Google Workspaceの使い方ひとつでやりたいことが全部できるかも?Google Workspaceの特徴とは
自社サーバーを立て、ファイル共有のために社内に有線LANを張り巡らせる、、、、そんな時代ははるか昔のことになりつつあります。今やクラウドを使うことで、大抵のことができてしまう時代です。
そんな時代でも標準アプリはMicrosoftのOfficeを使っていて、アカウント数が増えるとそれだけでかなりのコストを継続的に負担している企業も多いでしょう。
さらにグループウエア導入したコミュニケーションツールの管理から社内SNSの運用、モバイル対応からセキュリティ対策まで。いつまでたってもIT担当者の負担は増えるばかではないでしょうか。
日進月歩するIT技術に対応するうちに、多くのシステムが混在することになってしまい、管理が多様化することもあります。コスト削減とか効率化のためにやっていたことなのに、トータルコストも工数も増えるばかりで本末転倒な状態になっていませんか?
このようなIT担当者の悩みは「Google Workspace」の使い方ひとつで、解決するかもしれません。今回は、Google Workspaceについてメリット・デメリットも含めご紹介していきます。
この記事でわかること
・Google Workspaceについて
・Google Workspaceのメリット
・Google Workspaceのデメリット
Google Workspaceとはなにか?
この記事で取り上げる「Google Workspace」とはどんなものでしょう。一言で言えば、「Googleが提供するクラウドベースのグループウエア」です。
では「Google Workspace」とは、一体何ができるのでしょう?一番簡単な答えは「グループウエアとして考えられる殆どの事に対応しています。」の一言に尽きます。
いくつかの条件はありますが、使い方次第では類似のサービスをまとめて賄うだけの能力を持っています。では順番に「Google Workspace」の特徴を見ていきましょう。
Officeはなくても大丈夫。充実しているアプリ群
一般的な企業で、とりあえず必要とされるアプリは「Microsoftのオフィス」ではないでしょうか。
Word・Excel・PowerPointなどが必須であり、メーラーとしてOutlookが標準セットになっています。
最近ではOffice365を利用して、クラウド対応する企業も増えています。これらのアプリの使用目的のほとんどが社内書類の作成と考えられます。
外部とのやりとりを考慮しないのであれば、何もOfficeアプリにこだわる必要はありません。社内のみであれば、同じ形式でファイル作成すればよいため、Googleが提供しているクラウドベースのアプリ群で十分に対応できます。
Googleの場合、ドキュメント・スプレッドシート・スライドとGmailがOfficeアプリの代わりとなります。Gmailには独自ドメインの設定も可能ですので、機能的にも十分対応できます。
高機能で知られる表計算の代名詞「Excel」ですが、一般的な社内文章作成でフルにExcelの機能を必要とすることはまずないでしょう。ほとんどの社員が、フォーム入力や簡単な計算式を使うぐらいではないかと思われます。
そのような使いかたであれば、Googleのスプレッドシートで十分です。Googleのスプレッドシートは決してExcelに機能的に劣っている訳ではなく、むしろネットとの融合性が良く、優れている部分もあります。
JAVAベースで使えるGAS(Google Apps Script)を活用することによって、かなり本格的なWebアプリを構築することも可能です。
しかし、外部とのファイルのやりとりが必要となる際には、気になる点がいくつかあります。取引先がOfficeを使っており、指定されたフォームや形式で文書を作成しなければならない場合などです。
官公庁関連の申請書や報告書などの多くが、Office指定となっています。現時点では、殆どの企業や官公庁において、ExcelなどのOfficeアプリが使用されていることに間違いはありません。そのためOfficeアプリを使った方が、互換性などを気にする必要もなく資料作成を行うことができますので、Google Workspaceは使う必要性を感じられないかも知れません。
しかし多少手間はかかりますが、実はMicrosoftのOfficeアプリがなくてもGoogleだけで十分対応することが可能です。
例えばExcelファイルをGoogleドライブにアップし、スプレッドシートで開いてデータ入力が可能です。さらにそのファイルを再びExcel形式でDLすることができます。
マクロなど一部対応してない機能もありますが、一般的なフォーム入力や関数などの計算式であれば殆どが対応しています。
最近では、OfficeアプリをGoogleの形式に変換しなくても、そのまま編集できる機能が実装されましたので、さらに便利になりました。このことによりOfficeのライセンスなしで、Google上での編集・保存ができるということになります。
企業であれば、Officeをボリュームライセンスとして社員分契約し、定期的にそれなりの金額を負担している所が多いと思います。
その費用分でGoogle Workspaceに乗り換えが可能であり、上手に使うことによってOfficeアプリが無くても通常業務では困らないという事になります。
データの共有やコミュニケーションツールとして活用
冒頭に書いた「社内サーバーを立て、社内 LANを構築して」という古き良き時代におけるIT導入の主な目的は、ファイルの共有でした。しかしインターネットの普及によって、「外部の専門業者でファイルサーバーを構築」することが主流となり、現在では「クラウドでのファイル共有」へと進化しています。
社内でも外部業者であっても、サーバーを自前で構築するためにはそれなりの知識や技術が要求されます。専門の業者に依頼するか、社内にITに詳しい人材を確保するかの二択となり、どちらにしてもそれなりのコスト負担となります。
しかしGoogle Workspaceを導入することによって、少なくともこのようなサーバーの構築や維持管理に関する費用的コストと、時間的コストを削減することが可能です。
サーバの構築や管理については、世界最高水準のエンジニアを抱えるGoogleが行ってくれます。契約している会社は、業務に直接関係するような作業に集中すれば良いだけとなります。クラウドを活用する一番のメリットはこの部分にあるのではないでしょうか。
IT技術の進化とインターネットの普及が、ビジネスにもたらした変化の一つとして、「スピーディな意思決定」ができるようになったことがあげられます。
現在、情報の共有と緊密なコミュニケーションにより、重要な意思決定を迅速に行うことが、競争に打ち勝つために必須となっています。
物理的に稟議書を回して、社内プレゼンでスケジュール押さえる、そんな手間暇をかけている間にせっかくのアイディアが陳腐化してしまう世の中です。
Google Workspaceでは、オンライン会議システムや社内SNSを活用することで、物理的な空間の制約をなくし、リアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能です。
最大100人まで参加可能なビデオチャット「Meet」から、1対1はもちろんグループチャットまで対応する「Chat」、さらにGoogleカレンダーを使ったスケジュールの共有や「HungOut」を使ってのテレビ会議など、Google Workspaceはこれら全てに対応しています。
さらに「サイト」を使うことによって、社内用のポータルサイトを手軽に作成することができ、プロジェクトごとに設定することも可能です。また、HTMLやCSSなどの専門知識も不要であり、ドラックアンドドロップに対応しています。
モバイル環境のサイトも自動で最適化されるため、各種デバイスに対応させるような面倒な作業で時間を取られることもありません。
Google Workspaceについて、具体的な機能をいくつかピックアップしながらご紹介しました、しかし全てのアプリやサービス、機能ついて一つ一つ紹介していたら、いつまでたっても終わりません。
ここで、提供されているサービスについて一覧でまとめて見たいと思います。*注1
◎情報共有
・Gmail・Googleカレンダー・Google Chat・Google Meet・Google Currents
※Google Currentsは企業向けSNSサービス
◎実務系アプリ(ファイル作成)
・Google ドキュメント・Google スプレッドシート・Google スライド
※OfficeのWord・Excel・Power Pointに対応
・Google フォーム(アンケートフォーム)・Google Keep(メモ帳)・Google サイト・Jamboad(デジタルホワイトボード)
◎ファイル共有
・Google ドライブ・Cloud Search(検索)
◎管理機能
・Valt(アーカイブ機能)・管理コンソール・Google エンドポイント(端末の管理)
以上のように、Google Workspaceには多くの機能が備わっています。
Google Workspaceのメリット
ではGoogle Workspaceを利用することで、どのようなメリットがあるかをまとめてみましょう。
メリット① コスト(費用・工数・人員)の削減
Google Workspaceと同程度の機能を実現するための代替サービスを少し考えて見るだけで、費用面での削減効果は数値で評価できます。Google Workspaceの料金体系は以下の通りです。*注2
◎Google Workspaceの料金体系(1ユーザーあたり)
・Business Starterプラン 680円/月
・Business Standardプラン 1,360円/月
・Business Plusプラン 2,040円/月
これに対して、グループウエア・Office関連アプリ・テレビ会議システムなどを別個に契約した場合の費用が安く済むことはないでしょう。
多くの企業では、長年の事業の伸長に応じて順次システムを追加した結果、不必要な重複が生じているケースもあります。そのことが原因で、システムにコストをかけている割には業務効率がUPしない、そのような悩みもあるのではないでしょうか。
メリット② クラウドであることの恩恵
これは、「Google Workspaceだから」というよりも「クラウドサービスだから」という側面のメリットとなります。
1・使用する端末を選ばない
WindowsでもMacでも導入することが可能であり、モバイル端末にしても同様です。iOSかandroidかなども気にしなくて大丈夫です。インターネットにアクセスできる端末さえあれば利用できるというのはかなり便利なメリットとなります
2・管理コスト
①で取り上げた実費用(契約料)だけでなく、管理コストについても優位性があります。サーバー管理など、企業の本来の事業に関係のない部分は、Googleに任せられるのもクラウドだからこそのメリットとなります。
3・セキュリティ性
セキュリティについても、今やクラウドの方が信頼性が高いと考えた方が良いでしょう。世界最高レベルのエンジニアが、24時間365日体制でシステム安全性の確保に従事しているGoogleです。自社でさまざまなセキュリティ機器を購入し運用するより、確実に安価で堅牢なセキュリティ対策が可能です。
メリット③ Googleだからこそのメリット
これについては、全てを取り上げるとキリがありません。技術力・多様なサービスとの連携・膨大な利用者から集められるビックデータを元にした新サービスの開発など、多くのメリットがあります。
その中でも、AI技術が簡単に利用できるのも面白い点と言えます。例えばGmailを利用する際に、自動でリプライ用の文章を作成する機能などユニークなものがあります。
これは機械学習を応用し、メールに対する返信の候補をサジェッションしてくれる機能です。さらに重要メールや迷惑メールの分類など、知らず知らずのうちにAIをベースにした機能が追加されています。
他にも個人的に感動したのは、Googleドライブに PDFや画像データをアップロードするだけで、OCR機能を利用できたことです。アップロードしたデータをドキュメントで開けばAIが自動的に画像を解析し、テキストデータに変換してくれます。
有料のOCRソフトを使うより正確な変換が、無料で利用できたことに感動しました。それ以来、OCRソフトの購入を検討したことはありません。
他にもオンライン会議などの時には、音声を解析しリアルタイムで文字データとして画面表示することも可能です。翻訳機能を利用することにより、多国語での会議開催なども、ある程度は通訳なしで進めることができます。このようなAIを活用した利便性の高いサービスは、今後も増加すると考えられます。
Google Workspaceのデメリット
デメリット① インターネット接続が必須
当たり前の話ですが、まずインターネット環境がないと使うことができません。ドキュメントなどのアプリについては、ネット接続が無くてもデスクトップアプリで編集することは可能ですが、それだけではGoogle Workspaceの利便性を活かすことができません。
デメリット② ユーザのリテラシーが必要
Google Workspaceを使用する場合、ユーザに対してある程度のリテラシーが要求されます。多くの企業では、WordやExcelならなんとか扱えるものの、クラウドアプリには慣れてないという一般社員もいるでしょう。
そのため、クラウドアプリの使い方やアクセス方法など、基本的なリテラシーを教育する必要性が出てきます。
しかし、Gmailやアプリ、ドライブについては無料でも利用できるため、プライベートでの利用経験があれば、企業用であってもスムーズに操作できると言う人も多いのではないでしょうか。
ITネイティブ世代になればなるほど、Google Workspaceにハードルを感じる人は少なくなると思われます。
今回の記事は、Google Workspaceの特徴に焦点を置いて、端的な紹介にとどめました。Googleサービスとのシームレスな連携。端末の管理・GASの利用など、本稿で取り上げた以外にも多くのメリットがあるGoogle Workspace。
過去の資産を気にしなくて良いスタートアップ企業などは、最初に検討するべきグループウエアの候補と言って良いでしょう。
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■参考文献
注1
Google 「Google Workspace へようこそ」
https://support.google.com/a/users/answer/9389764?hl=ja
Google 「仕事に必要なものすべてが 1つのスイートに」
https://workspace.google.co.jp/intl/ja/features/
注2
Google 「Google Workspace ご利用料金」
https://www.g-workspace.jp/price/