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AutoCADアドイン開発 会社選びのポイント(新日本空調株式会社様)

株式会社キャパのお客さまインタビューは、弊社がシステム開発、およびコンサルティングなどの業務に携わらせていただいた企業の皆様にお話をお伺いし、弊社との関わりをはじめ、実務で大切にしているところや開発会社の選定のポイントなど、さまざまな角度から、忌憚のない意見を交換しております。

さて、今回のインタビューは、大手空調設備工事会社であり、日本に「空調」の概念を持ち込んだ企業としても知られる、新日本空調株式会社様です。


進行は、開発部の小島が務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(キャパ 小島) 本日はお時間を頂戴しまして、大変ありがとうございます。

(新日本空調様) よろしくお願いいたします。

新日本空調様「原子力事業部 設計部」の業務について

(キャパ 小島) まず、本プロジェクトの主幹部門であった「原子力事業部 設計部」の事業概要を教えていただけないでしょうか。

(新日本空調 譲原氏) 原子力事業部 設計部では、原子力発電所およびその関連施設の空調設備の設計を主に行っています。

(キャパ 古賀) 対象施設内の空調すべてが、皆様の業務の範囲なのでしょうか?

(新日本空調 譲原氏)基本的にはそうですが、システム設計やダクト系の設計を我々が行い、配管系については他社が行う場合もあります。

(キャパ 古賀) 空調について、もう少し詳しく教えてください。

(新日本空調 譲原氏) 建物には空気の取り入れ口があり、送風機を介して室内にダクトを通じて送り込まれます。さらに、室内には換気や温度など満たすべき条件があり、それを満たすようにします。それが一般ビル空調です。一方原子力空調では、建物の陰圧化により放射性粒子の漏洩を防止すること、空気ろ過により放射性粒子を捕獲することが重要になります。

当社は、適合する機器の製造を依頼するため、必要な要求仕様の整理や設計を行い、送風機など各機器の製造をメーカーに依頼します。また、それらの機器やダクト等を現地で取り付けるための工事計画、現場監理、取付後の保守,メンテナス等も行っています。

また、対象となる機器類をメーカーと共同開発するケースもあります。当社のコーポレートサイトでご紹介しているようなものですね。

1.浸水検知槽

2.連結棒

3.止水板

4.止水板ロックアーム

5.ロックアーム受け台

(出典:浸水防止ダンパ(ジャバッShut) https://www.snk.co.jp/service/technology/search/?pdid=124

AutoCADアドイン開発プロジェクトの背景

(キャパ 古賀) それでは、次に今回の開発案件の背景にあった課題について教えていただけますでしょうか。

(新日本空調 譲原氏) 設計において我々は設備系の3D CADを使用していますが、顧客はプラント系のCAD等、さまざまなソフトウェアを使用しています。

しかし、その間には完全な互換性がありません。そのため我々は、顧客からいただいた図面の属性データを一つ一つ目で確認し、我々のCAD図面に落とし込まなければならず、手作業にかなりの時間がかかっていました。それを自動的に処理できる仕組みを作ろうと、いろいろと探した次第です。

(キャパ 古賀) CADへのデータの取り込みが課題だったという事ですね。

(新日本空調 譲原氏)そうです。あともう一つ課題だったのが、図面に変更があったときに、どこに変更があったのかを把握しづらいということです。変更箇所を自動で特定することも、今回のプロジェクトにおけるリクエストの一つでした。

(新日本空調 長澤氏)顧客からいただいたファイル中の図形に様々な情報が付加されているのですが、使用するCADによって、読み取れる、読み取れないが出てきてしまうのです。その読み取れない情報を、自動で可視化するコンバーターを作っていただきました。

もちろん、CADメーカもコンバーターを提供している場合があるのですが、ほとんどの場合は最小限の機能しかないので不便なのです。

(キャパ 古賀) プロジェクト実施の目的は、他にもありましたか?

(新日本空調 長澤氏)いただいた図面の画層、つまりレイヤーに色を付けることで、そのままでは見にくかった壁の色とダクトの色を分ける等の機能も実装しました。

(新日本空調 丸田氏)顧客から出てくる3Dのデータの中には、ダクトの他にも、ケーブルや照明の情報など、様々なものが混ざっています。空調設備の配置等が問題ないか確認しなければなりませんが、色分けができればその省力化ができます。

開発会社(キャパ)の選定ポイント

(キャパ 張)さまざまな会社にお声がけをされたと思いますが、弊社にお声がけを頂いた理由を教えていただけますか。

(新日本空調 長澤氏)最初はマクロを用いてできないかと、マクロを専門としている会社に声をかけたのです。しかし、CADとの連携をするマクロはちょっとむずかしい、というのが殆どの会社の回答でした。

そうなると、CADソフト自体に明るい会社を探さねば、ということで、何社かお声がけをさせていただき、その中でキャパさんに決めました。技術者に馴染みがあるAutoCADにかなり強いということが大きな理由です。

あとは、お打ち合わせをさせていただいた際に、とても親身に相談に乗っていただいたり、色々なご提案をいただいたり、あるいは将来的なメンテンスやカスタマイズについてのお話もしていただきました。

AutoCADは1年毎にアップデートがあり、原子力発電所のプロジェクトは長期間にわたるため、継続的なメンテナンスが必要です。

開発プロジェクトの所感

(キャパ 張)印象に残っている提案はございましたか?

(新日本空調 長澤氏) ユーザーインターフェース関連に特に丁寧にご提案を頂いたと認識しています。我々はソフトウェアのインターフェースに関してはそれほど知見がありませんでした。

目で見てわかりやすいものがいいとは思っていましたが、それに対していくつかご提案いただいた上で、一番見やすいものを選択することができました。

「こういうのがいいなあ」と思っていても、実際に使い勝手が悪い場合もあり、そのコントロールがきちんとできたことは良かったと思います。

(新日本空調 譲原氏)CADを専門としている会社は、他にあまりなかったですね。最初はBIMのソフトウェアメーカにも相談したのですが、難しい、ということでした。

(新日本空調 長澤氏)プログラムだけではなく、施工図関連の知識があり、質問に対する回答が非常にわかりやすかったと思います。AutoCADを見ながら話ができるのは非常にありがたかったですね。

(キャパ 張)品質面ではいかがでしたでしょうか?

(新日本空調 長澤氏)非常に短期間のプロジェクトだったのですが、毎週ミーティングさせていただいて助かりました。また、進捗の確認や要望への回答も、非常に早いレスポンスだったと思います。

ソフトウェアに関しては、まだ本格的な運用が始まっておらず、試運用の段階なのですが、かなり細かく対応していただいてます。

バグはわずかで、またその対応も早かったですが、開発の段階でモデルの東西南北を自在に変更できる機能をつけておけばよかったな、要望を出しきれなかったな、と思う部分もあります。

ソフトウェアの効果、および今後の展望

 (キャパ 小島) ソフトウェアの効果、そして今後のソフトウェアに対する追加の展望などはございますか?

(新日本空調 長澤氏) 4、5名の技術者から、ソフトは非常に有用だというフィードバックが上がってきています。変更点が把握できて、レイヤーに色がつくのも、自分が見たい情報だけを抽出できるというのが、非常に見やすいという意見がありました。顧客からは特に変更点の抽出機能が評価されました。

追加の要望については、属性情報の表示の有無を、毎回手動で切り替えるのが手間なので、表示テンプレート、この図面のときはパターンA、この図面はBなど、プリセットの機能などがほしいと考えています。

 (キャパ 小島) 本日は、お時間を頂戴しまして、誠にありがとうございました。

(新日本空調様) ありがとうございました。

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