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Microsoft OfficeとG Suiteのどちらを選ぶ?代表的グループウェアを徹底比較

個別のPCで動作するパッケージソフトから、ネットワークを介したクライアント・サーバーシステム、クラウドへと企業がビジネスに利用するソフトウエアやサービスは目覚ましい進歩を遂げて来ました。今回の記事では現在、グループウエアとして利用が拡大している代表的な二大ソフトウエアについて特徴を比較してみましょう。

この記事では以下の3つのことがわかります。
・ビジネスソフトの潮流と必要な機能のまとめ
・Microsoft OfficeとG suiteの特徴
・管理コストを含めたコスト面での比較検討

 

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ビジネスで必要なソフトウエアとは

 

企業が業務で使用するソフトはどのような目的があるのかを考えてみます。まずはワードやエクセルのような「データをまとめて整理し、書類を作成」するためのソフトウエアです。もちろん、エクセルのような表計算であればデータの解析・分析という利用が主たる目的なのですが、実務上は『罫線の入った便利なフォーム』として使われていることが多いのは皆さんもご存知の通りです。

 

情報の蓄積・保管・抽出を目的としたデータベース

 

前述の「書類整理」を目的としたソフトは、当初は個別PCで別々に作成されていたため、データが増えるにつれて、過去の資産へのスムースなアクセスが困難になっていました。エクセルフォームの子ファイル・孫ファイルが永遠に続いてどれが最新のものなのかわからないという混乱した状況に陥りがちで、ファイルを探すのに時間がかかり業務に支障が出るなど、なんのためにデジタル化しているのかわからないという事もよくありました。

これを解決するためにファイルサーバーやクライアント・サーバーシステムを利用したデータベースの活用が進みます。データを一元管理することで、上記のような混乱をなくすとともにデータの共有化をはかるのが目的です。単純に書類の保管だけでなく、スケジュールやTODOリストなども共有することで、ネットワークを介した共同作業ができるようになったため、業務の効率化とスピードアップがはかれるようなりました。

 

クラウドサービスの利用拡大でより効率的な運用が可能に

 

ところが、このようなクライアント・サーバーシステムを運用するためには、社内サーバーを立てて管理者を常駐させるなど、それなりにコストと手間が必要でありセキュリティへの配慮や社内規定の策定など、大企業でなければなかなか本格的な運用ができないのが課題でした。もちろん社外サーバーを利用することも可能ですが、それにしても専門のSEを常駐させておかないと本格的な活用は難しかったと言えるでしょう。

エクセル・ワード・パワーポイントがビジネスアプリの王道であり三種の神器ですが、これに対抗するようにグーグルのスプレッドシート・ドキュメント・プレゼンがクラウドサービスとして登場します。機能的な高度さはMicrosoftのビジネスソフトが充実していると言えますが、実務上そこまでの機能は必要ないことが多く一般的な企業ではグーグルのサービスで必要十分です。むしろ、わかりやすいインターフェースとOSの差を気にせず利用できること、共同作業が容易で「子ファイル・孫ファイルの増殖で悩まされる」といった馬鹿馬鹿しい状況も起こりにくいのが良いところです。

 

ビジネスを加速するコミュニケーションツール

 

こうしてサーバーにしろクラウドにしろ、ネットワークを介した共同作業が当たり前になってくると、スムースにコミュニケーションを取るためのツールも必要となって来ます。メール・チャット・SNSなどがそれに相当し、現在ではチャットをベースとした共同作業用のソフトも数多く登場しています。チャットワークやSlackなどが代表的で、最近だとfacebookやLINEもSNSをベースとしたビジネスサービスを提供しています。

 

ビジネスに必要なグループウェアの要件とは

 

これまで並べてみたように、ビジネス利用を目的とすると次のような要件がグループウエアには求められます。
◯ビジネスアプリ(機能)
ワードやエクセルのような書類作成に必要なソフト(サービス)があること
◯情報の共有化
スケジュールやTODOリストの共有化、ファイルサーバーなどの機能
◯コミュニケーションツール
メール、チャット、SNSなどの機能があり、共同作業を前提としたビジネススピードの加速が可能

 

機能面ではMicrosoft Office、使いやすさではグーグルに軍配

 

ビジネスアプリの定番といえばMicrosoftのOffice製品です。エクセル・ワード・パワーポイントが使えることが、パソコンを使えることと同意であった時代が長く続きました。そのため個別アプリの機能面では充実しており、高度なデータ解析をエクセルで行ったり、過度な装飾を施した文章をワードで作成することも可能です。

もともとパッケージソフトから出発してクラウドサービスに進化して来たMicrosoftOfficeに対して、クラウドを前提としてプラウザを利用するタイプから個別PCでオフライン作業にも対応するようになったのが、グーグルの提供するG Suiteです。Microsoft Officeに比べれば機能面では限定されているとはいうものの、通常のビジネスユースおいては必要十分な能力を持っています。何よりOSの違いを気にせず利用できますので、Macユーザーでも問題なく共同作業に参加できることが便利な点と言えます。

筆者は以前、Microsoft Officeの検定合格を目的としたパソコン教室の講師をしていたことがあり、その時に教本を眺めて「ここまでの機能が必要なのか」と疑問に思った覚えがあります。日常業務ではまず使うことのないような機能も多いのに、検定に合格するためにはどこのメニューを手繰ればその機能が実現できるかを覚えなければいけない、、、検定終了後は見向きもしないような作業に、膨大な時間とコストをかけることの矛盾を感じていました。日常的に業務で利用しているにも関わらず、「ワードやエクセルが苦手」という人が多いのもこういう点に遠因があるような気がしています。

 

シンプルで使いやすく、連携するサービスも豊富なG suite

 

その点、グーグルのスタンスである「シンプルで使いやすい」ことが、評価のポイントであるといえます。基本を押さえた機能で通常のビジネスユースには十分であり、Google Apps scriptを使えば本格的なアプリケーションの作成も可能です。ビジネスアプリを一から導入し、社外とのOfficeファイルのやり取りを前提としないのであれば、G suiteを選択肢に入れるのは非常に有効と思われます。年間にかかる実コストもMicrosoft Officeよりも安価ですし、何より社内教育にかけるコストでのメリットが大きいと思われます。

 

情報の共有化でもG suiteが有効

 

クラウドでの利用を前提としたG suiteは、情報の共有化の面でも軍配が上がると思われます。Microsoft OfficeもOne Driveなどを利用した、ファイルの共有やスケジューラーなどの各種状況共有は可能ですが、やや使いにくユーザーインターフェースのため「ビジネスの加速に役立つ」のではなく、「使うことを苦に感じている」社員が多いのも事実です。それに対してGoogleの場合、スマホなどでも普段使いしているGoogle カレンダーやG mailなどをそのまま利用できるため、一般社員の利用に対する障壁が低いのがメリットと言えます。

あえていうならチャット機能については、2017年から提供が開始された「Microsoft Teams」に相当する機能が残念ながらGoogleにはまだありません。ハングアウトでチャット機能を利用することはできますが、「チャットベースの共同作業システム」と言えるものではありませんので、チャットワークスやslackなどの他のサービスを併用する必要があります。また、管理者が情報の一元管理がしやすいのもOfficeの方であり、その点が情報セキュリティの面でも高い要求がなされる企業では、考慮しなくてはいけない部分であると言えます。

 

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コスト面でもG suiteが優位

 

Officeには7種類、G suiteには3種類の料金体系があり、どのエディションを選択するかは企業規模や利用内容によって異なりますが、一般的に同程度の機能を持つエディションを比較した場合、G suiteの方が低価格になっています。また、利用する社員に対する社員教育などの導入コストについても、使いやすいユーザーインターフェースを持つG suiteにアドバンテージがあります。

なかなか目に見えない部分ではありますが、利用者にとって感覚的に利用できるかどうかというのは、導入後の管理コストに影響が大きい部分であり、企業としては注意しないといけない点です。社員からの問い合わせに忙殺されるシステム管理者やIT担当者が、皆さんの近くにもいるのでないでしょうか。

 

まとめ

 

もし仮に、社外とのファイルのやり取りにOfficeを前提とせず、一からシステムを導入するのであればG suiteがおすすめです。しかしながら、長年ビジネス分野で君臨してきたOfficeの影響は大きく、役所などの公的機関への提出書類などはワードやエクセルが指定してあることが普通で、完全にOffice製品と決別することは難しいでしょう。こうした点を考慮すると、総務部や営業などの社外へのOfficeファイル提出が必要な分はOffceライセンスを取得し、社内用としてはG suiteをベースとしてシステム設計をするというのも一つの方法かもしれません。どちらにしろ、ビジネス用とはOffice一択という時代ではなくなり、数多くの優れたサービスから自分の業務を効率化するために最適なものを選択するという時代になったことは確かなようです。

 

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