apple watch のディスプレイが変わる!? 有機ELを超えるMicroLEDとは
iPhoneと連携させて、その機能の多くを手元で操作できるapple watch。
2017年9月には最新の『Apple Watch Series3』も登場して、iPhoneを一緒に持ち歩かなくても遠隔で連携できるようになっただけでなく、通話も可能な『GPS + Cellularモデル』もラインナップされました。
そんなapple watch が更に進化を遂げようとしています。
時計型でディスプレイが小さいため、ユーザビリティの大きな要因となるディスプレイの性能。それを現在の有機ELから次世代技術の『MicroLED』に変えて、さらにクオリティを高めようという計画が進んでいるのです。
次世代のapple watchとAppleの戦略。その展望を追いました。
有機ELを超えるMicroLEDとは?
電気を流すと発光する有機物質を使うことで、液晶のような厚いバックライトが不要となって、驚異の薄型ディスプレイを実現した有機EL。
それでいて、美しく鮮やかなカラーと明暗がくっきりしたコントラストは、従来の液晶をはるかに上回ります。そのため、現在のapple watchのような小型で鮮明なディスプレイの実現に貢献しました。
この有機ELを超える次世代の新技術として注目されているのが『MicroLED』です。
その秘密はμm(ミクロン/100分の1ミリ)単位にまで細分化されたLEDを高密度で配置していること。これにより、有機ELよりも更に鮮やかなカラーと明暗に加えて、長寿命と省電力まで実現したのです。
MicroLEDを採用したデジタル製品には、既にサムスンの『THE WALL』があります(146インチの超薄型テレビ)。ですが、Appleはこの新世代の技術によるシェア争いを制するべく、MicroLED関連の特許を韓国で34件も申請したそうです。
つまり、「MicroLEDに関してはサムスンの先を行ってみせる」という強い意思表示をしたのです。
Appleは、現在フラッグシップモデルである『iPhone X』の有機ELディスプレイの供給をサムスン1社に頼っています。そのため「サムスンへの部品依存から脱却したい」という意図と、かつて泥沼の訴訟合戦となってしまった「サムスンとの特許紛争の二の舞を避けたい」という思惑があるのでしょう。
このような戦略から、apple watchをはじめとする今後のApple製品にはMicroLEDを採用した新モデルが続々と登場すると考えられます。
apple watchのディスプレイはMicroLEDの導入でどう変わるのか
それでは、いざMicroLEDが採用された新型apple watchはどのような物になるのでしょうか?
まずはディスプレイの『輝度』が大幅に高まることによって、直射日光の下でも画面が鮮明に見えるようになるでしょう。屋外でのスポーツやレジャーなど、様々な場面での利便性が高まると見られます。
また、有機ELの大きな欠点である「焼き付き」が起きにくくなるため、画面の変色や色あせなどの劣化が起きにくくなります。加えて先ほど述べた長寿命化と省電力化によって、全体的な性能が向上するだけでなく、それを長い間維持できるようになります。
ディスプレイが小さいため、その性能がユーザビリティの大きな要因となるapple watch。有機ELを超えるMicroLEDの導入は、おおいに歓迎すべき進化だと言えます。
MicroLED版のapple watchはいつ実現するのか
アメリカの大手経済メディアBloombergの2018年3月の報道によると、Appleは既にMicroLED用の開発工場を新設して、実用化に向けた生産に乗り出しているそうです。
もっともこのプロジェクトが軌道に乗るまでには多くの挫折や紆余曲折があったため、実際にapple watchにMicroLEDが搭載されるのは、早くても3年後だと見られています。
そうなると、2020年~2021年あたりだと思われます。その頃にはapple watch自体も2,300万台にまで売り上げを伸ばすと目されているため、ユーザーの満足度も高まりそうです。
MicroLEDの数少ない欠点は、価格が有機ELの4~6倍と高額なところ。ですがapple watchが更に普及してユーザーが増えたなら、コストの削減も期待できるでしょう。
市場の拡大をも見込んだAppleの技術戦略。今後もその進化から目が離せません。
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