VR開発でもっとも大切なモノとは?
VR開発を自社で進める場合、開発手順や開発機など、いろいろなものを準備しなくてはなりません。VRの体をなしていればとりあえずOK、で開発を進めるとイタイ目に遭います。
こちらでは開発上で気を付けるべきことを中心にご紹介します。
VR開発に必要な道具
まずはVR開発に必要なモノから見ていきましょう。
VR開発には、ハイスペックなパソコン、ゲーム開発エンジン※、VR機器などが必要です。
※ゲーム開発エンジンについては、下記記事を参照ください。
「VR開発におすすめする3Dゲームエンジン4選」
またVRはヘッドマウントディスプレイ(HMD)が不可欠ですが、このディスプレイ毎に開発方法が異なってきます。
<主なHMD>
HTC Vive
それぞれのディスプレイに準拠した開発を進めていきましょう。
<ハイスペックPC>
VRは動画、データ量が従来のゲームやコンテンツ開発よりも膨大な量になります。HMDを使うための処理も必要になるため、クロック数、コア数が多い、CPU性能の良いものを開発機として準備します。
VR開発で重要なのはリアリティ?
仮想現実なのになぜリアリティが必要になるのか。それはVRの世界にユーザーがハマれるかどうかが、このリアリティに掛かってくるからです。
VRは3Dデザインの世界ではあるものの、VR特有のクセがあります。それは空間の表現です。
現実世界の遠近感とVR空間の遠近感は同じであってはならず、VRで表現する奥行がVRでのリアリティにつながっていきます。
VRで表現される世界はいわば「錯覚」の世界。今いた場所とは違う空間にVRカメラを付けた瞬間に移動できる、そんな世界の体験です。
このあたりをどう表現し、”リアリティ”のある空間を作っていくかがVRコンテンツ開発では超重要になってきます。
その意味では目で見る世界ではなく、目で見た二次元の情報を脳で認識する際に、目で見たものとは別の世界を認知させること。これをいかにうまく行えるかがキモです。
VRは自分がいる空間を中心に、自分の周り360度すべてに遠近感のある画像が広がります。
VRで表現された映像が現実空間と同じ遠近感であったら、人は空間認知における錯覚が起きず、それゆえ現実世界で得られる体験となんら変わらなくなります。結果、面白いVRではなくなってしまうんですね。
VR開発は必要なモノさえ揃えばそれなりのものは作れます。しかし、多くの人に錯覚を起こさせ、現実世界では体験できないリアリティのある空間をVRで構築できなければ、非常にチープなものになります。ただVRを作ってそれを見せるだけでは人は喜びません。
プログラムはVR開発の基礎ですが、それを生かすのはデザイナーの仕事に掛かってきます。
仮想空間の中にリアリティを生み出せる、そんなデザイナーを育てていきましょう。
コンテンツの軽量化と最適化
VR開発の重要な部分がもう一つ、動作です。いくらリアリティのある画像を作っても、動作が重いと途端にそれがなくなっていきます。
VRの空間認知の前に、操作感覚の悪さ=現実的な感覚が勝ってしまうからですね。
DaydreamやGalaxy Gearなどモバイル型のVRの場合、スペックの制約があるため特に気にする必要が出てきます。
開発段階で微調整を重ねていくことが大切ですが、画像をなるべく軽くして作っていくのがコツです。リアリティを追及すればするほどポリゴンの数が増え、動作が重くなるというジレンマが発生するため、注意が必要です。それだけではなく、コストも日に日に増加している点を忘れてはいけません。
2Dデザイン=平面、3Dデザイン=立体、VRデザイン=空間とそれぞれの表現方法に合わせたコンテンツを作っていくのが理想的です。
VR開発においては、CGデザインなどで使えていた技術やノウハウが使えないことも多く、VR独自のノウハウをしっかりと積み上げていかないとうまくいきません。
であれば、VR開発にはVRコンテンツ用のデザイン、デザイナーを新たに作り出す必要があります。VRを内製で開発していくためにはこれらをしっかりと確保し、ノウハウを溜めていく。そうすれば開発がより進めやすく、最適なコンテンツをユーザーに提供していくフローが出来上がっていくでしょう。