Google VS Baidu 検索エンジンシェアはどっちが上?
あらゆる情報が検索を通して得られるようになった現代、検索エンジンの存在が非常に大きくなっています。
検索エンジンと聞いてまず最初に浮かぶのはGoogleの名前でしょう。Googleのシェアは日本においても世界各国においても独占的な地位を占めています。
しかし中国だけはGoogleなんて視野に入らないくらいBaidu(百度/バイドゥ)という検索エンジンが圧倒的シェアを誇っています。
今回はGoogleとBaidu、そして検索エンジンのシェア事情について解説していきます。
世界の検索エンジンシェア
世界レベルではGoogle1強、Baidu(バイドゥ)、Bing、Yahoo!などが続く
国を問わず世界規模で検索エンジンのシェアを見た場合Googleが圧倒的1強です。
アメリカのWeb分析企業NetApplicationsの調査*1によると、2019年9月の各デバイスでの検索エンジンシェアは以下の通りとなっています。
【世界の検索エンジンシェア】
デスクトップ
1位 Google 74.81%
2位 Bing 11.19%
3位 Baidu 8.94%
モバイル
1位 Google 92.51%
2位 Baidu 3.57%
3位 Yahoo! 1.37%
タブレット
1位 Google 89.13%
2位 Baidu 3.16%
3位 Yahoo! 2.99%
いずれのジャンルにおいてもGoogleが圧倒的首位に立っていますね。
特にモバイル・タブレットではAndroidの影響もありいずれも90%近いシェアを誇っています。
一方でGoogleとは比べるべくもないですが、Baiduは3部門全てでベスト3に入っており一定の存在感を示していますね。
上記2社以外でランクインしている検索エンジンですが、Bingはマイクロソフト系の検索エンジンでアメリカなどでは比較的シェアがあります。旧名のMSNサーチという名前にピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。また日本でも有名なYahoo!ですが、検索エンジンでのグローバルシェアは一桁前半にとどまっています。
各国の検索エンジン事情
国別の検索エンジンシェアも見てみましょう。
以下のデータはアウンコンサルティング社の調査*2をもとにしており、2019年7月時点での結果となっています。
【各国の検索エンジンシェア】
日本
PC
1位 Google 92.05%
2位 Bing 7.15%
モバイル
1位 Google 99.07%
2位 Baidu 0.34%
韓国
PC
1位 Google 79.19%
2位 Naver 13.27%
モバイル
1位 Google 77.81%
2位 Baidu 18.64%
中国
PC
1位 Baidu 52.02%
2位 Sogou 27.35%
モバイル
1位 Baidu 87.63%
2位 Shenma 6.95%
アメリカ
PC
1位 Google 80.84%
2位 Bing 17.37%
モバイル
1位 Google 94.16%
2位 Bing 4.64%
Googleは国別でも圧倒的なシェアを誇り、上記以外の多くの国でもPC、モバイルの両方で90%近いシェアを誇っています。例外としてはBaiduが圧倒的シェアを誇る中国、そして自国製の検索エンジンYANDEXがGoogleと拮抗したシェアを持つロシアの2カ国が挙げられます。(詳しいデータは脚注のリンク先を参照)
中国に関してGoogleは2010年に検閲をめぐる問題などから中国市場からの撤退を表明しており、基本的には中国国内でGoogleは利用されていません。
中国で圧倒的存在感を誇るBaidu
前節のデータからも見て取れるように、世界的にはGoogleの足元にもおよばない(というかほとんど使われていない)Baiduですが、中国国内でのシェアは他国におけるGoogleのシェアに匹敵するレベルとなっています。
中国は非常に人口が多く、インターネットの普及も急速に進んでいます。結果、自国内での利用がメインにも関わらず、世界的な統計でもGoogleに続くシェアを誇る検索エンジンとなっているわけです。
また中国の検索シェアではPC部門でSogou(搜狐)、モバイル部門でShenma(神马)がそれぞれ2位につけていますが、いずれも中国発祥の検索エンジンです。それぞれ中国の有力企業テンセント、アリババと関係が深く徐々に中国国内での存在感を増してきています。
グローバル展開や訪日客など日本でもBaiduを意識する時代に?
日本で普通に生活する分にはほとんど意識することのないBaiduですが、ビジネスの世界では話が変わってきます。
世界最大の人口を誇り経済発展の著しい中国は今最も注目されるマーケットの一つ。中国国内でのビジネスにとどまらず訪日客、いわゆるインバウンド需要を狙ったビジネスも活発です。
中国向けビジネスを考える上では、検索シェア1位のBaiduに対するSEO対策を真剣に検討していくシーンも当然出てくるでしょう。
検索エンジンシェアの数字以上にBaiduを意識する場面に遭遇する可能性も十分あるというわけです。
【Simeji】日本でも意外なところにBaiduのサービスが
余談ではありますが、日本で人気のスマホ向けキーボードアプリ「Simeji」はBaiduの日本法人バイドゥ株式会社によって開発・運営されています。若い世代を中心に非常に人気のあるアプリで、お使いの読者もいらっしゃるかもしれません。
日本における検索エンジン市場では非常にマイナーなBaiduですが意外なところで日本市場でも存在感を示していたんですね。
日本の検索シェアはGoogleが支配的
日本での検索エンジンシェアでもGoogleが圧倒的1位、そこにBingが続く形になっています。Bingが一定のシェアを誇っている要因としては、マイクロソフト社製のブラウザであるInternet ExplorerやEdgeのデフォルト検索エンジンとなっていることが影響していると思われます。
ここで「あれ?2位はYahoo!じゃないんだ」と思った方も多いハズ。
かつて日本でポータルサイトの代名詞といえばYahoo!でした。Googleが普及した今でもYahoo!ニュースは度々話題になりますし、ソフトバンクユーザーや高めの年齢層を中心にまだまだYahoo!は大きな存在感を持っています。
ではなぜYahoo!が日本での検索エンジンシェア2位ではないのか?
実はこの統計においてはYahoo!での検索=Googleでの検索としてカウントされているんです。
Yahoo!JAPANでは2011年より検索エンジンとしてGoogleを採用しています。つまりYahoo!で検索するとGoogleで検索した場合とほぼ同じ検索結果が表示されます。
Yahoo!独自のサービス情報が表示されるなど細かな違いはあれど基本的には同じ検索エンジンが動いており、シェア計測の際もYahoo!での検索はGoogleの検索エンジンを使った検索としてカウントされるわけです。(注:計測方法については*2のリンク先もご参照ください)
日本国内でのSEO事情に関してWeb検索してみるとほぼGoogleをターゲットとした情報しか出てきませんが、その裏には日本における検索が(Yahoo!検索を含めて)ほぼGoogle検索で占められているという事情があったわけです。
まとめ
今回はGoogle、Baiduを中心に検索エンジンのシェアについて解説しました。Googleが検索エンジン界の巨人であることは今更言うまでもありませんが、今後はビジネスシーンを中心に中国最大手のBaiduを意識する場面も増えてくるのではないでしょうか。
*1 Search Engine Market Share.NET MARKETSHARE
https://netmarketshare.com/search-engine-market-share
*2 世界40カ国、主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】.アウンコンサルティング株式会社
https://www.auncon.co.jp/corporate/2019/0910.html
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