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ARKitでiPhoneのARアプリ開発が加速する

2017年9月にリリースされたiOS11の目玉機能のひとつが、ARkitの搭載です。
ARkitを使えば、AR(Augmented Reality:拡張現実)アプリを作成することを簡単に作成することができます。

ARアプリとは具体的に、iPhoneのカメラで撮った現実の世界にiOS上のキャラクターや、販売商品などの画像オブジェクトを表示させ、現実世界にあるようにみせたり、iPhoneカメラに映った物体の大きさを測ったりすることができるものを言います。

これらの機能について、これまでは自分で全て作る必要があり、アプリとしては難易度が高いものでした。しかし、ARkitによってOSレベルでAR機能がサポートされ、ARkitからカメラ以外のiPhoneのセンサー類をフルに使ったARアプリを簡単に作成することができるようになったのです。

ARkitでできること

ARアプリの作成を支援するARkitができることは次のようなことです。

平面の検出

ARkitを使えば、カメラ画像から机や床などの平面を3D空間の中の物体として取得可能です。
これによって、地面や机などの上にオブジェクトを設置可能になります。
また複数の平面を認識したり、連続した平面と推定される平面は自動的に一つの平面として認識してくれます。

ただし、平面の認識は曲線や多角形に対応しておらず、例えば丸いテーブルなどでは平面の終わりの判定が甘くなる可能性があります。

この機能によって、ゆかや机などの平面にオブジェクトを配置したり、平面にぶつかって反射するようなオブジェクトは作成可能です。しかし、垂直面の認識はできませんので、壁にオブジェクトを配置したり、壁にぶつかって反射するオブジェクトは作成できません。

現実世界の自分の位置と向きの取得

カメラの情報とiPhoneの加速度センサーやコンパスなどを用いて、自分が空間のどの位置にいるのか、どちらを向いているかなどをある程度正確に取得することが可能です。(ポジショントラッキング)
ただし、現実空間の絶対的な位置(緯度経度、高度など)の取得ではなく、周りの物体との相対的な位置関係を取得できるのにとどまることに注意が必要です。

3次元の座標の取得、明るさの取得

カメラに映った物体の位置を点単位で取得することが可能です。
取得できる点はかなり多く、100以上のポイントの座標取得が可能なのですが、まれに何もないところにもポイントがあるように見える誤認識も多少は発生するようです。

また、周囲の明るさの認識も可能です。明るさの取得はルクスなどを厳密に取得できるわけではないのですが、周囲の明るさに応じてオブジェクトの色や形を変えるなどが可能になります。

現実のオブジェクトとの位置関係の把握

現実のオブジェクトとiOSで作成したオブジェクトの位置関係や当たり判定を取ることが可能です。
カメラに映ったキャラクターを触ると動くなどの動作を加えることができます。

また、現実空間のサイズをある程度正確に認識しているので、カメラで撮った物体の大きさを計測したりすることも簡単に実現可能です。

ARkitでARアプリが爆発的に増加するか

ARkitは、ゲーム開発のエンジンであるUnityが公開しているUnity ARKit Pluginによって、全ての機能が利用可能です。
これによって、UnityでAR対応のゲーム開発が比較的簡単にできるようになるでしょう。

今後、ARkitを使ったAR便利系アプリに加えて、ポケモンGOのようなAR系のゲームのアプリ開発も盛んになることでしょう。

なにしろ、ARkitは、iPhon6s以降の「A9以降のプロセッサーを搭載したiOS機器すべて」で利用できるのです。そして、ARkitによって世の中のiPhoneとiPadがARデバイスとなりえるのです。

ハードとソフトを同時に供給しているAppleだからこそ可能になったのがARkitです。
このiPhone,iPadのハードをフルに使用したARkitを使ったアプリが今後たくさん発表されるのが楽しみです。

 

 

 

 

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