【オートデスク】ファイルのバージョン変換も!無料ビューアソフト
「この図面ファイルは新しいバージョンのため開くことができません」
CADを使っていて、こんなエラーメッセージが出たことはないでしょうか。
解決策は「ファイルのバージョンを変換する」ですが、使っているAutoCADのバージョンが古い場合は、どうやってファイルのバージョンを変換すればいいでしょうか。
今回は、こんなときに役立つ「AutoCADがなくてもファイルのバージョンを変換できる無料のビューアソフト」についてご紹介します。
かんたんな使い方もあわせてご案内しますので、図面ファイルが開けなくて困っている方はぜひ参考にしてみてください。
この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①AutoCADがなくてもDWGファイルのバージョンを変換する方法がわかる
②無料ビューアソフトDWG TrueViewの使い方がわかる
③オートデスクの無料のビューアソフト3つの特徴がわかる
DWGファイルのバージョンとは
まず最初に、DWGファイルのバージョンについて見ていきましょう。
DWGファイルってどんなファイル?
DWGファイルとは、オートデスクが開発したCAD図面のファイル形式です。(*1)
1982年のリリースから、約3年ごとにバージョンアップされています。
ということは、約3年おきにファイルのバージョンが変わっていくという状態です。
これだけ頻繁にバージョンが変わっていれば、開けなくなるファイルが出てくるのも自然なことでしょう。
このペースでCADを更新していくのはなかなかコストがかかりますし、慣れ親しんだ旧バージョンを使いたいという場合もあります。
そこで、DWGファイルのバージョン変換ができる無料のビューアソフトを使うと、「バージョンが違うからファイルが開けない」という問題をサクッと解決できます。
DWGファイルを開くには
DWGファイルを開くには、オートデスクのAutoCADをはじめ、DWGファイルに対応したソフトが必要です。
ほとんどが有償のソフトになるので、図面を確認するだけで編集の必要がない場合は、無料で使えるビューアソフトがおすすめです。
今回ご紹介するDWG TrueView は、オートデスクが提供している無料のビューアソフトです。(*2)
DWF、DWG、DXFの3つのファイル形式に対応しています。
DWGファイルの表示のほか、PDFファイルに書き出したり、印刷することもできます。
DWGファイルのバージョンを変換することができるので、使っているCADのバージョンが客先と違っていても、スムーズにやり取りできるようになります。
DWG TrueView を使ってバージョンを変換する方法
さてここからは、DWG TrueView の使い方を見ていきましょう。
Windows10以前のバージョンをお使いの方向けに、旧バージョンのDWG TrueViewについてもご紹介しています。
DWG TrueView のダウンロードはこちら
まず最初に、DWG TrueViewをダウンロードします。
ソフトは無料で、オートデスクアカウントの登録なども必要ありません。
リンク先のページの真ん中のほうにある「今すぐダウンロード」をクリックすると、すぐにダウンロードが始まります。
インストールには4GBの空き容量が必要になるので、事前に確認しておきましょう。(*3)
旧バージョンのDWG TrueViewはこちら
・オートデスク DWG TrueView の旧バージョンをダウンロードする場所
最新版のオートデスク DWG TrueView 2022 は、Windows10対応です。
Windows 8.1 やWindows 7 SP1 などを使っている場合は、こちらのリンクから対応しているバージョンをダウンロードしましょう。
DWG TrueView2017~2021まで、5つの旧バージョンがダウンロードできます。(2021年4月12日現在)
DWG TrueView の使い方
まずは、DWG TrueView を起動します。(*4)
左上のツールバーに「DXF変換」のアイコンがあるので、クリックすると変換のダイアログボックスが開きます。
左側のボックスで変換したいファイルを、右側のボックスで変換したいバージョンを選択しましょう。
あとは「変換」を押すだけで変換できます。
DWGファイルのバージョンを変換するときに気をつけたいこと
「図面データのバージョンを変換しただけなのに、元の図面と違う?」
こんな現象になったことはないでしょうか。
DWGファイルを旧バージョンに変換すると、旧バージョンでは対応していないデータが削除されてしまうことがあります。(*5)
ファイルのバージョンを変換する場合は、上書きしないように注意しましょう。
「名前を付けて保存」したり、あらかじめバックアップをとっておくと安心です。
もし上書きしてしまったら、客先からのデータならもう一度ダウンロードしてやり直しましょう。
他にも、自動保存ファイルやバックアップファイルからファイルを復元することができます。(*6)
バックアップファイルは、元の図面と同じフォルダにある拡張子「bak」のファイルです。
「名前の変更」で、拡張子を「dwg」に変えて開いてみましょう。
自動保存ファイルは 拡張子「SV$」のファイルで、こちらもdwgに変えて開いてみてください。
どちらも操作の前にはバックアップをとって、データの消失に備えましょう。
他にもあるオートデスクの無料ビューアソフト
オートデスクの無料ビューアソフトは、全部で4つあります。
そのうち2つは、上でご紹介したDWG TrueViewとDesign Reviewです。
ここからは、残りの2つを見ていきましょう。
Autodesk Viewer
Autodesk Viewer(オートデスクビューア)は、ブラウザで表示できる無料のビューアです。
50種類以上の幅広いファイル形式が表示できるので、図面ファイルの確認だけならこちらがおすすめです。
共有ビューを使って他のユーザーと同じ図面を確認したり、コメントをつけることもできます。(*7)
客先での提案や、現場での確認など、「ここで図面を確認してメモできればいいのに」と思う場面で使ってみてください。
タブレットやスマホからでもアクセスできるので、ブックマークしておくのがおすすめです。
AutoCAD モバイル アプリ
AutoCAD モバイル アプリは、図面の作成や編集、計測やマークアップができます。
スマホやタブレットでも使えるので、PCがなくても図面の修正やマークアップをすることができ、作業のスピードアップにつながります。
AutoCAD モバイル アプリは、月1,100円のPremiumプラン、月2,200円のUltimateプランのほかに、無料版があります。
有料プラン2つの違いは、ストレージやファイルサイズの上限です。
無料版が使えるのは7日間となっていますので、以降も使う場合はどちらかの有料プランに切り替えましょう。
AutoCADとAutoCAD LTのサブスクリプション(定期購入)には、 AutoCAD モバイル アプリのPremiumプランが含まれているので、どちらかを購入している場合は無料で使えます。
AutoCAD モバイル アプリには、iOS・Android・Windows版の3つがあり、それぞれのストアからダウンロードできます。(2021年4月12日現在)
まとめ
オートデスクの無料のビューアソフトは、大きく分けて3種類です。
・DWG TrueView、Design Review(ファイルのバージョン変換ができる)
・Autodesk Viewer(ブラウザ対応)
・AutoCAD モバイル アプリ(iOS、Android、Windows対応)
ファイルのバージョン変換ができるビューアソフトや、スマホやタブレットで表示できるビューアソフトなど、それぞれに特徴があります。
無料のビューアソフトがあれば、AutoCADがなくても図面ファイルを確認できるので、さまざまな場面で対応の幅が広がります。
オフライン作業もできるので、現場や客先など、会社以外の作業スペースでも自由に活躍させていきましょう。
使い方次第で幅広く役立つビューアソフトを、ぜひお試しください。
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◆参考URL
*1 オートデスク 「DWG ビューア DWG の概要 AutoCAD の .dwg ファイル形式」
https://www.autodesk.co.jp/products/dwg#
*2 オートデスク 「AutoCAD サポートとラーニング AutoCAD を使用せずに DWG ファイルを表示する方法」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/autocad/learn-explore/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/How-to-view-DWG-files-without-AutoCAD.html
*3 オートデスク「Autodesk DWG TrueView2022のシステム要件」
https://knowledge.autodesk.com/support/dwg-trueview/learn-explore/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/System-requirements-for-Autodesk-DWG-TrueView-2022.html
*4 オートデスク 「DWG TrueView サポートとラーニング Autodesk DWG Trueview を使用して .dwg ファイルのバージョンを変換する」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/dwg-trueview/getting-started/caas/simplecontent/content/using-autodesk-dwg-trueview-to-convert-dwg-file-version.html
*5 オートデスク 「AutoCAD サポートとラーニング 概要 – 旧図面ファイル形式に変換する」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/autocad/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2021/JPN/AutoCAD-Core/files/GUID-0E8A86C9-CCFB-455C-8693-E3380359D31C-htm.html
*6 オートデスク 「AutoCAD サポートとラーニング AutoCAD のバックアップファイルから復元したい」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/autocad/troubleshooting/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/kA93g0000000as0.html
*7 オートデスク 「AutoCAD サポートとラーニング 概要 – 共有ビュー」
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/autocad/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2019/JPN/AutoCAD-Core/files/GUID-459FD977-18F2-46C4-B238-B91E6DC27536-htm.html