Google WifiとWi-Fi中継機の比較
Googleは2018年4月、日本で家庭用Wi-Fiルーターの「Google Wifi」を発売しました。「Googleがルーターを発売?」と意外に感じますが、この製品が注目を集めています。技術トレンドの「メッシュWi-Fi技術」を採用しているからです。
メッシュWi-Fi技術とは、複数のルーターを設置したとき、それぞれのルーターが相互に通信してカバーエリアを拡げます。メッシュは単純に訳すと「網」ですが、まさにルーターどうしで通信の網を作って、電波の届きにくい場所をなくします。
このようにメッシュ技術を採用していることから、単体の販売だけでなく3台のパックでも販売されています。1台の価格は16,200円、3台セットで42,120円と、家庭用の無線ルーターとしては中間クラスでやや高めです(2018年7月現在、Googleストア価格)。
ところで、無線LANはもちろん、Bluetoothなどワイヤレスを使った家電は増加する一方です。個人的に自宅では、MacBook Air、Clova WAVE、スマートフォン、タブレット、ゲーム機としてPS4や3DSを家族で無線LANに接続して使っています。Wi-Fiが届かない場所のために中継機を購入したものの、ルーター自体が古いためか、あるいは2階と1階で障害物が多いせいか、ブチッと突然回線が途切れることもしばしば。
そこで個人的にも注目しているGoogle Wifiについて、「はたして購入するメリットはあるのか?」、中継機と比較して何が違うのか調べてみました。
Google Wifiで注目のメッシュ技術と中継機の比較
まず、Google Wifiの特長的な技術のひとつである「メッシュWi-Fi技術」とはどのようなものか、従来の「Wi-Fi中継機」と比較しながら解説します。
個人的に痛感していることですが、ワイヤレスで接続する家電は、自宅内で移動して使うことが多くなりました。スマートスピーカーであれば眠るときは寝室へ、家事をするときはそれぞれの部屋に持ち歩きます。簡単に持ち運ぶことができて、しかもストリーミングでお気に入りの曲を聴くことができるので便利です。
このように通信範囲を拡げたときの対応としては、これまで無線LANルーターのアンテナを増やして出力を大きくするか、中継機を設置する方法しかありませんでした。
しかし、出力を上げたとしても、壁などの障害物があると電波は届きにくくなります。また、中継機を使った場合、範囲を拡げることはできても通信速度が低下します。さらに移動すると、親機から中継機に接続を切り替えなければなりません。中継機に接続したまま移動すると、親機に繋ぎ直さなければならない面倒がありました。
メッシュ技術では、無線LANのアクセスポイントを増やすことにより、端末を移動しても最適なチャンネルと帯域を自動的に選択し、シームレスに接続できます。通信速度の低下もありません。
いわばスマートフォンの基地局の仕組みと同様です。携帯電話を利用しているときには気づきませんが、屋外には通信会社のアンテナが無数に立っています。この基地局のアンテナをシームレスに切り替えることで、ユーザーは途切れることなく電話やインターネットに接続できます。
中継機を使った家庭用ネットワークの場合、中継機の位置づけは「子機」となります。一方、メッシュでネットワークしたGoogle Wifiは親機と子機がなく、すべて同等です。中継機と比較したとき、この構成の違いが大きいといえるでしょう。
Google Wifiのスペック
Google Wifi は、これまで使っていたISPのモデムはそのまま利用しつつ、家庭の通信環境を安定した高速接続にします。
IEEE802.11 a/b/g/n/ac対応で2.4GHzと5GHzのデュアルバンドに対応。利用環境に応じて混雑していないWi-Fiのチャネルと、2.4GHz帯か5GHz帯のいずれかの高速な帯域に自動で接続する「ネットワークアシスト」という技術が採用されています。
1台でカバーできる範囲は「マンションや中規模住宅」の約85 ㎡ 以下。2台では「大きめの住宅」の85~170㎡、3台では「更に大きい・複雑な構造の住居」の170~255㎡で利用できます。
本体はARMのクアッドコアCPU(各コア最大710 MHz)を搭載。512MBメモリと4GBのストレージが内蔵されています。ポートはギガビットイーサネットが2つあります。
円形でスタイリッシュな外観のデザインも魅力的で、サイズは直径 106.1 mm×高さ 68.7 mm、重さは340.0 gです。初期設定は、Bluetoothでスマートフォンと接続し、専用アプリの画面にしたがって進めていくだけなので簡単です。
詳細は、以下のGoogleストアのサイトでご確認ください。
https://store.google.com/jp/product/google_wifi
ワイヤレスが当たり前の時代に必要なデバイス
ネットワークには、放射状に接続するスター型、輪になって接続するリング型など、さまざまな形態(トポロジー)があります。メッシュネットワークは中心のハブを必要とせずに高速のデータ通信ができるため、IoT時代には重要な技術といえるでしょう。Bluetoothでも、メッシュによるネットワーク仕様が公開されています。
「これは中継機をやめてGoogle Wifiを買うべきかもしれない」と感じました。やや価格が気になりますが。
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