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Apple Pencilでトレース。さまざまな用途に使えるMorpholio Trace

原本を写し書きするトレースはデザイン制作だけでなく、プレゼンテーション用の資料作成にも有用です。かつては原画の上にトレーシングペーパーを重ねてなぞり書きしていたトレースも、今ではiPad ProとApple Pencilで同じことができ、しかもデジタルデータとして保存や二次利用も可能になりました。こうした現代ならではのトレースを実現するのが専用のアプリです。そのひとつであるMorpholio Traceを紹介します。

時代とともに進化するトレース

パソコンが今ほど普及していない頃のトレースは、半透明のトレーシングペーパーを原本にのせて、透かした絵を鉛筆やペンでなぞっていくというローテクな作業でした。トレースした絵をさらに複写するにはコピー機を使うか、あるいは紙とトレースしたペーパーの間にカーボン紙をはさみ、再び鉛筆で強くなぞって写していきました。

パソコンとイラスト用のソフト、イメージスキャナ、そしてペンタブレットが普及すると、トレースはデジタル処理されるようになりました。原本をスキャナで取り込み、画面を見ながらマウスやペンタブレットを操作してトレースできるようになり、劣化のないデジタルデータで保存できるようになりました。保存したデータは他のソフトで流用できるほか、拡大・縮小も自在にでき、トレースしたデータは活用の幅が広がりました。

しかし、パソコンでのトレース作業は技能が必要で難しく、ペンタブレットまで用意すると費用もかかります。紙での作業に近い方法で、かつ費用をかけずにパソコンで作業するのと同様のトレースができれば理想的です。

Apple PencilとiPad ProでトレースをこなせるMorpholio Trace

現代ではタブレットとデジタルペンの登場で、トレースは新たな進化を遂げています。

AppleのタブレットiPad Proと専用デジタルペンのApple Pencilは紙とペンと同じような使い心地で、筆記や描画した情報をデジタルデータとして保存できます。最近、この長所を活かしたトレースアプリが開発されました。Morpholio社の「Morpholio Trace」です。

Morpholio Trace Project

Morpholio TraceはApple Pencil専用のトレースアプリです。そのため、iPad Pro以外のiPadシリーズでは動作しません。

アプリは無料ですが、トレースをするための機能を利用するには、App内課金で月額480円または年間1,400円を支払わなくてはなりません。なお、インストールして初めて起動したときは無料試用期間が与えられます。まずは無料期間のうちに、自分に適したアプリであるか試してみるのがよいでしょう。

Morpholio Traceダウンロード(App Store)

Morpholio Traceでトレースをする手順は、アプリを起動して原本となる被写体をカメラで撮影するか、画像データを読み込みます。すると被写体が画面に表示され、Apple Pencilで輪郭をなぞっていくとトレースできます。トレースは複数のレイヤーに分けて行うこともできます。部分ごとに個別のレイヤーにトレースして、それらを上重ねして全体像を表示させるといったことも可能です。

トレースに特化したアプリだけに、Morpholio Traceには作業に便利な機能が用意されています。そのひとつが図面のトレースに便利な定規ツールです。レイヤーの上に表示される定規は指先で自在に向きを変えられ、Apple Pencilを使って直線を引くことができます。

また、トレースした画像を中抜きしたテンプレートも作成できる機能もあります。作成したテンプレートをレイヤーの上にのせて、Apple Pencilで中抜きした部分をこすると、その部分を着色することができます。

紙とペンでトレースしていたときの作業のしやすさを、iPad ProとApple Pencilで実現できるMorpholio Traceは、現代の技術を駆使したトレースツールといえます。

デザインだけでなく設計や資料作成などに幅広く活用

トレースというとデザイン関連の作業と思いがちですが、さまざまな用途に応用できます。たとえば、建築分野では設計した建物の外観だけでなく、設計図や間取り図などを写すときにトレースは用いることができます。また、モノ作りの分野では試作品の外観をデジカメで撮影して、トレースしたイラストをプレゼンテーション用の資料に流用するといった活用もできるでしょう。

手作業とデジタル処理の両方の長所を取り入れたMorpholio Traceは、仕事に大いに活用できそうです。

 

 

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