進化するGoogle Maps~革命的地図サービスのこれからに迫る~
みなさんは行きたい場所を調べたり、知らない土地を旅する時、何を使いますか?
恐らく殆どの方が、地図を見ると仰るかと思います。
かつては駅前の案内図、あるいは書店やコンビニで売られている地図を買って調べるのが定番でしたが、それも過去の話。
今、私達の目の前にあるスマートフォンやPCを使えば、無料で簡単に全世界の地図を見ることができます。
今回は、そんな地図サービスの代表格「Google Maps」について、その凄さとこれからについてご紹介したいと思います。
この記事を読むと以下のことがわかります。
・Google Mapsってどんなサービス?
・ただの地図だけじゃない〜Google Mapsの今〜
・ARナビで新たな可能性を切り拓く〜Google Mapsの未来〜
はじめに:Google Mapsってどんなサービス?
Google Mapsは、その名の通りGoogleが提供するオンラインの地図サービスです。
Google Mapsとしてのサービスインは2005年。当初はベータ版としての公開でしたが、初公開から5年後の2010年には正式版となっています。
丸5年間もベータ版というのは企業の提供するサービスとしては異例ともいえますが、地図は非常に高い完成度が求められるサービスの1つですから、その点では妥当な判断だったのかもしれません。
現在のGoogle Mapsもオンラインでの利用が前提ですが、サービス開始当初と異なり、ブラウザだけでなくGoogle Mapsアプリをはじめとする多くのスマートフォンアプリからも利用できるようになっています。
それに合わせるようにナビ機能や交通情報、周辺の店舗・施設情報といった付加サービスも加わり、簡単なナビならGoogle Mapsだけで完結できるといっても過言ではないのが、今のGoogleMapsです。
多くの地域で独自の地図データを使用
GoogleMapに限らず、通常地図を製作・販売する場合、地図メーカーが各地域に赴いて地図のデータを作成する必要があります。
日本国内では以前から毎年のように新しい地図が販売されていますが、これも地図メーカーの日頃の努力あってのものなんですね。
もちろんGoogleもその点は同じで、現在アメリカをはじめとした多くの地域では、Googleが独自に作成した地図データを用いてサービスが展開されています。
また、地図情報が入手しづらい地域に関しては、ユーザーが作成した地図情報を投稿できる「Googleマップメーカー」を使って貰うことで、地図データの不足を補完しているのです。
ただし、一部の国や地域ではGoogleが自力収集した地図データを用いず、既存の地図メーカーからデータを購入しています。
実は日本もその1つ。
日本のGoogleMapでは地図メーカー「ゼンリン」の作成したデータが使用されているのですが、これは意外と知られていません。
アプリにはオフラインマップ機能も〜ただし日本の地図は対象外〜
GoogleMapのスマートフォンアプリには、地図情報をオフラインでも表示できるようにするオプションが用意されています。
この機能を使えば、電波の通り辛い山奥へ出掛けたり、海外でデータ通信を節約したい時にも安心してGoogleMapsを利用できるという訳です(もちろん、出発前に出掛ける地域のマップをオフライン表示できるよう設定しておく必要はありますが)。
当然、こんな便利機能を使わない手はありません。特に私はMVNO(いわゆる格安SIM)を使っているので、地図アプリ使用時のデータ通信量を節約できるのは大変ありがたいことなのです。
しかし、残念なことに日本国内の地図は、このオフライン機能の対象外となっています。
正確な理由は不明ですが、恐らくは前述のように日本の地図データがゼンリン作成の物で、Googleの独自データではない点が影響しているものと思われます。
とはいえ、日本もこれから数年は訪日観光客が増えるでしょうから、そうした方々への対応という点でも、オフラインマップ機能の対応を望んでいるユーザーは少なくないのではないでしょうか?
お店や施設の混雑状況もわかる
Google Maps上でお店や各種施設の情報を検索すると、住所や外観の写真などと共に、曜日や時間帯別の混雑状況を表したグラフが表示されます。
これは、Googleが各ユーザーのスマートフォンから取得した位置情報を元に作成されたもの。GPSで位置情報を取得できるスマートフォンならではの仕組みといえるでしょう。
このサービスを活用すれば、これから出掛ける場所の混み具合などを、現地に行かずともある程度予測することができます。
プライベートであれば、旅行前に現地での行程を立てるのに役立ちますし、仕事をされている方なら得意先のお店が空いている時間を狙って営業に行くなんて活用方法も。
ただし、
・ユーザーの位置情報をベースにしている為、出来て間もない施設はデータが少ない分予測精度が落ちる可能性がある。
・施設単位で混雑具合を計算していることが多いので、ショッピングモールのような場所では個々のテナントの混雑状況までは把握できないことがある。
といった店は注意が必要。
現状では情報は過信せず、参考程度に留めておく方が良さそうです。
カーナビメーカーと連携して災害時の通行マップの提供も
Google Mapsは常日頃から利用する機会の多いサービスですが、その機能は何も普段遣い用途に限りません。
特にここ数年注目されているのが、災害発生時の通行止め情報などの提供。
例えば、2016年の熊本地震の際には、自動車メーカーと協力して通行可能な道路情報をGoogle Maps上に表示する機能を実装しています。
熊本地震被災エリアで自動車が通行できた道路を表示、「Google マップ」や「Yahoo!地図」で開始-INTERNET Watch
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/753375.html
また、Google MapsではユーザーがGoogle Maps上にオリジナルの情報を付加できる「マイマップ」機能がありますが、2018年の西日本豪雨の際にはこの機能を使って一部の自治体が通行止め情報の提供を行っています。
【西日本豪雨】「職員ブラボー」 東広島市が公開した「Googleマップ」道路通行止め情報に称賛の声 担当者に聞いた-産経新聞
https://www.sankei.com/affairs/news/180714/afr1807140006-n1.html
このような活用方法は、恐らくGoogle Mapsのローンチ時点では想定されていなかったものであると同時に、紙媒体の従来の地図には決して真似できないものでもあります。
災害は起こらないに越したことはないのですが、万が一の備えとして、今後もこうした「いざという時に役立つ機能や取り組み」は積極的に拡大して頂きたいものです。
未来のGoogle Mapsはこうなる〜近い将来ARナビが登場か?〜
ここまでGoogle Mapsの今を見てきましたが、こうした歴史と技術の積み重ねを踏まえた上で、Googleはどういった未来を描いているのでしょうか?
その一端がわかる情報が先日一部メディアで報じられました。
GoogleマップのARナビ機能が実用化に向けてついにテスト開始、カメラで撮影するだけで位置情報を正確に把握可能-GigaZiNE
https://gigazine.net/amp/20190212-google-map-ar-coming
詳しい内容はリンク先の記事をご覧頂きたいのですが、Googleでは現在スマートフォン向けにAR技術を用いたナビ機能を試験している模様。
とはいえ、AR機能を用いた地図アプリ自体は、以前から複数のメーカーが発表しています。これら先発アプリとは、一体何が違うのでしょうか?
それを解き明かす鍵が、Google Mapsの機能の1つ「ストリートビュー」です。
Google Mapsでは、簡単な操作で通常の地図表示だけでなく、その場所の風景を見ることが出来るストリートビューモードに切り替えることが出来ます。
このストリートビューで使われている写真は、Googleが専用のカメラを搭載した自動車等を使い収集したもの。そして、Google Mapsで正しい画像が表示できるように、位置情報とも紐付けられています。
この位置情報付きの画像データをナビに活用してしまおうというのが、Googleの目論見です。
要は、スマートフォンのカメラで捉えた周囲の風景とストリートビューの画像データを突き合わせることで、GPSなど電波を利用した既存の位置情報システムの弱点を補ってしまおうという訳。
確かに、これが実現されれば、ユーザーにとってもより便利になります。
さらに、この機能を自動運転車に応用すれば、他社よりも正確に自車の走行位置を把握したり、より効率的なルート選定が可能となるでしょう。
実際にGoogleがそこまで考えているかはわかりませんが、ライバル各社にはなかなか真似のできない技術ですから、Googleの競争力を高める要因の1つにはなり得るでしょう。
まとめ
今回は身近な地図サービス「Google Maps」をキーワードに、その技術やそこから拓ける未来について考察してみました。
登場当時は単なる地図の表示サービスでしかなかったGoogle Mapsも、現在は多くの機能を備え、生活に欠かせないインフラの1つになりつつあります。
今後、自動運転技術が普及すれば、その技術はますます重要度が高まる事でしょう。
Google Mapsの切り開く未来に期待して、これからもチェックして行きたいと思います。
参考
https://enjoy.sso.biglobe.ne.jp/archives/google_komu/
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/753375.html
https://www.sankei.com/affairs/news/180714/afr1807140006-n1.html
https://gigazine.net/amp/20190212-google-map-ar-coming
▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!
建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!
CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中
デジタルツインと i-Constructionについての ホワイトペーパー配布中!
❶デジタルツインの定義
❷デジタルツインが建設業界にもたらすもの
❸i-Constructionの概要
❹i-Constructionのトップランナー施策