7D BIMを利用した維持管理
建物を建てるためには設計料や建設費など大きな金額が動きます。費用として注目されるのは建物を建てるまでのイニシャルコストですが、建物は建てたら終わりではなく建設後も維持管理が必要となりランニングコストが掛かります。
イニシャルコストを抑えるために設計をしても、そのせいでランニングコストが掛かる仕様になってしまっては意味がありません。BIMが推進される理由として企画から維持管理までを総合的に行えるという理由もありますが、実際維持管理の面ではどのようなことができるのか紹介します。
BIMとは
BIMとは簡単に言ってしまうと、コンピューター上に3次元のモデルを作成し、設計から維持管理を行うワークフローのことです。今までは2次元で設計し、3DCGを作成していましたが、BIMでは3次元のものを作成し2次元の図面にするのでアプローチが逆になります。そして今までの3DCADと違うのは3Dモデルに情報が含まれているという点です。
部材、設備の情報等が含まれているため仮想空間に建設したモデルを用いてあらゆるシミュレーションができます。仮想空間でのシミュレーションを可能とするのは3次元を超えた多次元のBIMの存在があります。
7D BIM
今までは2次元だったものが3次元(3D)へと進化していますがBIMではその先が存在しています。スケジュールなど時間軸を付加した4D、コスト情報を付加した5D、環境に配慮する持続可能性を付加した6D、そして建設後のライフサイクル管理を付加した7Dです。それぞれ重要となってきますが、維持管理に関する7Dについて詳しくご説明します。
7D BIMでは以下のことが期待されます。(注1)
・設備機器情報
建物で利用している設備を管理します。点検や交換になった際もモデルに情報が含まれているためスムーズな対応が期待できます。
・製品の寿命予想
建物内で利用する設備は定期的に点検が必要ですし、いずれ寿命が来ます。点検時期や交換時期の管理をモデルを用いて一括で行うことができます。
・会社の管理
施工を行った会社や設備の設置を行った会社を管理できます。何かトラブルや数年後に再依頼を出す可能性もあり、管理がしやすくなります。
上記のものは7D BIMの一例で他にも様々な期待ができます。今後可能になることも増えていくでしょう。
まとめ
今回はBIMを用いた維持管理についてまとめました。企画から維持管理まで行うことができるBIMですが、その中には4D~7Dという多次元のBIMが存在しています。維持管理を効率よく行うためには、膨大な量の情報処理作業が必要です。手間と時間を費やさないため、BIMを用いた建物の維持管理には期待が掛かります。
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参考文献
注1 BIMのさまざまな側面
https://www.openlm.com/Japan/bim%E3%81%AE%E3%81%95%E3%81%BE%E3%81%96%E3%81%BE%E3%81%AA%E5%81%B4%E9%9D%A2/