今Appleは、かつてMacやiPhoneでそうして来たように、Apple Watchでスマートウォッチ業界の標準をつくろうとしている
先日行われたApple主催の世界開発者会議2018(通称WWDC2018)では、ニュースにとりあげられるような話題、例えば新型iPhoneやMacBookの新製品などは発表されませんでした。
しかし、Apple信者(オレ)の私的に、今後のアップルにとても期待が持てる、久しぶりにワクワクする発表でした。
今回発表されたのは、iPhone向けiOS、Mac向けmacOS、Apple Watcth向けwatchOS、そしてApple TV向けのtvOSで、これらはAppleのほぼ全てのデバイスに関連するOSです。
よく知られているようにAppleは優れたハードウェアを創るだけでなく、ハードウェアの挙動を支える最も大切なソフトウェアであるOS(Operation System)も、全て自社開発しています。故に他の追随を許さない圧倒的な完成度で、時代を先取るユーザー体験を提供し続けてきました。
さて、そのような観点で見てみると、iOSやmacOSに関してはすでに、すでにスマートフォン業界、パソコン業界が成熟し、もはやOSのちょっとした改善では目新しさはないのですが、スマートウォッチ業界はできたばかりで、今やwatchOSこそが、その中で圧倒的な先手を走っていることを感じさせる発表でした。
Apple Watchは今から3年前に発売されました。
現在では第4世代であるApple Watch series 3が最新機種でOSはwatchOS 4です。
4世代目ですが、多くに人にとってApple Watchのような、いわゆるスマートウォッチ(もしくはウェアラブルガジェット)は、現在のパソコンやスマートフォンほど身近なものではないと思います。
しかし、かつてパソコンやスマートフォンがそうであったように、今スマートウォッチが一人一台を持つ市場へと成長していて、それを牽引しているのがAppleなのです。
現在、世界で最も売れているスマートウォッチはApple Watchです。その販売台数シェアは18%ですが、売り上げはスマートウォッチ全体の売り上げ58%を占めるとのことです。実際、本格的なスマートウォッチとして売れているのはほぼApple Watchだけなのです。
Wearables market up 35% in Q1 2018 as Apple and Xiaomi maintain lead(Canalys)
そんな状況の中、watchOS 5が今回発表されたのです。
今回の発表では、2つのテーマを掲げたアップデートでした。
「健康とフィットネス」と「繋がり」です。
まさにこれは、Appleがこの3年間Apple Watchを通して培った「スマートウォッチ」とはどうあるべきか?のメッセージとなるものと言えます。
当初、iPhoneのオマケのように思われたApple Watchですが、Apple Watchにしかできないことを模索し続け、この2つテーマに至っています。
それぞれをのアップデートを簡単に紹介します。
「健康とフィットネス」では、日常の運動を自動的に記録する「アクティビティ」、ランニングやサイクリング、スイミングなどのトレーニング時の様々なデータの計測をする「ワークアウト」が大幅な改善されました。
「繋がり」では、Apple Musicだけでなく「Apple Podcasts」にも対応したこと、Apple Watch同士のトランシーバー「Walkie-Talkie」機能の追加、Siriのショートカット機能、通知機能の改善されました。
特に、普段からトレーニングを頻繁にする人にとって格段に使いやすくなったのです。
登壇していたApple Watchの開発リーダーKevin Lynchは「モチベーション維持」のツールであるとはっきり話ていました。
かつて、MacやiPhoneが多くの人にまだ認知されてなかった時代に、OS X(現行macOS)やiOSが、やはりこのような私たちの生活スタイルを良い方向に変えてくれそうな「ワクワク」するアップデートを、(アップルマニア以外に)期待されるでもなく、Appleは率先してやってくれていたのです。
それを思い出せてくれる、Apple Watchにとってマイルストーンとなるアップデートだと思いました。
このwatchOSの大幅なアップデートに、ハードウェアとして新型のApple Watchがリリースされれば、間違いなく爆発的に売れるでしょう。
MacやiPhoneに継ぐ、スマートウォッチという新たな市場とそしてその標準となる製品がApple Watchになることを確信するに十分な発表でした。
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