アップルペンシルの代用品にサードパーティ製アクティブスタイラスペンを購入する際の基礎知識
アップルペンシルは第2世代が発表され、より高性能になりました。ただ、価格が1万5,000円近くもするため、手頃な代用品を求めたくなります。そこで検討したいのが、サードパーティ製のアクティブスタイラスペンです。最新のアップルペンシルと比較しながら、サードパーティ製品を購入する際の注意点について解説します。
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アクティブスタイラスペンとアップルペンシル
アップルペンシルは、iPad Proと2018年発売の第6世代iPadで使用できるアップル純正のアクティブスタイラスペンです。
アクティブスタイラスペンは、ペンの先端を細くしたタッチペンの一種です。スマートフォンやタブレット端末のタッチパネルは表面に触れたときに生じる静電気の量を検知して動作に反映させています。タッチペンはペン先を細くすると静電気の量が足りずタッチパネルが検知しないため、ペン先を太くしなければなりません。アクティブスタイラスペンはペン先を細くしてもタッチセンサーが反応するよう、先端に静電気を発生させて感度を補うしくみになっています。これにより、指先で動かすのと同等の操作ができ、鉛筆やボールペン並みの書き心地を実現しています。
アップルペンシルはこのアクティブスタイラスのしくみを拡張し、使い心地をさらに向上させています。公表はされていませんが、iPadの内部には特殊な回路とソフトウェアが組み込まれていて、アップルペンシルで描画したときの筆跡や筆圧の強弱を高感度で検知できるようにしているといわれています。つまり、アップルペンシルとiPadは一心同体で動作することによって、繊細な描画ができるというのです。
アップルペンシルは第2世代に、iPadとの操作性が強化
2018年10月、アップルはアップルペンシルの第2世代を発表しました。第2世代のアップルペンシルは、初代よりも描画処理が高速になっただけでなく、筆圧のかけ方によりペンの太さを変えられたり、ペンを傾けたときに濃淡を出せたりもできるようになりました。
さらに、ペンを握ったまま人差し指で軸をタップするとブラシのサイズを変えることができます。このタップ処理はカスタマイズして変更できるようにもなっています。筆記や描画だけでなく、スリープの解除やアプリの操作もアップルペンシルを通じて行うことができます。
第2世代のアップルペンシルの詳細については、アップルのウェブサイトをご覧ください。
▽そもそもAppleペンシルってどんな感じ?
互換性と価格がアップルペンシルの難点
アップルペンシルはiPadの能力を最大限に引き出せます。その反面半面、短所もあります。
1つ目は互換性です。アップルペンシルは初代と第2世代それぞれ、使用できるiPadの機種が決まっています。
初代のアップルペンシルが対応しているのは、2018年10月以前に発売されたiPad Proと第6世代のiPadのみです。一方、第2世代は2018年10月末に発表された新型のiPad Proのみしか対応していません。また、2018年10月発表の新型iPad Proでは初代のアップルペンシルは使えません。そのため、新型iPad Proを購入してアップルペンシルを使用したい場合は、第2世代のアップルペンシルも購入する必要があります。
2つ目は価格です。初代のアップルペンシルは10,800円、第2世代は14,500円と、どちらも1万円以上もするため高価です。純正のキーボードであるSmart Keyboardもそろえると周辺機器だけで3万円前後かかります。頻繁に使わない人にとってはアップルペンシルを買うのをためらってしまいます。
代用品の候補はサードパーティ製のアクティブスタイラスペン
iPadで手軽にペンを使いたいと思う人にとっては、互換性よりも価格が最大のネックとなるでしょう。もっと手軽に使える代用品があればよいと思うはずです。その有力候補となるのが、サードパーティ製のアクティブスタイラスペンです。
サードパーティ製のアクティブスタイラスペンも、先端が細くボールペンのような形をしています。基本的な動作原理はアップルペンシルと同じです。先端部に静電気を発生させてタッチパネルの反応を高めることで、繊細な筆記や描画がしやすいように作られています。
アップルペンシルとの違いはiPadとのハードでの連携がない代わりに、製品によってはアプリとの連携をもたせている点です。連携しているアプリ上で使用するとBluetoothを通じて筆跡処理を最適化します。それにより、ペンで触れた位置と描画位置を精度よく一致させることができ、忠実な手書きや線画を実現することができます。
サードパーティ製アクティブスタイラスペンは、現在市販されているタブレットであれば共通して使えます。アップルペンシルに対応していないiPad Airシリーズでも使用できるほか、Androidタブレットとの併用もできます。
価格もアップルペンシルほど高くはありません。安価なもので、2千円程度、性能のよいものでも1万円以下で購入できます。万一紛失してしまっても買い替えの負担は軽いといえるでしょう。
代表的なサードパーティ製のアクティブスタイラスペンは次の通りです。
ワコム BAMBOOシリーズ Tip, Sketch, Fineline
プリンストン PSA-TPR02MB, PSA-TPA2PRO
アドニット INK, DASH 3, PIXEL, PIXEL PRO
これら以外にもたくさんのメーカーが製品を発売しています。
サードパーティ製アクティブスタイラスペン購入の注意点
サードパーティ製のアクティブスタイラスペンを購入する際は注意する点があります。
最も重要なのは対応機種の確認です。アクティブスタイラスペンは同じメーカーが複数の製品を販売していて、高精度な描画ができるものは対応機種が決まっています。事前に対応表を見るなどして自分のタブレットで使えるかを確かめておくようにしてください。
次に気をつけたいのは、用途別に製品がある点です。メーカーによっては手書きメモ用とイラスト用に特化した製品を用意しています。製品を購入する際は、自分の用途に合ったものを選ぶのが大切です。
あくまでも代用品であることを念頭に
サードパーティ製のアクティブスタイラスペンは安価な代わりに、使い勝手はアップルペンシルに劣ります。
使用上で特に気になるのは、思い通りの描画ができない点です。Bluetooth接続をして最適化処理をしない単体動作のアクティブスタイラスペンでは、タッチパネルにペンを触れた位置ではなく、若干ずれた場所に描画されることがあります。イラストを描く際はこの位置ずれのために何度も描き直しをせざるを得ず、ストレスを感じるかもしれません。
また、高性能の製品でもペンが触れてから線が表示されるまでに若干の遅れが発生することもあります。描画の遅延は、すらすらとメモ書きをしたい人には使いにくさを覚えます。
アップルペンシルは、ペン本体とiPadが連携して描画処理を最適化しています。そのため、描画の位置ずれや遅延は起きにくいです。高いだけのことのことはあって使い勝手はアップルペンシルのほうが他社製品よりも勝っています。
サードパーティ製のアクティブスタイラスペンをiPadで使うときは、あくまでもアップルペンシルの代用品であることを念頭に置くのが肝要です。そして、少々の使い勝手の悪さは妥協して使うのが望ましいでしょう。
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