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建設業界を手助けする「LANDLOG」とPartner制度とは?

私達の身の回りでは、技術の進歩により、IoT(Internet of Things:モノのインターネット化)がより身近な存在になりつつあります。IoTは家電製品などの”モノ”と”インターネット”をつなぐことで、さまざまな情報をクラウド上へ収集し、データを解析したうえで人に応じた最適なフィードバックを得られるという仕組みです。

そんな便利なIoT技術を未開の地である建設業界へ導入しようと、株式会社LANDLOGがオープンプラットフォームを作り出そうとしています。
今回はそんなLANDLOGについて、提供されるサービスやLANDLOG Partnerの仕組みについてご紹介します。

この記事を読むと以下の3つのことが分かります
・LANDLOGで提供されているサービス
・LANDLOG Partnerの仕組みや詳細
・LANDLOG Partnerになる方法

LANDLOGとは?

LANDLOGとは、建設生産にかかわる建設機械や地形など常に変わりゆく”モノ”のデータを”コト化”することで、デジタル化・生産性の向上を狙うオープンプラットフォームです。小松製作所、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムの4社による合併会社「LANDLOG(ランドログ)」が提供しています。

今までの建築生産では全体のプロセスを見通しづらい点が問題点になっていました。たとえば、現場では建築機械を利用しますが複数メーカーの併用がほとんどです。データを管理するにはメーカーごとのサイトを利用する必要があるため、情報を一元化する手間が掛かります。

しかしLANDLOGを利用すれば、建設現場における重機械や作業者など、複数のポイントから集められたビッグデータが分析された状態でパートナー企業へ3Dデータ・API化して提供される仕組みです。

「技術はあっても開発に必要な参考データを集められない」という企業にとって、ビックデータが提供されることは大きなメリットだといえます。Google PlayやApple storeの建設会社向けサービスというイメージが近いでしょう。

建設生産のIoTは政府も注目

国交省では「i-Construction」と呼ばれるICTを建設現場へ導入する取り組みも行われています。*1
同プロジェクトでは建設プロセスをICT化することで、効率的に業務を行い、建設業界の人手不足を解消することが目的です。

現在建設業界は人手不足の煽りを受けており、2015年度時点で330万人いる技能労働者数は2025年までに286万人まで減るとも言われています。そのうえ若手の人材が少ない傾向にあるため、今後の建設業界には人材不足を補えるIoTの効率化、ひいては生産性の向上が課題になっていると政府は睨んでいるようです。*2

LANDLOGで提供されているアプリ

政府も注目している建設業界のICT化。オープンプラットフォームとして注目を集めているLANDLOGではPartner企業が開発したアプリが提供されています。その一部を見ていきましょう。*3

・Generation-Eye(Atos株式会社)
スマートグラスのカメラを通して、遠隔地からオペレーターが作業を支援できる。

・フォレストスコープ(オプティム株式会社)
コマツのEverydayドローンを使った空撮画像により、森林の本数や位置座標、樹高など資源量をチェックできる。

・スマートコンストラクション(株式会社小松製作所)
人・建機・現場の生産プロセスを3Dデータ化でつなぎ合わせ、測量から検測まで一元可視化・操作できる。

・Building MORE(ビルディングサポート株式会社)
建設会社と顧客を繋ぎ、リアルタイムで工事の進行度をオープンに確認できる。

LANDLOGではこのように現場の効率化を図るさまざまなアプリが提供されているのです。また、1社だけでは解決できないような問題を建設業界全体で協力するため、LANDLOG Partnerを募集して共創活動を目指しています。

LANDLOG Partnerとは?

LANDLOGで提供されているアプリは一般ユーザーでも無料で一部サービスを利用したり、製品を購入したりできます。一方でLANDLOGでは「LANDLOG Partner」というパートナー制度を導入しており、3つの観点からサポートを受けられる有料会員になることも可能です。

株式会社オプティムの「2019年3月期 通期決算短信」によると、2019年3月期時点でLANDLOG Partnerは58社存在します。*4

LANDLOG Partnerは3つにカテゴライズ

3つのカテゴリに分けられたLANDLOG Partnerは以下のとおりです。

・ビジネスパートナー
建設業を始めとする各業界におけるプラットフォームの活用方法を提案し、ビジネス提供主体となるパートナー

・ソリューションパートナー
ビジネスパートナーのビジネス展開に必要な、コンサルティングやインテグレーション、ソリューションやデータ提供を担当するパートナー

・IoTデバイスパートナー
LANDLOG Platform上で動作するデバイスを提供するパートナー
引用*5

LANDLOG PartnerになるとLANDLOGのサービスを利用できるだけでなく、技術面の問題や、一部選考に通れば開発資金サポートを受けることも出来ます。*6また、デバイス開発に必要な技術サポートなど、LANDLOG Partnerであればさまざまな面で大きなメリットを受けられるでしょう。

何よりも特徴的なのは、建設業者以外でも参加できるということ。たとえば、開発力のある企業がビジネスパートナーとしてLANDLOGへ参入した場合は、IoTデバイスパートナーから提供されるドローンや通信モジュールなどのデバイスを利用することが出来ます。

LANDLOGで集められたビッグデータなどと合わせて、LANDLOG PartnerになればIoT環境開発の後押しを受けられると言えるでしょう。

LANDLOG Partnerは有料会員

2018年2月20日に行われた先行ユーザー向け説明会では、LANDLOG Partnerに会員ステータスがあることを発表しています。*6 会員ステータスはLANDLOGをフル活用出来る「エクセレント」と、一部機能が制限される「スタンダード」の2種類です。

LANDLOG Partnerへ参加した初年度では会員ステータスが自動的に「エクセレント」となります。次年度以降はLANDLOGプラットフォームへの貢献度に応じて会員ステータス「エクセレントースタンダード」間で移行する仕組みです。エクセレントパートナーになるには、LANDLOGと共にビジネスを創っていく姿勢や、継続的な貢献が判断材料となるようです。

そんなLANDLOG Partnerの会員ステータスはどちらも有料となっており、年会費がエクセレントは30万円、スタンダードは10万円ほど。ただし、初年度に限りエクセレントステータスの年会費も10万円となる見込みになっています。

初年度は1ヶ月あたり1万円以下となっているため、有料会員とはいえ比較的参入しやすい価格帯設定だと言えるでしょう。

LANDLOG Partnerは建設業者だけじゃない!

LANDLOGは建設業界に重きを置いたIoTのオープンプラットフォームですが、参入企業は建設業者だけではありません。すでにパートナーとして名を連ねる企業の中には保険会社や商社、アプリケーションの設計開発業者まで参入しています。

さまざまな分野の企業が参入することで建設業界プラットフォームの基盤になるとして、「日経優秀製品・サービス賞2019」で見事LANDLOGが最優秀賞を獲得しています。

給油会社向けに、給油が必要な建機を最適ルートで割り出すサービスや、データを活用し建設現場のリアルタイムの状況が分かる工期管理ソフトなどサービスも増えつつある。今後建機の稼働状況を見える化し、保険サービスに反映させるなど発展性も見込める。*引用7

実際にLANDLOG Partnerには東京海上日動火災保険も参入しており、LANDLOGの事故データや培ったノウハウをもとに緊急医療サポートを受けられる仕組みが作られています。

高い注目を集めているLANDLOGであれば建設業界へさらなるIoTの浸透、最終的には各分野の協力によるソリューションによって、建設業界の課題を1つ1つ解決することが出来るのかもしれません。

LANDLOG Partnerになる方法

LANDLOG自体はオープンプラットフォームですので、そのままでも法人新規登録を行うことでサービスを利用することが出来ます。一方で、LANDLOG Partnerになる詳細な条件は一切公開されていません。

LANDLOGの導入に関する質問や資料請求を希望する場合、また、LANDLOG Partnerになることを希望する場合は「LANDLOGの問い合わせフォーム」より申し込むことが出来ます。
出典:https://www.landlog.info/contact/

手続きは担当者を通して個別に行うため、興味を持つ事業者様は一度申し込んでみるのも1つの手段でしょう。

ただし、LANDLOG Partnerの会員ステータスから判断すると、単なるデータ収集での加入はあまり好まれていないと予測できます。データを使った競合が目的ではなく、ビジネスやサポート、業界が抱える問題の解決をともに行える企業を期待しているかもしれませんね。

まとめ

LANDLOGは建設業界に新しい風を吹かすプラットフォームとして注目を集めつつあります。そんなLANDLOGに興味を持ち、LANDLOG Partnerへ参入する企業も少なくありません。LANDLOG Partnerになれば便利なサポートを受けられるだけでなく、建設業界が抱えている課題へ積極的に関わる事ができるでしょう。

*1国土交通省「i-Construction」
http://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/index.html

*2国土交通省「建設産業の現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf

*3 LANDLOG公式サイト
https://www.landlog.info/

*4 株式会社オプティム 「2019年3月期 通期決算短信 補足説明資料」
http://ke.kabupro.jp/tsp/20190515/140120190515428216.pdf

*5 LANDLOG 「建設生産プロセスの変革を加速するパートナー制度「LANDLOG Partner」の提供を開始」
https://www.landlog.info/news/20180220/

*6 ITmedia「ランドログは“破格”の建設IoT基盤に「新しいことをどんどんやってほしい」」
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1802/22/news052.html

*7 日本経済新聞「日経優秀製品・サービス賞2019」
https://www.nikkei.com/edit/news/special/newpro/2019/page_1.html#1-4

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