AutoCADの価格は高い?他のCADとの比較で検証
汎用CADとして、根強い人気のAutoCAD。
2016年に永久ライセンスの販売を廃止し、サブスクリプション(月額・年額などの定額料金制)に移行したことで、「ランニングコストが高い」という声もちらほら聞こえるようになったAutoCAD。
そこで今回は、AutoCADの導入にまつわるこんな疑問を解消していきたいと思います。
・いちばん安い購入価格は?
・他のCADソフトと比べて高い?
・どんな機能がある?
・もっと安く購入する方法は?
・どこで買うのが安い?
AutoCADが高いか安いか、判断する参考にしてみてくださいね。
それでは最初に、AutoCADの最安価格から見ていきましょう。
AutoCADの最安値は?
AutoCADの販売方法はサブスクリプション方式なので、購入期間が長くなるほど「一か月あたりの価格が低価格」になります。
まずは、AutoCADの価格一覧表を見ていきましょう。
AutoCADの価格一覧表
1 ヵ月 | 1 年間 | 3 年間 | |
購入価格 | 27,500円 | 220,000円 | 594,000円 |
1か月あたりの価格 | 27,500円 | 18,334円 | 16,500円 |
「1年で22万」という価格に驚く方もいるのではないでしょうか。
ですが、1か月あたりにすると18,334円。
3年間の購入なら、ひと月16,500円までコストを下げられます。
初期投資が必要ないこと、アップデートやメンテナンスが無制限で受けられることを考えると、妥当な金額といえるのかもしれませんね。
AutoCADの価格は、1ヶ月あたり16,500円が最安です。(2021年2月2日現在)
「3年間の購入が安いとしても、いきなり60万近くも払えない」という場合は、「IT導入補助金」を検討してみてはいかがでしょうか。
IT導入補助金で最大450万円の補助も
AutoCADは、ITツールのひとつ。
ソフトの購入がIT導入補助金の対象となっているので、会社が条件を満たしていれば、最大450万円までの補助が受けられます。
残念ながら個人では申請できないのですが、導入を考えている会社の方はぜひ活用してみてくださいね。
2020年度分は、年末で終了しています。
2017年から毎年実施されているので、2021年も行われると考えられます。
例年受付が始まる時期は5月ごろなので、申請に向けて準備しておくことをおすすめします。
参考:オートデスク IT導入補助金
https://damassets.autodesk.net/content/dam/autodesk/draftr/7654/2005-it-hojokin-flyer-4p.pdf
https://www.autodesk.co.jp/campaigns/it-hojo
参考:IT導入補助金2020
https://www.it-hojo.jp/
AutoCADは高い?他のCADソフトと比較
AutoCADの価格が高いか判断するために、他のCADソフトと比較してみましょう。
2D・3D作図ができるCADソフト2つの価格をご紹介します。
「Vectorworks」
インテリアや建築など、業界に特化した5つのシリーズが選べるVectorworks。
AutoCADのような汎用ソフトは、「Vectorworks Fundamentals 2021」になります。
買い切りできるスタンドアロン版に、1年間の保守サービスが追加された「Vectorworks Service Selectバンドル」の価格は、351,000円(税別)です。
2年目以降の更新は、68,000円(税別)となります。
ざっくり計算すると、初期費用35万、年間約7万ほどの価格です。
AutoCADの価格は、初期投資なし、年間約22万でした。
Vectorworksの導入は初期費用がかかりますが、年間のメンテナンス代だけで比較すると、AutoCADよりコストが低くなります。
「IJCAD」
IJCADは「AutoCADとの互換性No.1」がキャッチフレーズの、日本製のCADです。
基本バージョン「IJCAD 2020 STD」の価格を見てみましょう。
スタンドアロン版の永久ライセンスと、1年分のメンテナンスサブスクリプションは、103,125円(税込)です。
2年目以降のサブスクリプションは、20,625円(税込)です。
初期費用約10万、年間約2万ほどの価格になります。
AutoCADの「初期投資なし、年間約22万」と比較すると、IJCADならかなりコストが下げられるでしょう。
参考:IJCADは永久ライセンスですか?
https://support.ijcad.jp/hc/ja/articles/205610523
AutoCADを導入するメリットとは
「高いAutoCADにこだわらなくても、同クラスで安いCADもある」とわかったところで、改めてAutoCADの魅力を見てみましょう。
ここからは、AutoCADを導入するメリットについて解説していきます。
他のCADソフトとの違いは、圧倒的なシェア
AutoCADの強みのひとつは、圧倒的なシェアです。
家電量販店の売り上げを集めた「BCNランキング」では、16年連続のトップ。
2015年には売り上げシェアの51%を占めるなど、CAD業界のシェアを独占してきました。
AutoCADのシェアの高さは、求人サイトで検索してみてもよくわかります。
建築や設備、プラントや板金など、さまざまな業界から「AutoCADができる人」が募集されています。
今後どんな業界に転職するとしても、もちろんしないとしても、AutoCADでの実務経験は役に立つでしょう。
どんな取引先とのやりとりもスムーズに
顧客やグループ内でやりとりする図面データは、できる限り規格をそろえた方がスムーズで
す。
AutoCADの「DWG」というファイル形式は、AutoCADの販売元であるオートデスクが開発したもので、CADの標準規格となっています。
他のCADがこぞって「AutoCADとの互換性」を売り文句にしているほど、図面を扱う業務にとって、DWGとの互換性は重要ポイントです。
AutoCADは標準のファイル形式がDWGとなっているので、国内はもちろん海外とのやりとりでも十分通用するでしょう。
AutoCADをもっと安く購入するには
高いシェアと業界標準のファイル形式が扱える、魅力的なAutoCAD。
「導入したいけど価格が高いから、とりあえず価格コムで最安値を検索」という人も多いのではないでしょうか。
AutoCADは価格コムやAmazonでは販売されていない
AutoCADが購入できるのは、公式サイトと契約販売店に限られています。
Amazonでは販売されておらず、価格コムでは公式サイトの情報のみの掲載となっています。
価格を比較するところがないので、公式サイトが最安値、という状態です。
「それなら価格の落ちた旧バージョンは?」と探したくなるところですが、旧バージョンの販売は2016年に終了しています。
現在購入できるのはサブスクリプションのみで、一か月27,500円となっています。
中古やオークションに気をつけて
AutoCADでは、ライセンス譲渡は禁止されています。
もちろんコピーは違法です。
検索すると、中古やオークションサイトにもさまざまなバージョンのAutoCADがたくさん出品されています。
「この価格で使えたら助かるな」と思っても、決して手をは出さないように注意しましょう。
2DのみでいいならAutoCAD LTがおすすめ
AutoCADは2Dと3D両方の作図ができるのが魅力ですが、「2Dだけで十分」という人も多いのではないでしょうか。
2Dに限った機能でいいなら、「AutoCad LT」がおすすめです。
価格は1ヶ月あたり8,800円(税込)です。
年間にすると、68,200円(税込)となります。
AutoCAD LTなら、AutoCADよりもずいぶんコストを下げられます。
AutoCadとの違いは、3D作図機能があるかないかです。
LTでも、2Dの作図やPDFからのデータの読み込み、Webアプリやモバイルアプリも使えます。
AutoCADの導入で、コストを下げるポイントは「LTを選ぶかどうか」ではないでしょうか。
予定している業務にどちらのソフトが向いているか、ぜひ検討してみてください。
AutoCADの価格は公式サイトのセールが最安値
AutoCADを購入するなら、最安値は公式サイトのセール価格です。
年間数回、季節限定キャンペーンや定期セールが行われています。
時期は明らかにされていないので、セール情報を教えてくれるメルマガ登録が便利でおすすめです。
購入する予定がある方は、このお得なチャンスを活用しましょう。
おわりに
AutoCADの価格について、疑問は解消されましたでしょうか。
永久ライセンスなどの買い切りに慣れている方は、コストがかかり続ける定額制に納得するのが難しいかもしれませんが、常に最新バージョンが使えるというメリットもあります。
AutoCADを導入すると、今の業務にどんな費用対効果が現れるでしょうか。
これからのビジネスの展開も含めて、ぜひ検討してみましょう。
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