2019年最新!BricsCAD V19の新機能をご紹介!
CADは都度技術革新が行われていて、不定期にバージョンアップが行われます。関連する部門とのデータ互換性の問題はあるものの、使いやすさを求める場合には、最新バージョンのCADを使用するのがおすすめです。AutoCADと高い互換性を誇るBricsCADでも都度バージョンアップが行われ、2019年時点の最新バージョンはV19です。この記事ではBricsCADのバージョンアップ時期や2019年最新のバージョンV19の新機能などについて詳しくご紹介します。
CADをバージョンアップするメリットとデメリット
まず、BricsCADなどのCADをバージョンアップする際のメリットとデメリットについて簡単に紹介します。
メリット
改善された新機能をより便利なGUIで使えるようになるため、効率的に設計が進められます。また、CADデータを読み込む際の時間が短くなったり、操作中に固まったりするリスクが低減できます。
デメリット
最上位バージョンでは新しい機能が盛り込まれているため、古いバージョンのCADでは最新バージョンで作成したデータが完全に読み込めない場合があります。特にデータを他の部門や企業とやり取りしている場合、データが完全に再現できているか確認できないまま設計をすすめるのは情報の行き違いのもとになるため注意が必要です。
また、CADをインストールしている端末のスペックが古い場合、新しいバージョンのCADをインストールする際には、メモリやグラフィックドライバなどパソコン本体のバージョンアップを行ってからCADのバージョンアップを行う必要があるかもしれません。
BricsCADは1年ごとにバージョンアップ
約1年に1回ごとメジャーバージョンがリリースアップしています。そのほか、マイナーチェンジは数か月に1回程度行われています。
設計環境によっては、必ず最新のバージョンで利用するのが最善というわけではありませんが、特に普段設計に使用している機能が大きく変更が行われた場合には、バージョンアップを検討することをおすすめします。
BricsCADのアップデート方法
スタンドアロンライセンスの場合は、公式サイトから入手可能です。V14までの旧バージョンであれば最新のV19にアップデート可能です。
ここでは、スタンドアロンライセンスについて各々のバージョンを最新のV19にバーションアップさせる場合の価格を紹介します。(消費税8%、税込み)
・Classic
BricsCAD V16→V19:85,698円
BricsCAD V17→V19:70,794円
BricsCAD V18→V19:55,890円
・Pro
BricsCAD V16以前→V19:116,748円
BricsCAD V17→V19:96,444円
BricsCAD V18→V19:76,140円
・Platinum
BricsCAD V16→V19:168,912円
BricsCAD V17→V19:139,536円
BricsCAD V18→V19:110,160円
上記のアップグレードライセンスはAll-Inという1年間のメジャーバージョンアップの無償提供が受けられる権利が含まれています。
なお、ネットワークライセンス、ボリュームライセンスは代理店から入手でき、具体的に必要な価格は、使用しているバージョンやCADの本数などにより異なります。
BricsCAD V19の新機能
ここでは、BricsCAD V19で新たに盛り込まれた新機能についてご紹介します。
BricsCADの新機能
・ドラッグ中の図形表示
ズーム、パン、ビューの回転など操作中に形状が表示されたままになりました。より直観的に配置や形状の検討などが行えます。
・アクティブスナップステップ
マニピュレーターやNUDGE機能を用い移動距離や回転角度の定義ができます。形状に定規やコンパスを当てながら寸法を変更するような感覚で設計ができます。
・ヒントパネルの表示変更
リボン、ツールバーをクリックして選択できるヒントパネルがアニメーション化されました。よりどの機能の解説をしているのかがわかりやすくなりました。
・Import geometry from PDF Files
「PDF import」のアイコンからpdfの図面を選択して読み込むと、図面上に記載されているジオメトリや文字オブジェクトが「PDF Annotation」のレイヤーなどに読み込まれます。
・Blockify
繰り返し描画されたジオメトリのセットを1つのブロック要素として定義できます。ある形状を複製したい場合、要素を選択してコピーすることもできますが、この機能を使うとディスク容量やメモリを節約できるため、スムーズに形状が作成できます。2Dのほか3Dにも対応しています。
・Edit Block
「Blockify」で作成した形状は「Edit Block」コマンドを使うと要素をグループとして扱うブロック状態を維持したまま編集することができます。あるブロック要素を選択して「Edit Block」コマンドを押すとブロック形状のみが表示された画面が立ち上がり、編集が行えます。画面を閉じると、もとの図形にも編集内容が反映されます。
・最短距離
形状A、形状B同士におけるオフセット量を自動で計測し、パラメータで表示します。また、そのパラメータ値を変更することで、形状Aを基準にして形状Bの配置が変更できます。例えば、キッチンカウンターの外形から距離〇mmの場所に水道や流しを作成するといった設計定義が可能です。
・Excelとのデータリンク
「Import Table」コマンド内で、既存のExcelファイルが参照できるようになりました。データの内容は挿入時点での情報を表示するのではなく、Excelとリンクを保った状態で管理できるため、Excelのあるセルに記載した値を変更した場合は、図面上でも追従して変更されます。部品表や物性値などの情報をそのままデータに利用可能です。
・寸法入力の簡易化
形状に対して寸法を入力する際は、直線に対する寸法は「長さ寸法」、線分に対する寸法は「平行寸法」、円に対する寸法には「直径寸法」を使用するのが基本です。しかしV19では、「寸法」コマンドを選択すれば、それぞれのジオメトリ形状にあわせて適切な寸法が付与されます。
・グラデーションハッチング
ハッチングのバリエーションとして、色や背景のパターン定義ができるようになりました。
h3:3Dモデリングの新機能
・点群表示
.pts、.ptx、.lasなど、未加工の点群データについて、BricsCADで受け入れ可能な.bpt形式に変換できます。図面に盛り込む際は、レーザーキャプチャやRGB形式が選択できます。
・3D拘束の視覚化
オブジェクト同士の3D拘束が可視化できるようになり、アイコンをクリックすると寸法地などが確認できます。
BricsCAD BIMの新機能
・プロパゲート
「bimSuggest」が「bimPropagate」コマンドに変更され機能が拡充しました。ベースソリッドで指定したすべての要素(ソリッド、穴、仕上げ形状など)を類似する形状にマッピングできます。例えば、建物のベランダに設置した笠木を選択し、そこで定義されている形状を他の場所へ簡単に適用できます。
・カーテンウォール作成
自由曲面に対してグリッドを配置し、グリッドの形状や厚みなどをパラメトリックに編集可能です。
・HVACダイレクトモデリング
配管設計ツールが拡充し、3Dコンパスを使って配管の逃げなどが設計できます。また、接続部材のモデリングもライブラリから簡単に作成可能です。
h3:BricsCAD Mechanicalの新機能
・バルーン自動配置
図面内の部品表の番号をもとに、展開図など特定のビューに対してバルーンを自動で一括作成できるようになりました。
・パラメトリックコンポーネント
ISO、JISなどの基準をもとに800点以上のパラメトリック部品を含む穴のライブラリを整備し。穴の直径や深さ、加工条件などが簡単に定義できます。
・板金コマンドプロンプト
板金部品に設計変更を行った際に、展開前、展開後の形状がリアルタイムに追従するようになりました。
・メカニカルブラウザのノード検索
特定の要素をCtrl+Fなどのコマンドからノード名で検索できるようになりました。
まとめ
2019年の最新バージョンであるBrics CAD V19には、より設計がしやすくなる多くの新機能や改善機能が盛り込まれています。このほかにもV19ではさまざまな改善ポイントがありますので、興味のある方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか?
参考URL
http://www.bj-soft.jp/store/BricsCAD-verup/
http://alfatech.sakura.ne.jp/BricsCAD/new/BricsCAD%20ver_hikaku/BricsCADV18_BricsCADV19.pdf
http://alfatech.sakura.ne.jp/BricsCAD/new/Whats-New-inBricsCAD-V19_ja.pdf
https://www.youtube.com/watch?v=Iorpr5Fy0Lk&t=322s&loop=0
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