1. TOP
  2. ブログ
  3. iOSの普及を支えてきたiTunesはこうして進化してきた

iOSの普及を支えてきたiTunesはこうして進化してきた

スティーブ・ジョブズがiPhoneを世の中に送り出した時、まさかこれほどまでにスマートフォンが普及するとは誰も予想していませんでした。

今日では、アップルが単に電話を改良しただけではなく、周到なプラットフォーム戦略によってデバイスを普及させていった緻密なマーケティング戦略が成功の最大要因である、という見方が一般的になっています。

この記事では、そんなアップルのプラットフォーム戦略の核である「iTunes」の歴史について整理します。

 

iTunesの歴史を俯瞰してみよう

iTunesは2001年にリリースされたAppleのデジタルオーディオプレーヤーですが、単に音楽を再生するためのソフトウェアではなく、iPodに向けた音楽配信ソフトとして米国で開発されました。

つまり、iTunesはアップルらしい使い勝手の良いプレイヤーというばかりでなく、既存のCDなどによる音楽販売ビジネスそのものを根底からひっくり返す可能性をもったプラットフォームとしてリリースされたのです。

当初、我が国では、その可能性に脅威を感じていた既存の音楽産業は、iTunes向けの音楽コンテンツの投入には非常に慎重でしたが、2005年に、日本でiTunesサービスがローンチすると、爆発的な普及を見せました。

iTunesが次第に音楽配信の標準的プラットフォームとして世の中に受け入れられた今では、iTunes対応に及び腰であった日本の音楽コンテンツ産業ばかりでなく、映画や、出版などの分野からのコンテンツ供給が進み、iTunesはマルチメディア・コンテンツのプラットフォームとして大きく進化しています。

また、マルチメディア・コンテンツのプラットフォームとしてiTunesが認知されていく中で、映像などの大容量コンテンツの他にも、音声や動画配信のPodcast、電子出版や教育プログラム等の、マルチメディア・コンテンツの配信ソフトとして成長しています。

 

コンテンツの権利関係の整理や課金システムがiTunesの普及を後押しした

デジタル音楽市場の成長とともに著作権等の権利関係の課題が解決していくにつれて、それまで慎重であった、既存の音楽産業もiTunesのプラットフォームを無視する事ができなくなり、一時は参加を見送っていた、内外の著名アーティストも次第に参加を表明するようになりました。

2006年に音楽配信の売り上げがCDシングルの売り上げを上回り、逆転すると、著名アーティストもCDに先行して配信をするなど、デジタル配信に積極的に取り組むようになっていったのは必然的な流れと見えますが、その状況を作り出したのは、なんといってもiTunesという音楽プラットフォームであったことは間違いありません。

iTunesは、Mac OSにとどまらず 今日では、Windows、iOS、など、多様な端末に対応することにより、マルチプラットフォームに対応する課金して無我整備されたコンテンツ配信の基盤ソフトに成長しています。

iOSアプリの販売・供給もiTunesに統合されApp Storeに統合され、唯一の販売窓口として、iOSアプリの安全性や、健全性を担保しています。また、世界中のプログラム開発者がこのストアに登録するために、ガイドラインに従った開発を進めるため、粒のそろったアプリの供給が可能になり、その結果がAppleのブランドイメージの向上にもつながっていることも見逃せません。

なお、コンビニ等で扱っている、iTunesカードは日本のプリペイド型ギフトカードの先駆となるもので、デジタル配信における新しい販売手法として、新たな流通形態を創造したと行っていいでしょう。

今日、デジタル・通信環境の整備が進むとともに、コンテンツ音楽においては、従来のコンテンツ配信から、定額配信サービスへの移行し、DropboxやiCloud等のファイル共有ソフトの普及により、iTunesの役割・機能に様々な課題をもたらしました。

 

【まとめ】

iTunesは、Apple musicという次世代の統合プラットフォームに対応したものの、Line musicやAmazonのPrime music、AWAやSpotify等の新興勢力が市場シェアを獲得すべく、激しい戦いを拡げています。

また、iOS端末の機能アップによるパソコンとモバイル端末との競争というカニバリー競争(自社製品の共食い状態)も散見されるようになってきており、今後の、アップル社の全社的な戦略的な方向性については、まだはっきりとは見えていないというのが現状です。

しかしながら、この10年間iOSの成長にiTunesが果たした役割は大きく、今後も他社のプラットフォーム戦略を左右するような存在感で業界をリードしていくことは間違いないでしょう。

 

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP