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Google chromeのflashサポート終了で何が変わる?

2008年の登場以来、PC向けの高速ブラウザとして確固たる地位を築いてきたGoogle Chromeに、今大きな変化が訪れようとしています。
今回は、Webブラウザの歴史にとって1つの節目となる「flashのサポート終了」について、Google Chromeを中心に解説していきましょう。

■この記事では次のことがわかります
・GoogleChromeとflashの基礎知識
・flashを排除する業界の流れ
・flashのサポート終了後はどうなるのか?

はじめに:Google Chromeってどんなブラウザ?

本題に入る前に、まずはGoogle Chromeというブラウザについて、簡単にご紹介しましょう。
Google Chromeはその名の通りGoogleが開発しているWebブラウザで、Windows・macOS・Linux等のPC向けOSだけでなく、iOS(iPad OS)やAndroid OSといったモバイル向けOSまで、幅広く対応しています。
そのうち、PC向けのものに関してはオープンソースのWebブラウザ「chromium」をベースにしており、ChromeはこのchromiumにGoogleが独自機能を追加したものです。
Google系のサービスと相性が良いことに加え、PC版同士ならOSが違ってもUIがほぼ同じであることや、豊富な拡張機能でカスタマイズ利便性も相まって、今では市場シェア1位のWebブラウザとなっています。*1

動画からゲームまで幅広く対応するflashとは?

次はflashについて触れてみましょう。
flashとは、Adobeが提供しているコンピューター上でのアニメーション表示に関する規格です。
元々はマクロメディアという企業が開発していましたが、現在はPhotoShopなどで知られるAdobeに買収され、同社が開発とサポートを担当しています。
flashは主にWebサイト上で動きのある表現を行う時に使われ、マウスカーソルを当てると色が変わったり、操作に応じてコンテンツを表示するといった今では当たり前の動作にも、かつてはflashが必要不可欠でした。
また、こうした動きを出せる事を応用し、簡単な動画の表示やブラウザゲームにも活用されました。
一時期大人気となったブラウザゲーム「艦隊これくしょん」なども、flashを活用したものです(後者は現在はHTML5へ移行)。

なぜflashのサポートが終了するのか?

そんなflashですが、実は開発元のAdobeから既にサポートの終了が発表されています。*2
それによると、PC向けのflashは2020年末で再生に必要なアプリ(Flash Player)の更新とサポートが停止される予定です(モバイル向けOSについては、既にサポートが終了しています)。
こんな便利なものを何故廃止するのか疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、それにはいくつかの理由があるのです。

代替技術の普及

かつてはWebサイト上で動的な表現をするなら、flashが定番でした。
しかし、現在はHTML5など新たな規格の普及により、flashなしでも同じような表現が可能となっています。
さらに、flashではWebブラウザでコンテンツを再生する際にプラグインを入れておく必要がありましたが、HTML5ではこうした面倒な作業も不要です。
だったら、わざわざflashに貴重なヒト・モノ・カネそして時間を割く事は、Adobeにとって合理的とはいえないのです。

モバイル系OSの脱flash

Appleのモバイル端末に使われるiOS(iPadOS)は、登場当初からflashへの対応を行っていません。
また、Androidについても既にFlashPlayerの更新は終了している為、実質的に非対応と考えて差し支えないでしょう。
そうなると問題になってくるのが、Webサイトで動きのある表現をする際、flashを使うとスマートフォンやタブレットでは上手く表示出来ないという点です。
よって、こうしたモバイル端末での閲覧を考慮するなら、flashは使えないということになります。
その上、HTML5等の代替規格はモバイル端末とPCのどちらからもプラグインなしで再生できるので、この時点でPC向けにflashを残す理由もなくなるのです。

ブラウザの動作速度向上

PC向けのブラウザでは、FlashPlayerのプラグインを利用してWeb上のflashコンテンツを再生しています。
一方、HTML5などの代替規格はプラグインなしで利用できる為、その分ブラウザの動作速度の面ではflashが不利になることは否めません。
もっとも、最近のPCは安い機種でも十分なマシンパワーがあるので、flashの有無がそこまで速度に影響しないという方も多いかもしれませんが……。

PC版Chromeは未だFlashPlayerを搭載しているが

話をGoogle Chromeに戻しましょう。
Chromeのうち、WindowsやmacOSといったPC向けOS用のものに関しては、以前からFlashPlayerのプラグインが標準搭載されています。
しかし、実はこのプラグイン、最新バージョンのChromeではデフォルトで無効化されており、利用する際はユーザーが手動でONにする必要があるのです。
元々はこうした設定ではありませんでしたが、2017年1月から順次こちらの設定に切り替わり、現在に至ります。3
ちなみに、Google Chrome以外のPC向けWebブラウザも概ね類似の対応となっている
2 ことから、業界全体としてもflashからの離脱を前提に動いていると言えるでしょう。

flash廃止後にWebサイトはどうなる?

FlashPlayer更新停止については、あくまでAdobeのFlashPlayerが終了するというだけで、他の開発元から提供されているflashの再生アプリ自体は影響を受けません。
また、既にインストール済みのAdobe FlashPlayerが動作しなくなるという事でもありません。
よって、2020年末以降もflashコンテンツの再生自体は可能です。
とはいえ、開発元による公式サポートが終了し、さらにスマートフォンやタブレットに対応できない規格を使い続ける合理的な理由もないので、既にHTML5等へ移行を進めているWebサイトも少なくありません。*2
このままのペースで行けば、2020年末のタイムリミットまでには、ほとんどのflashコンテンツが代替規格へ置き換えられると見て良いでしょう。

flashのサポート終了後のChromeはどうなる?

既にご紹介した通り、現行のGoogleChromeは初期設定で無効化されているものの、FlashPlayerのプラグインを内蔵しています。
しかし、AdobeによるFlashPlayerのサポートが終了すれば、いずれはGoogleもChromeへのFlashPlayerプラグイン内蔵を止めることになるでしょう。
そうなった場合、期待できるのはブラウザの動作速度向上、そしてChrome自体の開発速度の向上です。
前者については既に述べましたが、理論上は不要なプラグインが排除されることで、動作速度が向上します。
後者についてはFlashPlayer起因のアップデートが不要となる為、これで浮いた人員をChromeの他の部分の開発へ回せることになります(浮いた人員をカットする可能性も無きにしも非ずですが)。
人員を増やせば必ず良い製品が出る訳ではありませんが、Googleの開発メンバーに余裕が出来る事は確かでしょう。

まとめ

今回は「Google chromeのflashサポート終了で何が変わる?」と題して、FlashPlayerとGoogleChromeの今後について解説してきました。
一時代を築いた規格が消えるのは寂しいですが、中途半端に残って技術革新の足を引っ張ってしまうのも考えもの。
この点から見れば、Adobeや各ブラウザ開発陣の対応は、少なくとも現時点ではなかなか上手くいっていると感じます。
私達を楽しませてくれたflashに感謝しつつ、最後の花道をしっかり見届けたいものです。

参考

*1 https://webrage.jp/techblog/pc_browser_share/
*2 https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1072487.html
*3 https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1034601.html

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