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AI面接って実際どうなのか、主な3つのサービスの特徴をまとめてみた

近年の新卒採用は経団連による採用スケジュールの大幅な変更の影響により、短期的に学生を採用しなければならない状況となっています。そんな状況に対応するため、時間や場所の制約がなく、人事部のコスト削減ともなる「AI(人工知能)による面接」がじわじわと普及してきているのです。「AI面接に興味はあるけど、いまいち導入まで踏み切れない」という方のために、日本国内での導入実績がある「SHaiN」、「GROW360」、「HireVue」の3サービスの特徴などについてまとめてみました。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。
①AI面接がなぜ普及したのか
②AI面接のメリット・デメリット
③「SHaiN」、「GROW360」、「HireVue」の特徴

 

AI面接が増加した背景

 

就活解禁時期は2016年卒採用から、学生の学業への専念などを理由として大幅に変更され、時期は採用情報公開が3月、選考活動開始が8月と定められました。しかし2017年卒採用から2020卒採用には再び変更があり、採用情報公開が3月、選考活動開始が6月と情報解禁から面接などの選考開始までの期間が短くなったのです。

上記スケジュールが適用されるのは主に経団連に加盟している大手企業で、非加盟の外資系企業や中小企業はそれ以前から選考活動を進めているのが現状です。その結果として2018年卒の調査では、6月には約6割の学生が内定をもっている状況となりました。

このような変化から、新卒採用活動は年を追うごとに短期間で他社と学生を取り合うような状況となり、素早く自社にマッチした学生を獲得する必要性が強いられるようになりったのです。そこで登場したのがAIによる採用活動。これにより今まで1枚ずつ目を通さなければならなかった大量のエントリーシートから的確にマッチングした学生を選ぶことや、時間や場所に制約がとられない面接が可能となりました。短期間でも的確な採用活動が実施できるため、年々AI採用を導入する企業が増加しています。

 

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AI面接を導入するメリットとは

 

採用活動に革命をもたらしたともいえるAI面接ですが、そのメリットはどのようなものなのでしょうか。

AI面接を導入するメリット
・場所や時間に制限されない
・人間では判断できない領域(言葉遣い、表情など)での判断を行うことができる
・嘘や演技に惑わされることがない
・判断が面接官の主観に依存しない
・採用要件や人物像を企業ごとに設定できるため、マッチング率が高くなる

AI面接のメリットには時間や費用などのコスト面がかなり押し出されている印象がありますが、「公平さ」も大きなメリットの1つです。採用活動において基本的には、面接官は1人ではなく、複数の人が担当します。そのため面接官それぞれの主観から「この人にはやる気がある」「この人は自社に合っている」などといった判断が下され、偏りが発生します。この問題に対しAI面接を導入することで、企業として「自社とマッチしている人物像」を設定し、データに基づいた主観に偏らない公平な判断が可能となるのです。

 

主なAI面接サービス

 

それでは、日本企業が実際に導入しているAI面接の主な3つのサービスについて、概要や特徴などを紹介していきます。

 

「SHaiN」

 

株式会社タレントアンドアセスメントによる世界初のAI面接サービス。国内では大企業、中小企業合わせて20社以上が導入した実績をもちます。24時間365日いつでもどこでもスマートフォンを使用して面接を実施することができ、面接に基づいた応募者一人一人の分析レポートも提供されます。

SHaiNは質問とカメラによる観察によって面接者を評価します。質問では「バイタリティ」、「対人影響力」、「感受性」など、観察では「ストレス耐性」や「表現力」などを評価します。タレンタ株式会社は7年間蓄積した自社の面接官育成データを活用して、当サービスを提供しています。さらにAI面接では60~90分の時間をかけて学生の面接を実施することから、更なる膨大なデータを収集し、企業と学生のマッチングに磨きをかけています。

「SHaiN」サービス紹介ページ

 

「GROW360」

 

Institution for a Global Society株式会社によるAI適正検査サービス。ANAやJT、富士フイルムなどの大手企業に導入されています。スマートフォン上でゲーム形式の性格診断や自己評価、友人などの相互評価で判断を行い、SPIやエントリーシートなどでは評価できない人間力や可能性を見出すことができます。

GROW360を使用すれば面接官でないフラットな立場同士で相互評価ができるため、グループディスカッション等での活用が期待できます。参加者同士であれば「協調性」など、より近い距離の評価を知ることができるため、学生の本来の力を確認することができるでしょう。

「GROW360」サービス紹介ページ

 

「HireVue(ハイアービュー)」

 

2004年にアメリカで開発されたクラウド型デジタル面接プラットフォーム。IBMやApple、Amazoneなどのアメリカの大手企業も導入している実績があります。日本では2016年ごろからタレンタ株式会社が代理店として販売しています。HireVueは録画面接や、オンラインでのライブ面接が可能で、「言葉」、「音声」、「表情」などをAIが評価し、自社とマッチした人物をランク付けする機能をもちます。

HireVueの機能の中でも需要が高い「録画面接」は対面式の面接で発生する機会損失を防ぐことができます。具体的には、対面式の面接を行った際に、開始直後に「自社に合わない」と感じた学生の残りの面接時間を他の「自社に合った」学生に充てられていたと考えると、大きな機会損失をしていることとなります。HireVueの録画面接を実施すれば、多くの学生の面接をAIが一気に判断してくれるため、こういった機会損失を未然に防ぐことができるのです。

「HireVue」サービス紹介ページ

 

AI面接のデメリットと今後の課題

 

AI面接は徐々に普及していますが、まだまだAIに判断を任せるのは不安だという企業も多いのが現状です。導入した際どういったデメリットがあるのでしょうか。

AI面接を導入するデメリット
・人材の関する膨大なデータが必要
・AIに判断すること、されることの不信感がある
・AIは判断の理由を説明できない
・現在は最終的な判断は人間が行うことが基本のため、二度手間である

AIの判断に対する不信感は「今まで人と人で行ってきた面接を、いきなり機械に任せていいのか」、「その性能は果たして正確なのか」という懸念から発生しているものです。また、AIは蓄積したデータを学習し判断するようなシステムですが、そもそも蓄積したデータが会社の求める人材に沿った整合性のとれたデータであるのかという心配もあるでしょう。
さらにAIの判断には「理由」がありません。同じような人物が2人いたとして、片方が合格、片方が不合格でもAIにはその結論を説明することができないのです。これにより現在は最終的にはやはり人で判断することが基本であり、結果これが二度手間となるため、AI面接になかなか手が出せないという企業も多いのではないでしょうか。

AI面接は現在の新卒採用には打って付けの機能を兼ね揃えており、導入すれば企業側、学生側共に様々なメリットをもたらします。しかしまだまだ「AIに面接を任せる」ということへの不安は払拭できていないという一面もあります。

AIは学習したインプットの量に比例して精度を上げていきます。広く普及し、信頼を得ていくためには、多くの企業が導入し、失敗例や成功例を積み重ねていくことが大切なのかもしれません。メリットやデメリット、自社にあったAI面接サービスを考慮したうえで導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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