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2020年5G導入、LANDLOGが拓く建設業界の未来

2020年の訪れまでいよいよ3か月ほどに迫ったこの秋、「5G」というワードを見聞きしたことがないという人は、ほとんどいないと思います。

そして2018年3月公開された、プラットフォーム「LANDLOG(ランドログ)」。

ここでは5GとLANDLOGが、労働力不足が深刻な問題となっている建設業界に起こす改革を以下の内容でお話します。

①LANDLOGとは?
②株式会社ランドログの概要
③2020年5G導入、建設業界が取り組む大改革

LANDLOGとは?

技術者の高齢化や人口減少による労働力不足が深刻な問題となっている建設業界。
2016年4月、国土交通省からは建設現場の生産性改革を目指し「i-Construction~建設現場の生産性革命~」が公表されています。
その具体的内容を一部抜粋してご紹介します。

引用URL_i-Constructioc ~建設現場の生産性革命~ 国土交通省pdf p.37

ところで、i-Constructionを進めるに当たり急務となったのが、建設生産プロセスのICT活用の推進でした。

一方、建設生産プロセスには様々な専門の工事関係者が携わるわけですが、各工事の各種データは事業者ごとに管理されています。
建設工事の安全性、効率化、そして利益の最大化を実現するためには、それらのデータは建設生産プロセス全体として一元的に管理され最適化される必要があります。

そこで必要となるのが、全体のデータを堅牢・安全な環境で蓄積・提供できるプラットフォームです。
「LANDLOG(ランドログ)」はそのプラットフォームとして、2018年3月、株式会社ランドログからアプリケーション開発プロバイダー向けに公開されました。

アプリケーションプロバイダーはLANDLOGに蓄積された様々なデータを活用し、アプリケーションを開発することができます。
それが施工会社をはじめ多くのユーザーに提供されることによって、安全で生産性の高い未来の現場の実現が加速することが、LANDLOGの狙いです。

以下、その概念をNTTドコモの報道発表資料から抜粋してご紹介します。

引用URL_報道発表資料:建設生産プロセス全体をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG」の共同企画・運用を決定|お知らせ|NTTドコモ

株式会社ランドログの概要

プラットフォームLANDLOGを企画・運用するのは、株式会社ランドログです。
株式会社ランドログは以下の4社が運営する合弁会社で、設立は2017年10月です。

・株式会社小松製作所(代表取締役社長:大橋徹二、以下、コマツ)
・株式会社NTTドコモ(代表取締役社長:吉澤和弘、以下、ドコモ)
・SAPジャパン株式会社(代表取締役社長:福田譲、以下、SAP)
・株式会社オプティム(代表取締役社長:菅谷俊二、以下、オプティム)

コマツのIoTの取り組みを長年支えて来たNTTドコモ、SAP、オプティムが建設業界の労働力不足の解決に向け、新しいプラットフォームLANDLOGを共同で企画・運用するべく、株式会社ランドログを立ち上げました。

各社はそれぞれの強みを持ちより、プラットフォームLANDLOGの創出・強化に取り組みます。

各社の役割

ドコモの報道発表資料から、各社の役割を引用します。

引用URL_報道発表資料:建設生産プロセス全体をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG」の共同企画・運用を決定|お知らせ|NTTドコモ

2020年5G導入、建設業界が取り組む大改革

5Gは、「5th Generation」の略で「第5世代移動通信システム」を意味しますね。
2019年9月現在、NTTドコモの他、au、ソフトバンクが2020年春の導入を予定していますが、実際、4Gと5Gにはどんな違いがあるのでしょうか?

1.4Gと5Gとの違い

4G(第4世代移動通信規格)と5Gの大きな違いは、次の3つです。

(1)通信速度の飛躍的向上
(2)遅延の減少
(3)同時接続数の増加

以下、それぞれについて説明します。

(1)通信速度の飛躍的向上
5G通信速度は、4Gの通信速度の100倍以上になると予測されています。
たとえばこれまで5秒かかっていたデータ通信が、0.05秒になるということですね。

(2)遅延の改善
通信速度が速くなれば、当然ながら送受信間の遅延が改善され、データの送受信がリアルタイムで行えるようになります。
実際に現場で把握され送信された情報が、ほぼ遅延なく受信者に届く…、色んな夢が広がります。

(3)同時接続数の増加
昨今、ワイヤレルで通信すること、通信できる機器が大変増えていますね。
スマホやPC以外にも、IoTの普及により様々な通信がワイヤレスで行われるようになりました。
4Gでは対応できない大容量の情報が、5Gなら対応可能になります。

2.コマツと繋がる5G

コマツはこれまで、機械のみならず、土、人を含めた施工現場の様々な情報をIoTで繋ぎ電子データによる「見える化」を実現してきました。
それらの電子データがドコモの5Gと繋がることで、遠く離れたオフィスからでも現場の状況をリアルタイムに把握しながら、正確・安全・効率的に施工、施工管理することが可能になります。

3.無人建設機械の遠隔操作

コマツとドコモはによる、5Gを活用した無人建設機械の遠隔操作システムの実証実験がどんどん進んでいます。

例えばブルドーザー。
無人ブルドーザーには5Gの通信機器や複数のカメラが搭載されており、遠隔操作を行うコックピットのモニターには、5Gで伝送された現場の複数の映像が映し出されます。
検証されているのは、リアルタイムの送信です。

またコマツの最新のICT建機には自動制御機能が備わっていますが、遠隔操作によって誤差僅か数センチレベルの高精度な情報化施工及びその施工管理を、低遅延の5Gを使って行う検証もしています。

今後も操作性や安全性を見極めながら2020年以降の実用化を目指し、実証実験は繰り返されます。

3.高度な操作スキルも自動制御システムで

ところで、システムの構築ができたとしても、建設機械を操作する高度なスキルがなければ実際の機械を操作することは容易ではないのでは?という懸念が生じます。

しかしその懸念は、コマツが開発した「スマートコンストラクション」によって解決しています。
それは、予め設計した3次元図面を設定することで、建設機械の自動制御を可能にするというものです。

まとめ

5GとICT建機が繋がって拓かれる未来。
その背景にある労働力不足という深刻な問題を思うと、こんな言い方は不謹慎なのかもしれません。
しかし、重量感のある無人の建設機械が安全で緻密な仕事を効率的に行っている土木現場の様は、想像するだけでワクワクしますね。

参考URL
i-Constructioc ~建設現場の生産性革命~ 国土交通省pdf
報道発表資料:建設生産プロセス全体をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG」の共同企画・運用を決定|お知らせ|NTTドコモ
報道発表資料:コマツとNTTドコモ、5Gを用いた建設・鉱山機械遠隔操作制御システムの開発に向けた実証実験を開始|お知らせ|NTTドコモ

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