ソフトバンクがARMを買収した理由
ご存知の方も多いと思いますが、ソフトバンクグループが英国の半導体開発メーカーARM(アーム)を約240億ポンド(約3.3兆円)で買収すると発表しました。
ARM買収の提案に関する発表情報(ソフトバンクグループ)
約3.3兆円という巨額の買収劇で注目を集めていますが、その買収の意味するところはとても重要です。
なぜなら、ソフトバンクグループがARMを買収した最大の狙いは、あらゆるものがインターネットにつながるIoT時代の本格的な到来に向けた先行投資を見据えてだからです。
現在、ARMが設計したチップは、スマートフォンを始めとするモバイルデバイスやウェアラブル端末では高いシェアを誇っており、たとえば、iPhoneに搭載されている「A9 プロセッサ」には、ARMv8(64ビット)が採用されている。Androidスマートフォン向けの、クアルコムやサムスンの製品にもARMのテクノロジが広く使われてます。
2015年だけでもARMベースのチップが148億個出荷されていますが、孫正義氏は、記者会見の中で
「これから20年以内にARMは1兆個のチップを地球上にバラまくことになるだろう」と語っており、並々ならぬ期待と展望を語っています。
また、そのためにも英国における雇用を今後5年間で2倍にするという方針を進めているとのことです。
今回、ソフトバンクグループが巨額の資金でARMを買収したことで、IoT分野に資金が流入していくことは確実です。特に今後は、自動運転機能を中心とした車載系の需要が伸びると予想されいます。それはスマホの次に来るであろう巨大な市場として注目を浴びている分野です。
ソフトバンクグループの今回の買収が、世界のIoTの発展を加速させることは間違いなさそうです。