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アジアを中心に急成長のXiaomiがついにスマートウォッチを発売

2010年に創立され、アジアを中心に爆発的にユーザーを増加させながら、存在感を増している「Xiaomi」という会社をご存知ですか?そのXiaomiからついにApple Watchに対抗できる高機能なスマートウォッチが発売されました。今回の記事では、その概要についてご紹介していきましょう。

この記事でわかること
・Xiaomiとはどんな会社か
・新発売のスマートウォッチのスペックなど
・Apple Watchとの違い

Xiaomiとはどんな会社

「Xiaomi」はLei Jun氏が創業し、アジアを中心として低価格ながら魅力的なデザインや機能を持った電子機器を数多くリリースし、総合家電メーカーとして急速に発展してきた企業です。(*1)

■Xiaomiの沿革
2010年 会社設立
2011年 スマートフォンの販売を開始
2016年 Microsoftとの相互ライセンス契約を締結
2018年 香港取引所上場

Xiaomiは、ウェアラブルバンドの出荷台数では世界2位(1位はApple)、スマートフォン出荷台数では世界4位に躍り出ています。(*2)創立から10年に満たないにも関わらず、ワールドワイドでAppleに迫るシェアを持つようになった今注目の企業です。(2018年時点)

創業者のLei Jun氏は、Officeソフトの制作で有名なキングソフトの会長兼CEOでもある連続起業家です。「あらゆる人にイノベーションを」(Innovation for everyone)を理念に掲げ、低価格ながら高機能な製品を多く開発・リリースしており、アジア市場からは絶大な支持を受けながら急速に事業を拡大しています。創業9年目の2018年には1兆円を超える売り上げを達成しています。

日本国内ではまだそれほど認知度が高くないメーカー、ブランドではありますが、世界市場では確実に存在感を増しており、今後は国内でも見かけることが多くなってくるはずです。
ただ、低価格・中国メーカーというと「安かろう、悪かろう」なイメージがどうしても付きまといますので、メインで使用するスマートフォンやPCなどを選択する際には躊躇してしまいます。しかし、Xiaomiの場合「永久的にハードウェアの利益率を5%以下に抑え、それを超えた分は全てユーザーに還元する」ことを企業目標に掲げており、低価格ながら高機能で使いやすいブロダクトをリリースしてきました。(*3)
実は中国でも人気のiPhoneは、端末価格が10万円を超えることから、一般的な庶民には高嶺の花と言える存在であり、その事が数多くの偽物が出回る大きな理由にもなっていました。Xiaomiはこのような状況を改善し、正規の製品で十分な機能を持った良質なデバイスを、一般的な庶民でも購入できる価格で販売することを目標としています。

このように、Xiaomiは創立時点から強烈にAppleを意識していることもあり、スマートフォンやウェラブルデバイスなどでは、Apple製品によく似たデザインや性能のものが多いのも特徴です。今回ご紹介するスマートウォッチについても、Apple Watchによく似たルック・アンド・フィールを持っています。

いくつかのサブブランドを持つXiaomi

Xiaomiのラインナップとして、少しわかりにくいのはXiaomiがいくつかのサブブランドで製品を発売している点です。「Amazfit」「Mi band」というブランドがあり、内容は以下のようになっています。

◯Amazfit
Xiaomiが出資したHuamiという企業が製造しているウェアラブルデバイスのブランド

◯Mi band
Huamiが製造して、Xiaomiブランド名で発売しているスマートバンド

「スマートウォッチ」と「スマートバンド」の違い

「スマートウォッチ」と「スマートバンド」は、どちらもウェアラブルデバイスに含まれますが、その違いはそれほど明確ではありません。
バンドと一体型かどうかが一つの区別になりますが、機能的にはスマートバンドでも低価格帯のスマートウォッチに遜色ないものもあります。
利用目的に注目して「スマートフォンの小型版がスマートウォッチ」であり、「フィットネス・ヘルス関連に特化した機能を重視しているのがスマートバンド」とするのが現時点では妥当かもしれません。

Miスマートバンド4はフィットネス・ヘルス関連の機能が充実し、5気圧防水、1度充電したら20日間の連続使用が可能でありながら、日本では4,000円前後の価格で入手できるのが魅力です。(*4)
もちろん、スマートフォンとの連携機能も搭載し高精細カラー有機ELパネルで見た目もチープさは感じさせません。Xiaomiはこうした手軽に購入できる価格帯でありながら、優れた製品を提供し、シェアを広げてきた実績がある企業です。

Xiaomiが初となるスマートウォッチ発売

Xiaomiが初となる本格的なスマートウォッチ「Mi Watch」を2019年11月にリリースしました。(*5)
GoogleのWear OSをベースにした独自OSであるMIUI For Watchを搭載し、1.78inch、368×448pixelの有機ELパネル、QualcommのSnapdragon3100をプロセッサーに採用しています。1GBのメモリと8GBのストレージで十分な性能を持ちながら、570mAhの大容量バッテリーが1回の充電で36時間の連続使用を実現しています。

また、マイク、スピーカーがありeSIMにも対応していますので、単独での通話も可能です。さらにNFCをサポートしていますので、AlipayやWeChatなどのモバイル決済に対応し、バスや地下鉄などの交通系カードの利用も可能になります。「Mi Watch」は、Apple Watchに非常によく似た外見で、明らかにAppleを意識したデザインになっています。

Apple Watchをターゲットにした外観

ノートPCのパームレストや薄型キーボード、トラックパットなど、Appleが最初にプロダクトデザインとして採用し後に多くのメーカーが採用し広く普及したものも多くあります。そのため一概に「似ているからオリジナリティがない」と断ずるのもどうかとは思います。 実際、Appleのデザインがそれだけ優れていて、他にそれを凌駕する製品がなかなか生まれないというのが事実でしょう。

しかし、「Mi Watch」については、当初からXiaomiがApple製品を強く意識していることからいっても、明らかにApple Watchをターゲットにした外観にしていると思われます。Apple製品が高くて躊躇している一般ユーザーをターゲットにしていることも、こうしたデザイン面からも明確であると言えます。

Mi Watchのラインナップ

製品ラインナップとしては、スタンダードモデル(アルミ製)がブラックとシルバーの2色で展開しており、プレミアムモデル(ステンレス・サファイヤガラス製)がブラックの1色のみとなっています。
それぞれ、1299元(約2万円)、1999元(約3万1千円)と戦略的な価格設定であり、性能から見ると同レベルの競合製品より確実にリーズナブルです。

Apple Watchシリーズ5が、アルミニウムケースモデルで42,800円から、ステンレススチールケースモデルで72,800円からと比較して見ると、価格面での優位性がはっきりとします。(*6)
元々「薄利多売」を企業戦略とし、アジア圏を中心に多くのユーザーを取り込むことで、直近のウェアラブルデバイス市場の拡大に貢献しているのがXiamiという企業です。今回、いよいよAppleが絶対的な優位性を保持しているスマートウォッチ市場に参入してきたということで大きな注目を集めています。

Apple Watchとの違い

現在のところ、中国国内のみの販売で日本での正式リリース時期などは未定ですが、Xiaomiの日本進出が正式に発表されましたので、間も無く実機を国内で手にすることができるかもしれません。

デバイスの持つ性能・機能については、Apple Watchと全く遜色ないレベルといってよいでしょう。後発である強みを活かし、常時パネル表示などApple Watchがシリーズ5で初めて搭載した機能などもすでに実装しています。
UIについては独自のOSを採用していることから、ややApple Watchとはイメージが異なる可能性がありますが、まだ発売間もないことから操作性などについては確かな情報が少ない状況です。ただし、Amazfitブランドですでに多くのスマートウォッチを製造している実績がありますので、十分に期待できるものであると思われます。

中国で人気のある40ものアプリがプリインストールされていることなど(*7)、明らかに中国市場にマッチした仕様になっていることも特徴の一つです。もし、日本で発売されるようになったら、こうした点も国内ユーザーに合わせてローカライズされるのかもしれません。このような地域特性に合わせたカスタマイズ・ローカライズがきちんとできるかどうかが、それぞれの市場に受け入れられるかどうかを占いますので、今後のXiaomiの日本戦略に注目したいところです。

一方、やは見た目がApple Watchによく似ていることは否めませんので、実際に所有して利用するユーザーからしてみると「よくある中国製の類似品」と思われかねないのは、マイナスイメージになりそうです。高級感はApple Watchの方に明らかに軍配が上がりますので、その辺りを割り切って使えるかどうかも重要な判断要素の一つとなるでしょう。

まとめ
AppleはNFCの利用について制限が多く、モバイル決済などではiPhone、Apple Watchが便利と言えるほど普及していない状況が続いています。このような点においては、キャッシュレス決済が急速に発達した中国を由来とするMi Watchが、どの程度日本市場で活躍できるかなどが期待されるポイントと言えるでしょう。
また、スマートウォッチ市場で価格破壊を引き起こし、もっと身近なデバイスとして急速に普及する牽引役ともなりそうです。今後のXiaomiの国内での展開には当分目が離せません。

<引用>
*1
https://www.tjc-jp.com/xiaomi/aboutxiaomi/index.html
*2
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5de8514be4b0913e6f8aad52
*3
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1119109.html
*4
https://www.mi.com/jp/mi-smart-band-4/
*5
https://japanese.engadget.com/2019/11/06/xiaomi-apple-watch-mi-watch-miui-for-watch/
*6
https://www.apple.com/jp/shop/buy-watch/apple-watch
*7
https://jp.techcrunch.com/2019/11/06/2019-11-05-xiaomi-smartwatch-launch/

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