGoogle map
海外のiPhone情報サイトによると、2017年からApple WatchがGoogle mapのサポートを終了していることがわかりました。サポート終了に関しては特にお知らせがなかったため、Apple WatchでGoogle mapを使っていた人はアップデートと同時に使用できなくなり、驚いた人もいるかもしれません。
サポート終了に対して、Googleは上記のiPhone情報サイトに対して「サポートを中止したが、将来的にまたサポートする予定」とコメントしているようです。これに対してAppleは何もコメントを出していないので、穿った見方かもしれませんがApple側がGoogle mapのサポートに対してNoと伝えた可能性もあります。
サポート終了から2年が過ぎましたが、いまだにGoogle mapのサポートは再開していません。そもそもApple Watchには、mapという純正のアプリが備わっています。Apple純正なのでApple Watchとの相性もいいですし、Google mapのようにインストールする必要がなくすぐに使えます。
Appleとしては「自社の純正アプリがあるから、Google mapのサポートは必要ない」と判断するのも不思議ではありませんね。
Apple WatchではGoogle mapの画面が表示されない
Apple WatchがGoogle mapをサポートしていたのは、2015年~2017年あたりです。実はこのサポートしていた時期も、「とても使いやすい」とは言いづらい状況でした。
Google mapのような地図アプリを使う時は、基本的にその土地をわかっていません。そんな時は、自分がいる場所から目的地までの全体像を見たいもの。しかしApple Watchでは、Google mapの地図が表示できず、「150m先の信号を右折」などテキストによるナビだけだったのです。
道路や信号が多い場所なら、「150m先の信号」とApple Watchに言われても「この信号で合ってるかな?」と不安になります。そして結局スマホを取り出して地図をチェックすることになれば、Apple Watchで使う意味がなくなってしまいます。Appleもそう判断したのかもしれません。
終了したのはGoogle map以外にもある!
Apple Watchがサポートを終了したのは、Google mapだけではありません。TwitterやFacebook・Instagramなど、SNSの代表ともいえるアプリのサポートも終了しているのです。その他の連絡ツールとしては、Slackもサポートを終了しています。
これはApple Watchが終了する兆しではなく、方向転換の現れと取れます。Apple WatchをiPhoneの補助役という位置づけではなく、Apple Watchだからこそできる機能の強化をはじめているのです。
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Apple Watchも方向を模索中?
Apple Watchはスマホ低迷をカバーできるか?
AppleといえばiPhoneの売り上げ低迷が騒がれています。最新のiPhone Xも売り上げが好調とは言えず、株価も下がってしまいました。
Apple MusicやApple Payなど新サービスも手掛けていますが、iPhoneはAppleの売り上げの半数以上を占める主力商品であり、世界中にファンがいます。
しかし人気がゆえに普及率が高く、競合に比べて高額なiPhoneは買い替え客の掘り起こしに苦戦しています。Apple WatchはiPhoneとリンクさせることを前提とした商品ですから、iPhoneユーザーをターゲットとして苦境を乗り越えようという動きも見えます。
コストを抑えて試行錯誤できるのがクラウドの強み
Apple WatchがGoogle mapやSNSアプリをサポートしていたのは、方向性を模索していたとも考えられます。Apple WatchにiPhoneと同じような機能を搭載すれば、ユーザーはApple Watchの使い方を大体イメージできるというメリットもあります。
しかしApple Watchも気が付けばSeries5のリリースが噂されるようになり、独自の進化を経てきました。ソフトウェアのほうも進化して、よりApple Watchの価値を高めていこうと画策しているのかもしれません。
Apple Watchはクラウドを介してアップデートできますから、こうした方向変換の際も製造コストを抑えて行えます。この点は、Appleから見ると大きなメリットとなりますね。
Apple Watchが注力するのはヘルスケア分野か
Google mapのサポートを終了するなどして路線を変更しているApple Watchは、ヘルスケア分野に特化しようと動いています。
実はApple Watchは発売当初からフィットネス向けの「HealthKit」という開発キットを準備して、ヘルスケア分野への進出を考えていました。今では自分の健康を管理できる「CareKit」をはじめ、医学研究者向けに被験者のデータを収集する「ResearchKit」というサービスまでリリースされています。
参照:Apple公式サイトより
https://www.apple.com/jp/researchkit/
スマートウォッチ業界のトレンドはヘルスケア
ヘルスケア市場は年々成長中
Apple Watchをはじめ、ウェアラブル端末のトレンドはヘルスケアです。歩数計やカロリー計算だけではなく、心拍数を測れるものも登場しています。医療が発達しただけではなく個人が健康管理を意識するようになり、予防医学という考えの元医療機器の市場も成長しています。
なかでも医療機器市場が大きいのはアメリカです。経済産業省の調べによると、2016年の医療機器の国別市場規模はアメリカの1,459億ドルが断トツで1位です。2番目に来るのが日本の281億ドルなので、その差の大きさに驚きます。
参照:経済産業省「我が国医療機器産業の現状」
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/iryou_innovation/pdf/001_05_00.pdf
Apple Watchなどのウェアラブル機器は、デジタルヘルスに分類されます。ジェトロの調べによるとデジタルヘルス市場をけん引しているのは北米で、さらにドイツやイギリスも需要は高いと予想されています。
参照:ジェトロ公式資料「米国における医療関連市場動向調査」
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/2d86e22aeac9d7dd/rp_us.pdf
Apple Watchをヘルスケア分野に特化させれば、市場の成長に合わせてさらにユーザーに活用される。Appleはそんな市場の成長も視野に入れているのかもしれません。
Apple WatchのECGは未だ日本非対応
Apple Watchといえば、Series4の最大の目玉は心電図が取れる「ECG」というアプリサービスでした。電気心拍センサーを使って心電図を取り、さらに医療機関とも連携。アメリカではECGのおかげで命を救われたケースもあります。
しかし日本でリリースするには厚生労働省の許可が必要であり、まだリリースに至っていません。心拍数の計測や転倒検知機能といった他のヘルスケア機能はありますが、目玉機能のECGが日本非対応というのは多くの日本ユーザーをがっかりさせました。
早く日本でも対応してほしいものですね。
身につけて使うApple Watchの奴隷になる日が来る?
Appleマニアの人はApple Watchを使ったときからその手軽さに魅了され、寝ている時まで着けている人もいます。そんなApple Watchがヘルスケアに特化すれば、さらに肌身離さず身につける人が増えるでしょう。
スマートヘルスケアが広まれば、自分の心拍数や血圧・歩いた時間や体重などがデータ化され、医療機関で開示されるのです。その状況に、抵抗感を持つ人も少なくありません。
Apple Watchで健康を管理できると考える人もいれば、ガジェットに縛られデータを搾取される奴隷のようだと考える人もいます。ある調べでは、特に40代~50代の女性がそうしたデータの活用に抵抗を感じていると出ています。
スマートに医療を受けられる代わりに自分のデータを差し出すか、Apple Watchを使わず別の方法で健康を管理するか…あなたはどちらを選びますか?
▽さらに気になる方はこちら
[2019年5月28日アップデート]
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