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AutoCAD Mechanicalって?AutoCADとの違いと使い方

AutoCAD Mechanical(オートキャドメカニカル)は、Auto CADで使える機械設計用のツールセットです。
以前は業種ごとに分かれた別売りのツールセットだったのですが、2018年3月発売のAuto CAD2019からは、7業種のツールセットがまとめてAuto CAD本体に含まれるようになりました。(*1)

今まで約125万円(本体と7つのツールセットの合計額)かかっていたソフトが年間約22万円で使えるということで、費用対効果への期待が高まります。(*2)
今回は、機械設計用ツールセット「AutoCAD Mechanical」についてご紹介します。
Auto CADとの違いや、AutoCAD Mechanicalがどんなものか知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

①AutoCAD Mechanicalでなにができるかわかる
②AutoCAD MechanicalとAuto CADの違いがわかる
③AutoCAD Mechanical2022の新機能がわかる

AutoCAD Mechanicalとは?

まずは、ソフトの内容をざっくり見ていきましょう。

AutoCAD Mechanicalでなにができる?

AutoCAD Mechanicalは、AutoCADを機械設計に強いCADに変えてくれるツールセットです。
AutoCADの機械製図用アドインだと思うとわかりやすいかもしれません。
機械設計に特化した機能があり、生産性が平均で約63%向上したというデータもあります。(*3)

70万点以上の部品データを収録したライブラリや、陰線や画層処理の自動化など、設計サポート機能も充実しています。
単純な反復作業にかける時間をなくし、人的ミスによる手戻りを削減することで、設計のスピードアップにつながります。

AutoCAD Mechanicalの使い方は?

AutoCAD Mechanicalは、ダウンロードで購入できます。
まずはAutoCAD本体を購入して、インストールしましょう。
Autodesk デスクトップ アプリから、ツールセットのダウンロードを実行します。

または、Autodeskのサイトからログインして、直接ダウンロードすることもできます。

AutoCAD MechanicalとAuto CADの違いは?

ソフトの概要がざっくりわかったところで、AutoCAD MechanicalとAuto CADの違いについて見ていきましょう。
2つのポイントからご説明します。

便利なAMコマンドが使える

AutoCAD Mechanicalには、頭に「AM」のついたコマンドがたくさん用意されています。
これらのコマンドは、AutoCAD Mechanicaツールセットの専用コマンドです。(*4)
このコマンドを使うと、汎用CADよりもっと機械製図に特化した作図ができるようになります。

例えば、線を引くときのコマンドはAuto CADでは3種類ですが、AutoCAD Mechanicalツールセットでは、対称線や破断線などさらに4種類のコマンドが追加されています。

長方形の作図では20種類以上のコマンドが用意され、さまざまな方法でサイズを指定できます。
AutoCAD Mechanicalツールセットを使うと、汎用CADでは物足りなかった作図機能が、機械製図用にチューンアップできます。

機械製図に特化したワークフローで作業できる

まっさらなファイルから作図する場合、まず何から始めていますでしょうか。
AutoCADの場合、画層や線種を設定したり、記号が入ったライブラリを設定したりと、こまごました面倒な初期設定が必要です。

AutoCAD Mechanical ツールセットには、ANSIやISOのテンプレートが用意されています。
寸法スタイルや製図記号など、さまざまな設定がもうすでに準備されているので、呼び出して使うだけで作図に取りかかれます。(*5)
このように、汎用のAutoCADを、機械設計に強いCADとして使えるようになります。

AutoCAD Mechanical 2022からの新機能

ここからは、「AutoCAD Mechanical 2022」の新機能をチェックしていきましょう。
たくさんの新機能の中から、実際の業務に役立つ4つをご紹介します。(*6)

新機能1 溶接記号が最新規格に

ISO規格とJIS規格にあわせて、溶接規格が最新のものに更新されました。
これから作図する図面では、最新の溶接記号を使用できます。
以前に作られたファイルの記号はそのまま保持されるので、古い図面も安心して編集することができます。

新機能2 トレースでファイルを保護してコメント記入

図面の上にトレーシングペーパーをかけるイメージで、元のファイルを変更せずにコメントやフィードバックを記入できます。
トレースは、Webアプリとモバイルアプリから作成できます。
図面を変えずにコメントを入れられるので、「コメントを入れたいけど、うっかり図面を変更してしまったら」という不安がなくなります。

新機能3 カウントで部品を数えてエラーもチェック

部品表の自動作成機能はもともとありましたが、2022からの新機能として、図面上の部品を数えるカウント機能が登場しました。
オブジェクトを指定すると、自動でカウントをスタートし、カウントツールバーに表示されます。

オブジェクトのオーバーラップ(重なり)や、名前が違っていたり、分解していたりと、カウント中に発見したエラーも検出してくれます。
自動でチェックできるので、今まで目視で行っていたチェックの時間短縮や精度アップに役立ちます。

新機能4 図面ファイルの複数表示

マルチディスプレイにも使いやすい、浮動図面ウィンドウ機能が追加されました。
今まではタブで図面を切り替えていたところを、ウィンドウの外に出せるようになり、図面を並べて表示することも可能になります。
複数の図面が同時にディスプレイに広げられるので、比較やチェックもしやすくなり、作業効率のアップにつながります。

AutoCAD Mechanicalの価格は?

さてここからは、冒頭でも触れたAutoCAD Mechanicalの価格について見ていきましょう。
Auto CAD LTとも比較していきます。

AutoCAD Mechanicalの価格

こちらの表は、2021年4月時点でのAutoCADの価格です。
サブスクリプション(定額制)なので、期間が長くなるごとに金額が上がっていきますが、その分1か月あたりの金額は下がっていきます。

30日間無料で使える体験版もあるので、一度使ってみてから購入する期間を決めるのもおすすめです。

価格
(サブスクリプション)
AutoCAD1か月あたりの価格
1か月27,500円27,500円
1年220,000円約18,333円
3年594,000円16,500円

Auto CAD LTと比較してみると?

「AutoCAD MechanicalとAuto CAD LT、どっちを買うのがおすすめ?」
ここでは、こんな疑問について考えてみましょう。(*7)

比較項目

比較項目
AutoCADAuto CAD LT
1年間のサブスクリプション220,000円68,200円
セット内容AutoCAD Web アプリ
AutoCAD モバイル アプリ
Autodeskのアプリストアが利用できる
ツールセット7種
AutoCAD Web アプリ
AutoCAD モバイル アプリ
3D作図×
3D表示×

こちらは、AutoCAD MechanicalとAuto CAD LTの比較表です。
大きな違いは、3D作図ができるかどうかです。

・3D作図が必要なら迷わずAutoCAD
・2Dのみで十分。ツールセットを使う必要がなさそうならAuto CAD LT

こんな基準で選んでみてはいかがでしょうか。
過去には LTからAuto CADへの乗り換えキャンペーンが実施されたこともあったので、「今はLTで十分だけど、将来的にはAutoCADも使ってみたい」という場合は、とりあえずLTから始めてみるのもおすすめです。

まとめ

AutoCADは、幅広い業種で使える汎用CADです。
汎用CADの強みは「業種に縛られず、どんな図面にも対応できること」ですが、専用CADとして使うには、地道なカスタマイズが必要になります。

AutoCAD Mechanicalツールセットは、汎用のAutoCADを機械設計CADにグレードアップできるツールセットです。
現在お使いのCADを、機械設計に特化したCADにカスタマイズしたい方や、機械設計のスピードアップや業務改善を考えている方におすすめです。
専用CADならではの使い勝手の良さを、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

 

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◆参考URL
*1 オートデスク プレスリリース 「2018 年 3 月 23 日「Autodesk AutoCAD」、「Autodesk AutoCAD LT」シリーズ新バージョンを本日から発売」
https://www.autodesk.co.jp/press-releases/2018-03-23
*2 日経BP 「「Only One AutoCAD」への進化 時代を先取りした4つの革新とは」
https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NXT/18/autodesk0507/?P=2
*3 オートデスク 「AUTOCAD をおすすめする5 つの理由」
https://www.autodesk.co.jp/solutions/best-selling-cad-software?us_oa=akn-us&us_si=ba5fc213-1204-4534-a74e-905723352d54&us_st=AutoCAD%20including%20specialized%20toolsets
*4 オートデスク 「AutoCAD Mechanical 2022 AutoCAD Mechanical ツールセット コマンド マップ」
https://help.autodesk.com/view/AMECH_PP/2022/JPN/?guid=GUID-1354621C-1BE8-4C79-882D-2FC14F27108A
*5 オートデスク 「AutoCAD Mechanical 2022  AutoCAD Mechanical ツールセット ワークフローの比較」
https://help.autodesk.com/view/AMECH_PP/2022/JPN/?guid=GUID-5503F75F-6C83-438D-89E1-8123D925E1B9
*6 オートデスク 「AutoCAD サポートとラーニング AutoCAD Mechanical 2022 ツールセットの新機能の紹介」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/autocad/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2022/JPN/AutoCAD-Mechanical-WhatsNew/files/GUID-6C9BA54B-CE73-468D-B935-8035575E8F9B-htm.html
*7 オートデスク 「AutoCAD と AutoCAD LT の機能比較」
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/compare

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