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CATIAとはどんなCAD?独学可能?就職や転職に有利?

ダッソーシステムズのハイエンド3次元CADとして知られるCATIA。ハイエンドCADとして自動車や家電、船舶、航空、日常品と非常に多くのユーザーがいます。使い方を知っていると製造業での就職や転職に非常に有利なソフトウェアです。この記事ではCATIAの特徴や資格、CATIAを習得する際のポイントをご紹介します。

CADとはどんなもの?

現在製造業で活用されているCADの種類は有料、無料を含め非常に多いです。まず簡単にCADとはどういったものか簡単に紹介します。

2DCADと3DCAD

・2DCAD:図面がソフトウェア上に図面が作図できるCAD。(例:Jw_cad)
・3DCAD:物体を3次元形状として作成でき、表示する形状を切り替えたり拡大や回転、断面などの機能を使い分けたりしながら形状を確認できます。(例:CATIA、AutoCAD)

昨今機械設計や建築設計では3DCADが多く用いられています。3D形状では2D(作図)機能を有していることが多く、3DCADの2D機能の場合、3次元形状とリンク関係をもち、3D形状の変更に自動追従して輪郭線や寸法線が変更される場合もあります。

CATIAはハイエンドCADの代表格

CATIAとは、ハイエンドCADに分類されます。ハイエンドCADには以下のようなものがあります。

・CATIA:Dassault Systemes社(フランス)(1)
・Creo:PTC(アメリカ)(
2)
・NX:Siemens PLM Software(ドイツ)(*3)

自動車や航空機など、製造業の盛んな国で各々のCADが開発されてきました。CADはハイエンドCAD、ミッドレンジCAD、ローエンドCADと分類されますが、それぞれは使用できる機能の多さが異なります。

ハイエンドCADの場合、表現できる形状や一度に編集できる部品の数などが多く、ハイエンドCADを使えば世の中にあるほとんどの形状をCADデータで表現できるといえます。

CATIAの3D形状の作成方法

CATIAはハイエンドCADに分類されますが、基本的な形状の作成ミッドレンジCADなどと大きくは変わりません。具体的なモデリング方法とはどんなものか詳しくみていきましょう。

原点と軸を定義

部品データの新規作成時に自動生成されています。XYZの3方向を基準としてXY平面、YZ平面、ZX平面があります。

平面を定義

立体の基準となる平面を1箇所選び、直線や曲線機能などを使って立体の元となるスケッチ形状を平面上に描きます。

立体を作成

平面に描いたスケッチを元に一定の軸方向に押し出し厚みを定義します。その後立体を削り取ったり厚みをつけたりなど加工を加えながら部品となる形状を作成します。

CATIAではワークベンチを使い分ける

ワークベンチとは、Microsoft製品におけるWordやExcel、PowerPointのように目的に応じて使いわけをする機能群です。

3Dの部品を作る際、CATIAでは「パート・デザイン」というワークベンチを使うことが多いです。また自由曲面(サーフェス)を作成する際には「ジェネレーティブ・シェイプ・デザイン」、板金部品を作成する際に「シートメタル・デザイン」などそれぞれの形状を作成するのに特化した機能群である「ワークベンチ」を組み合わせて作成します。

なお、作図に関しては、「ジェネレーティブ・ドラフティング」など作図専用のワークベンチがあります。

CATIAでは、デザイン面作成、電気設計、ナレッジエンジニアリング、解析、生産加工関連など、それぞれの分野別に特化した複数のワークベンチがあります。

機械設計にかかわる基本的な形状を作成するメカニカルデザインだけでも20種類以上のワークベンチがあり、CATIAを導入する際は自分の業態や使用したい操作の範囲を踏まえて必要なワークベンチを使うためのライセンスを選択します。

部品を組み立てる(アセンブリ)

部品をいくつか組み合わせる場合には、アセンブリ機能を用います。アセンブリでは、各部品をどの原点を基準にどの向きに取り付けるのかが重要です。部品の位置決めには座標軸同士を「固定」するのが一般的です。

作図

部品や部品を組み立てたアセンブリデータの各々について、必要に応じ図面を作成します。CATIAの場合は3Dの形状を変更すると作図形状も自動で形が変更されるため、設計変更をする際に3D形状も図面も手を加えるという必要はありません。

CATIAに関連する資格

CATIAのスキルが習得できているかどうかを証明するには、Dassault Systems公認の認定センターで認定試験が受けられます。クライアントはもちろん、就職や転職の際に対外的なスキルを証明するのに役立つでしょう。(*4)

CATIA V5、V6の基本機能を問う認定試験としては以下の6種類があります。なお、エキスパート試験試験に合格している必要がある上位試験に位置づけられています。

・CATIAパート・デザイン試験
・CATIAアセンブリー・デザイン試験
・CATIAサーフェス・デザイン試験
・CATIAパート・デザイン・エキスパート試験
・CATIA V5アセンブリー・デザイン・エキスパート試験
・CATIA V5サーフェス・デザイン・エキスパート試験

また、複数の資格試験に合格すると以下の称号が得られます。

・CATIA V5認定メカニカル・デザイン・スペシャリスト:CATIA V5パート・デザイン試験とCATIAアセンブリー・デザイン試験に合格した者

・CATIA V5認定メカニカル・サーフェス・デザイン・スペシャリスト:CATIA V5パート・デザイン試験とCATIAサーフェス・デザイン試験に合格した者

CATIA習得のための方法

CATIAの操作方法を習得するためにはどうすればよいかご紹介します。

必要となる能力

CATIAは通常のCADと同じように、空間を把握する能力が求められます。また、寸法を定義しながら形状を作成するため、設計製造にかかわる知識がないとデータを修正する際に苦労します。

CADの機能を覚えることに加え、作ろうとしている部品のどの寸法が重要なのかを知ったり、製図の基本を習得したりすることも必要です。

また、CATIAのデータは都度変更を加えていくため、企業によってはPDM(Product Data Management)というデータの履歴を管理するツールを使用している場合があります。CATIA以外の関連機能についても概要を理解していると実業務に役立つでしょう。

体験版は基本的にない
CATIAは独学で習得するのは難しいCADといわれています。無料体験版が公開されておらず、まず触ってみながら慣れていくということができません。基本操作については、別のCADを使って慣れておくことも一案です。

もし手元にCATIAがない状態でCATIAを習得したい場合には、スクールに通って基本操作を習得するのが一般的です。

ただし、スクールでは基本操作は学べるものの、実際に勤務する場所での履歴の作り方やファイル名など独自のルールについて知ることは不可能です。企業内のOJTで習得すべき内容があることも頭に入れておきましょう。

まとめ

CATIAとは、フランスのダッソーシステムズ社が開発したハイエンドCADのひとつです。操作は一般的なCADと大きく変わりませんが、たくさんのワークベンチをもち複雑な形も再現することができます。習得する際は、別のCADで慣れたりスクールに通ったりする方法がおすすめです。

参考URL
*1 https://www.3ds.com/ja/products-services/catia/
*2 https://www.ptc.com/ja/products/cad
*3 https://www.plm.automation.siemens.com/global/ja/products/nx/
*4 https://www.3ds.com/ja/training/certification-program/catia-certification/

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