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サービスはWEBからスマホアプリへ

インターネットサービスのメインは、WEBブラウザで動くものから、スマホアプリに移りつつあります。
WEB系言語でのハイブリッド開発が可能になった現在、スマートフォンアプリ開発会社として事業を行うWEBベンダーも増えました。
現在では金融系などの高いセキュリティ性能を求められる分野はもちろん、業務系アプリや事業系サービスアプリなど、ほぼ全てのジャンルでスマホアプリが活用される「アプリファースト」の時代になっています。

■「アプリファースト」化の背景
インターネットサービスの「アプリファースト」化は、PC所有率の低下とスマートフォン所有率の大幅な伸びが関係します。
情報端末の普及率は、毎年総務省が調査、発表をしています。平成27年度時点で発表した結果によれば、

・PCの普及率:78.0%
・スマートフォンの普及率:64.2%

でした。
一見するとPCのほうが普及しているように見えるかもしれません。しかし、PCはスマートフォンが市場に普及を始めた平成22年以降から普及率が低下、ピーク時(平成21年)の87.2%から10%近くダウンしています。
それに対してスマホは、平成22年の9.7%からわずか5年間で64.2%です。若い世代にとっては、初めて触れる情報端末がスマートフォンというのが当たり前の時代になっています。
このような事情を背景に、ユーザーフレンドリーでセキュアなインターネットサービスのためには、スマホアプリの活用が欠かせなくなっています。

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「図表7-2-1-1 情報通信端末の世帯保有率の推移」

■WEBブラウザサービスの問題とスマホアプリの利点
また、WEBブラウザサービスがメインだった時代は、セキュリティに関して大きな問題点がありました。

フィッシングサイト
とくに大手銀行や通販会社のWEBサービスに関するトラブルで多かったのが「フィッシングサイト」問題です。
フィッシングサイトとは、サービス運営者を装った偽装メールなどでユーザを誘導し、IDやパスワード、クレジットカード番号などを入力させる「釣り(フィッシング)」行為を目的とした「本家そっくりななりすましWEBサイトのことを言います。
電子証明書や暗号化技術などである程度の安全性を示すことは可能になりましたが、それでもユーザ側に高い情報リテラシーが求められていました。
一方、スマホアプリは、外部WEBサービスとの連携を必要としません。スマホアプリそのもののクラッキングや「なりすまし偽アプリ」のリリースは現実的に非常に困難です。アプリ内で操作が完結している限り、フィッシングの懸念はほとんどありません。

暗号化されていないWi-Fi環境
新幹線のホームや空港などの交通拠点、あるいは大手量販店やカフェなどには、無線LAN環境を整備している場所が少なからずあります。
しかし、これら「公共の無線LAN環境」の中には、パスワード管理や暗号化非対応の通信環境になっている場合もあります。最悪の場合、同じネットワークにつながっている他人のPCの中身が丸見えになっている、というケースもありました。そのような場合、重要な業務データのやり取りを公共Wi-Fiで行うことはご法度です。
スマホアプリは業務系・ゲーム系ともに、基本的に全ての情報を暗号化し、外部からの「のぞき見」を不可能にしています。

■スマホアプリ開発時の注意点
以上、気軽に便利に、そしてセキュアにインターネットサービスを利用するためにはスマホアプリが最適である理由を解説しました。
ただし、現行のWEBサービスをスマホアプリにリプレイスすることを考えたとき、単純な「置き換え」だけでは不十分です。スマートフォンアプリ開発会社への発注やヒアリングの際には、以下の点について十分に確認しましょう。

シームレスな操作性
PCとくらべてスマホはインターフェイスに限りがあります。
まず、画面がPCよりもずっと小さくなるため、WEB版のように、複数のカラムで大量の情報を掲示することには向きません。文字は大きく、1画面に表示する情報は厳選して、詳細な情報への誘導は、階層化によって行いましょう。
また、キーボードが必要なほどの長文入力や外部デバイスからのデータ取り込みは、操作が煩雑になります。指紋認証やワンタイムパスワードの発行、スマホカメラからの映像取り込みなど、スマホならではの機能とフルに連携し、全ての操作が「普段通りのスマホ操作」で完結できるような仕組みを作りましょう。

偽装メール・フィッシングへの対処
スマホアプリにおいても、WEBサービスにおける「フィッシングサイト」と同様、運営になりすましたメールでユーザからIDとパスワードを聞き出そうとする攻撃が存在します。
アプリ内ですべての操作を完結させ、メールからブラウザへの誘導をしない仕組み作りやアプリ内メッセージ(プッシュ通知)などでユーザへの注意喚起を行うなどして、アプリインストール後のユーザが戸惑わないようにしましょう。

 

 

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