Appleが曲面ディスプレイを開発のうわさ
ブルームバーグが発表した曲面ディスプレイとタッチレス操作実現の可能性
先日のブルームバーグにおいて、「AppleはiPhone用として曲面ディスプレイを開発している」との報道をしました。少し面白いのは横方向の局面ではなく、縦方向(長辺方向)に緩やかにカーブしたデザインではないかという部分です。スマホについては目新しい新技術が出尽くしている感がありますので、デザインで差別化を図ろうとしてるのでは?というのがその理由でした。本当に曲面ディスプレイのiPhoneは実現するのでしょうか。
2年前にも曲面ディスプレイの特許を取得
実は、2年前にも全面を曲面化したディスプレイ(デザイン)についてAppleが申請したとの報道から、新しいiPhoneで実現するか?という噂も流れましたが、結果的には採用されなかったようです。全面を曲面ディスプレイで覆ったiPhoneというのがもし実現していたら、相当インパクトがあったことでしょう。
Appleのデザイン
Appleはみなさんもご存知の通り、以前からデザインには相当こだわりを持った会社です。ハードウエアについてもAppleIIの時代から、わざわざコストが高くなるにもかかわらずドイツのフロックデザインに依頼したことなどは有名な話しです。その際のジョブズの指示がメモ書きとして残されていますが、「シンプル」「フレンドリー」「コンパクト」などのキーワードはその後も一貫しています。
モニタ一体型のMacintosh、ボンダイブルーのスケルトンボディを採用したiMac、パームレストやトラックパット、1ボタン式マウス、物理キーボードを廃止し、全面液晶タッチパネルを採用したiPhone、スクロールホイール採用のiPodなど、それまでの既存製品の常識を打ち壊す、優れたデザインの製品を数多く投入しているのがAppleであり、驚くべきことにその多くがその後の同じカテゴリーの他社製品にも採用され、スタンダードなものとなっています。
単なる見かけだけのデザインは採用されない
ただし、Appleのデザインは単純に見かけだけの装飾や、機能を伴わないデザインが採用されることはありません。何よりも重要なのは、性能と操作性であり、それを阻害してユーザーの利便性を損ねるようなデザインを採用することはAppleの場合、皆無と言ってよいでしょう。また、最近では一つのデザインをかなり長くキープする傾向があり、他社のように新製品のサイクルが短くありません。目新しいと言うだけでデザインとして取り入れられることはまずないでしょう。
縦方向曲面ディスプレイの搭載可能性は低いか?
Appleのハードウエアデザインのベースはミニマルであり、洗練されたクオリティーの高いものです。ソフトウエアや搭載される各種機能とのバランスや視認性・保持性能が重視されるため、今回の縦方向曲面ディスプレイについては見た目以外の何らかの機能的背景がない限り実現はしないのではないでしょうか?ブルームバーグの報道を受けたコラムなどでは「差別化のため」との記述も目につきましたが、Appleが差別化を図るのであればおそらく他の部分であろうと思われます。
画面に触らずに操作できる機能については可能性あり
同時期に報道された、「空間でジェスチャーするのを読み取り、画面に触らずに操作できる機能」については、まさしくAppleが好みそうな開発と言えます。ユーザーインターフェースについては、マウス・トラックパッド・iPhoneで採用されたジェスチャーコントロールなど、世界をリードし続けている企業です。このようなユニークなインターフェースについては、世界で最も積極的に製品投入する企業と言っても過言ではありません。
ソフトウエアデザインについても独自の哲学と理想を追求するAppleですが、ハードウエアと異なり、多少のギミックを取り入れる遊び心が昔からあります。OSに隠されたイースターエッグといえば懐かしく感じるオールドMacファンも多いはずです。空間ジェスチャーインターフェースはこうしたAppleの精神にも一致する部分がありますし、何より高性能化を果たしたカメラの搭載など、ハード的にもそれを実現させる環境が整いつつあります。Apple製品の進化としては、曲面ディスプレイよりもよほどこのインターフェースの採用の方がふさわしいですし、正しい方向性ではないでしょうか。
2010年代ぐらいからのApple製品はデザインのライフサイクルが長くなっているので、ジョブズ当時と比べて新鮮な驚きは少なくなってきました。少し寂しい気はしますがライフサイクルの短い大量の製品が投入されるよりは安心して利用することができますので、製品が一定の成熟段階を迎えた後であればある程度仕方ないのでしょう。とはいうものの、iPhoneについてはCPUやディスプレイで自社開発を進めるという報道も出ていますので、今後の開発動向には注目していきたいところです。
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